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人気絶頂の中、世界的レコード会社との契約を“電撃発表”…第二の夢を追う『3人組』が新曲で示す"新たな一歩"

  • 2026.9.7
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MUSIC AWARDS JAPAN 2025 Number_i (C)SANKEI

2026年5月、Atlantic Recordsとの契約を発表したNumber_i。9月23日には、移籍後第1弾となる4thシングル『REBON / BUGS LIFE / DIGITAL GIRL』をリリースする。3曲すべてを表題に掲げたトリプルAサイドであり、新たな環境へ踏み出した3人の現在地を多角的に示す作品になりそうだ。まずは先行配信された「BUGS LIFE」から、Number_iが新章で打ち出そうとしている表現を見ていきたい。

「GOAT」から積み重ねてきた海外への歩み

Number_iにとって、海外での活動はAtlantic Recordsとの契約によって突然生まれた目標ではない。2024年1月にデビュー曲「GOAT」を世界同時配信し、同年4月には米国最大級の音楽フェス『Coachella Valley Music and Arts Festival』に出演。2026年2月には、海外での活動を見据えてWMEとエージェント契約を結ぶなど、デビュー当初から着実に世界へ向けた足場を築いてきた。

もちろん、海外のレーベルと契約したこと自体は大きな転機だ。Atlantic Recordsは長い歴史を持ち、世界的なアーティストを数多く送り出してきたレーベルでもある。そのネットワークや制作環境を得たことで、Number_iの音楽がこれまで以上に広い地域へ届く可能性は高まったと言えるだろう。

Number_iはこれまでも、「GOAT」の重厚なHIPHOPサウンド、「BON」における和のモチーフ、「INZM」で見せたスピード感のあるラップと映像表現など、楽曲ごとに強い個性を打ち出してきた。そこに共通するのは、3人の身体性やキャラクターを生かしながら、音楽、ダンス、映像を一体として見せる姿勢だ。Atlantic Records移籍後に問われるのも、その個性を薄めることではなく、どのように世界へ届く形へ広げていくかだろう。

神宮寺勇太が「BUGS LIFE」に込めた“偶然”への思い

その最初の一歩となったのが、神宮寺勇太プロデュースの「BUGS LIFE」だ。同曲はデジタルサウンドを軸に、“バグ”という言葉をひとつのテーマとしている。一般的にバグは、コンピューターやシステムに起きる不具合を指すもの。しかしこの曲では、いくつもの偶然が重なり、現在の自分たちやファンとの出会いにつながったことを、奇跡のような“バグ”として捉えている。

サウンドは、重くうねる低音と無機質な電子音が中心。随所にノイズやひずみを思わせる音が差し込まれ、安定した世界へ意図的にズレを生み出していく。一方で、歌われているのは今ここに立てていることへの感謝や、偶然の出会いを肯定する思いだ。冷たさのあるデジタルサウンドと、人間味のあるメッセージ。その対比が「BUGS LIFE」の大きな魅力になっている。

Official MVでも、楽曲の世界観は視覚的にわかりやすく表現されている。アスキーアートやノイズ、画面の乱れを思わせる演出が次々と登場し、現実とデジタル空間の境目が崩れていくような映像が展開される。すべてを一度で理解できるように整理するのではなく、見るたびに新しい発見が生まれる情報量の多さも印象的だ。

ダンスにも、楽曲のテーマである“バグ”が落とし込まれている。3人がぴたりと動きを揃える場面がある一方で、一人だけ向きやタイミングをずらし、システムの中にエラーが起きたような瞬間を作る。高い技術で揃えるだけではなく、あえて崩すことで楽曲の個性を伝える。その見せ方は、Number_iがこれまで磨いてきたパフォーマンスの延長線上にあるものだ。

3曲で示すAtlantic Records移籍後の現在地

4thシングルには「BUGS LIFE」のほか、「BON」の続編となる「REBON」、2026年春の渡米時にロサンゼルスで制作が始まった「DIGITAL GIRL」が収録される。「REBON」は、和とHIPHOPを掛け合わせた「BON」の世界をどのように更新するのか。「DIGITAL GIRL」は、デジタル社会への視点と“本物の愛”というテーマを、どのようなサウンドで描くのか。それぞれ異なる方向を向いた3曲だからこそ、移籍後のNumber_iが持つ表現の幅も見えてくるはずだ。

さらに各形態には、平野紫耀、神宮寺、岸優太がそれぞれプロデュースした楽曲も収められる。大きなレーベルと手を組んだ後も、作品の中心に3人自身の発想が置かれていることは変わらない。新たな環境に自分たちを合わせるのではなく、その環境を使って自分たちの表現をさらに大きくしていく。今回のシングルからは、そんな姿勢も感じられる。

初回限定盤には「BUGS LIFE」のOfficial MVとメイキングも収録される。サウンドだけでなく、映像やダンス、アートワークを含めてひとつの作品として届けることは、言葉の壁を越えていくうえでも重要だろう。短い映像や一枚のビジュアルが楽曲との最初の接点になる時代に、Number_iがどのようなイメージを世界へ提示するのかにも注目したい。

Number_iの新章は、完成された答えではなく、「BUGS LIFE」という予期せぬ“バグ”から始まった。だが、その違和感や遊び心こそ、これまで3人が強みに変えてきたものでもある。Atlantic Recordsという新たな場所で、Number_iらしいサウンドとパフォーマンスをどこまで広げていくのか。『REBON / BUGS LIFE / DIGITAL GIRL』は、その行方を占う重要な一作になりそうだ。


※記事は執筆時点の情報です。

ライター:川崎龍也
大学卒業後にフリーランスとして独立。現在はアイドル雑誌を中心に、取材・インタビュー/コラム執筆を主軸に活動している。主な執筆媒体は『BOMB』『MARQUEE』『EX大衆』『音楽ナタリー』『RealSound』など。
X(旧Twitter):@ryuya_s04

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