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「いつ持ってくるんだ!」お中元シーズンに激怒する男性客。後から判明した“拍子抜けする真相”に宅配員「言葉を失った」

  • 2026.7.18
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さまこんにちは。元宅配員のmiakoです。

「今日届くと聞いていたのに、なかなか荷物が来ない」。
そんなふうにやきもきしながら荷物を待った経験がある方も多いのではないでしょうか。

特にお中元やバーゲンシーズンなど、荷物の数が増える時期は、ちょっとしたトラブルで到着が遅れてしまうこともあります。

今回は、そんな繁忙期に起きた、ある荷物をめぐる出来事についてお話ししたいと思います。

悪天候の影響で、午前中の荷物が届かない

その日は、お中元やサマーバーゲン品の荷物に追われる、まさに繁忙期のさなかでした。

ただ、前日からの悪天候による交通網のトラブルで、輸送トラックが立ち往生してしまったようです。そのため、本来であれば朝イチに営業所へ届くはずだった荷物が、午後便に回ってしまうことになりました。

そのため、朝の営業所にはいつもより荷物が少なく、繁忙期にもかかわらず、珍しく時間に余裕を感じながら配達に回っていました。

「いつ持ってくるんだ」怒りの電話

そんな折、私の持つ携帯電話に着信がありました。

「おい!いつ荷物を持ってくるつもりだ!ずっと待ってるんだが!」

かなりご立腹な様子がうかがえる、太く強い声でした。
勢いのある強い言葉に、思わず気圧されそうになりました。
声の質からして、男性のお客様のようでした。

「お待たせして申し訳ございません。恐れ入りますが、お客様のお名前とご住所、それと伝票番号はお分かりになりますか」

私はなるべくゆっくりと、事情を伺うように、冷静に声をかけました。

電話の向こうのお客様は、名前と住所は教えてくださったものの、伝票番号は分からないとのことでした。
ご住所は私の担当エリアでしたが、私の持っている荷物の中にそのお客様宛のものはありませんでした。

「今日、届くと聞いてずっと待ってる。なぜまだ持ってこないんだ」

時間は午前11時半になる頃でした。

「そのお荷物は、午前中にお届けするご指定があったのでしょうか」
それは知らん。だが今日届くと聞いていたから、朝から出かけず待ってるんだ。さっさと持ってきてくれ

早く受け取りたい、その一心で伝えてきているのが伝わってきました。
しかし手元に荷物がなく、伝票番号も分からない以上、探すこともできません。

「大変申し訳ありませんが、私は今、お客様のお荷物をお預かりしておりませんので、今朝の時点ではまだ、お客様宛のお荷物は当営業所に届いていなかったと思われます」

ゆっくり丁寧にお伝えしました。

「じゃあいつなら持ってくるんだ」
「この後お昼過ぎと夕方の2回、荷物の到着がある予定です。それでもお荷物が見当たらなかった場合は、本日のお届けは難しいかと思います」
「じゃあ、今うちの荷物はどこにあるんだ」
「ご心配をおかけして申し訳ございませんが、お荷物をお探しするにも、伝票番号がなければお調べすることができません。もし伝票番号がお分かりになればお調べいたしますが」
「だから荷物を送ったとしか聞いてないから分からんと言ってるんだ!」

どうやら送り主から荷物を送ったという連絡はあったものの、伝票番号までは伝えられていなかったようでした。

「それでは、お荷物が見つかり、お届けの目安が分かりましたらご連絡を入れさせていただきますので、しばらくお待ちいただいてもよろしいでしょうか」
「できるだけ早くしろよ」

そう言うと、お客様は一方的に電話を切ってしまいました。

繁忙期の仕分けの中で見つかった荷物

お昼過ぎ、営業所に戻ると、午前分の遅れていた荷物と通常の午後便が重なり、いつもの1.5倍ほどの量が届いているところでした。
繁忙期ということもあり、この後さらに忙しくなることは目に見えていたので、戻ってきた宅配員たちと急いで仕分け作業に取りかかりました。

仕分けをしていると、先ほど電話をかけてきたお客様宛の荷物が見つかりました。
荷物には時間指定がなく、箱には「お中元」の熨斗がついていました。

早く届けてほしいと言っていた荷物がこれかどうかは分かりませんでしたが、他にこのお客様宛の荷物は見当たりませんでした。

優先してお届けしようと、念のため先ほどの番号へ折り返し連絡を入れることにしました。

折り返しの電話で分かった、拍子抜けの真相

「はい、もしもし」

先ほどとは違う、女性のやわらかい声が聞こえました。

「宅配便です。すみません、大変お待たせしております。先ほどお問い合わせのありましたお荷物かどうかは分からないのですが、お客様宛のお荷物が一点、午後便で届きましたので、この後14時以降にお届けに伺おうと思うのですが、ご都合はいかがでしょうか」
「あ、もしかしてさっきうちの主人が電話してた、〇〇さんからの荷物かしら」

そう聞き返され、荷物の差出人を確認すると、確かに〇〇様と記されていました。

「さようでございます。お急ぎでいらっしゃったのでしょうか。大変お待たせしてしまったようで申し訳ございません」
「いいえー!今日届くって聞いていただけで、全然急いでいないのよ。今日は一日中家にいるつもりだから、急がなくても大丈夫ですよ」

急がなくても大丈夫。
その言葉に、一瞬言葉を失いました。

午前中のあのやり取りは、一体何だったのでしょうか。
優先してお届けしようと動いていた分、内心では少し肩透かしを食らったような気持ちになりましたが、もちろんそれをお客様に伝えるわけにはいきません。

「かしこまりました。ありがとうございます」とお伝えして、電話を切りました。

その後、14時台に指定のあった荷物や、遅れて届いた午前指定の荷物とともに、15時前にそのお宅へ配達に伺いました。
ですが、最初に電話をかけてきた旦那さんらしき男性の姿は、そこにはありませんでした。

怒りと安堵の間にあった温度差

ギフト便や注文した品は、届くと聞くとつい到着が待ち遠しくなるものです。
早く中身を確認したい、その気持ちはとてもよく分かります。

ただ、時間指定のない荷物は、宅配員の状況や、近隣に時間指定の荷物があるかどうかによって、お届けのタイミングが前後することがあります。

生ものなど、どうしても早めに受け取りたいお荷物がある場合は、あらかじめ伝票にその旨を記載していただくか、時間指定を設けていただくと、配達する側としても優先しやすくなり、大変助かります。

これからも、お客様のもとへ気持ちよく荷物をお届けできるよう、現場の宅配員たちは日々工夫を重ねています。

荷物を待つ方の気持ちと、それをお届けする側の思いが、少しでも重なり合える未来であってほしいと願っています。



ライター:miako
宅配ドライバーとして10年以上勤務した経験を生かし、現場で出会った人々の温かさや、働く中で積み重ねてきた"宅配のリアル"を、経験者ならではの視点で綴っています。
荷物と一緒に交わされてきた小さなエピソードを、今は文章としてお届けしています。


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