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三浦透子が一人芝居に挑戦。論理的思考で気の合う俳優・井之脇海と芝居談義

  • 2026.6.29
三浦透子と井之脇海

映像でも活躍する実力派俳優が、翻訳劇と格闘中

三浦透子

今回の『プライマ・フェイシィ─私の声を聞いて─』は弁護士の役で、加害者側の弁護をしてきた女性があるとき被害者になってしまうお話。

お芝居って、相手によって心を動かされたり、作用し合って作るものと思っていたから、相手のいない一人芝居をどう捉えたらいいのか。稽古はこれからですが、まだ想像がつかなくて。

海くんが前に出演した『ボクの穴、彼の穴。W』はモノローグが多くて、一人芝居みたいな場面もありましたよね?

井之脇海

あのときは、そばに敵がいるという設定で、自分のいる穴の風景をイメージしながらやっていた気がします。

三浦

「いる場所をイメージする」というのは一つの正解かもしれないね。今セリフ覚えに苦労していて(笑)。普段、いかに相手のセリフをヒントにしていたかわかりました。相手の言葉に反応すればいいから、あまり苦労せずに覚えられたんです。

井之脇

わかる!僕も同じです。

三浦

海くんは、少人数のハイカロリーな舞台をたくさんやっている印象があります。

井之脇

今稽古中(取材時)の『レディエント・バーミン Radiant Vermin』は3人。少人数の舞台のいいところは、相手のコンディションや工夫してきたものを贅沢にキャッチできるところ。透子ちゃんはミュージカルもやっていたよね?

三浦

ミュージカルは、自分がどんな状態でも曲が流れたら歌いださなければいけないのが、毎回大変でした(笑)。ほかのお芝居のように一呼吸置いたりできないから。演じながら客席のことは気にしますか?

井之脇

基本的にはお客さんはいないものとして舞台上の出来事に集中しますよね。去年コメディに出たときは、客席のウケ具合によって、共演者の舞台の猛者たちが微妙にテンポやニュアンスを変えていらしたけど。

三浦

それはすごい。

井之脇

今、共演している池津祥子さんが、「お客さんも高いお金を払って観に来てくださるのだから、決して怖い存在じゃないよ」とおっしゃったんです。基本的には集中して観てくださる。演者と観客が共犯関係にあるのは生の醍醐味ですね。

三浦

そうかもしれない。海外戯曲の場合、歴史的背景や家族観、文化が日本と違うから、そこをどう乗り越えて、お客様にリアリズムを感じていただけるか考えますね。

井之脇

僕も宗教観を捉える難しさを感じています。でも、そういうことを勉強して、脚本読解を深める作業は面白いです。

三浦

戯曲の奥深さを感じますよね。

井之脇

英語のセリフを日本語に訳すと、単純に文章が長くなるんですよね。感情に乗せて、普段話す日本語のリズムのままやると物語の世界が停滞してしまう、と演出家に言われて、それは今回発見でした。

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三浦

海くんは常に全体が見えているんですよね。だからこその苦労はあるかもしれないけど一緒に仕事をしていて安心します。

井之脇

透子ちゃんは、すごく深いところで役をキャッチしていて、いつもすごいなと思う。論理的なのかもしれないけど、感覚的なところも長けているというか。僕はどちらかというと頭でキャッチして、心や体を操縦するタイプだから。

三浦

お芝居を感覚でやっているのか、考えてやっているのか年々わからなくなります。スタッフの皆さんも共演者もベストと思う「奇跡の一回」みたいなお芝居をちゃんと再現できるようになりたいです。再現率を上げるためにはどう準備したらいいんだろう、ということに頭を使います。

井之脇

映像も舞台も、その瞬間に起きる出来事をキャッチして突き動かされた感情を大事にするというのは同じだけど、そこに集中するために別の余計なエネルギーを使わないよう、繰り返し動きを練習するとか、プランを練ったりしますね。

三浦

こういう話が通じるのも海くんならでは。定期的にハードルの高い作品にお声をかけていただき痺(しび)れますが、恵まれているなと思います。毎回必死です(笑)。

Information

『プライマ・フェイシィ─私の声を聞いて─』のメインビジュアル

『プライマ・フェイシィ─私の声を聞いて─』

作:スージー・ミラー/翻訳:徐賀世子/演出:栗山民也/出演:三浦透子

気鋭の弁護士テッサ・エンスラーは心から法制度を信じ、加害者の弁護を担い、多くの無罪を勝ち取ってきた。しかし、ある夜、性的暴力を受け、被害者の立場に立たされ、世界は一変してしまう。

東京公演7月1日~26日、ザ・スズナリ。群馬・福島・茨城・大阪・兵庫公演あり。

profile

三浦透子

みうら・とうこ/1996年北海道生まれ。俳優、歌手。映画『ドライブ・マイ・カー』にて日本アカデミー賞新人俳優賞ほか受賞。最近の出演作にNetflixシリーズ『地獄に堕ちるわよ』など。ドラマ『銀河の一票』に出演。

profile

井之脇海

いのわき・かい/1995年神奈川県生まれ。俳優。7月5日までシアタートラムにて白井晃演出の舞台『レディエント・バーミン Radiant Vermin』に出演中。地方公演あり。2026年6月、主演映画『君は映画』が公開。

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