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2日間で10万人を“トリコ”に 華麗なブレイクを遂げる『6人組』が世界的プロデューサーと磨き上げた“切なさ”という新境地

  • 2026.9.3
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【芸能 ボテロ展 ふくよかな魔法】展覧会オフィシャルサポーター、BE:FIRSTのMANATO (C)SANKEI

BE:FIRSTが7月1日、10thシングル『Missing』をリリースした。本作は、2026年のデビュー5周年を彩る「BE:FIRST 5th Anniversary Project」の第2弾に位置づけられる作品であり、表題曲「Missing」は、UKダンスシーンを牽引するDJ/プロデューサーのJonas Blueが作曲・プロデュースを手がけたDance popナンバーだ。2022年に「Don't Wake Me Up」のカヴァーで一度タッグを組んで以来、二度目となる本格的なコラボレーション。前作からの継続的な信頼関係のうえに生まれた楽曲だけに、単なる客演起用ではなく、両者の音楽的な相性がより深いレベルで結実した1曲と言えるだろう。

楽曲は、切なさを帯びた弾き語り的な導入から幕を開け、サビにかけてJonas Blueらしい高揚感のあるダンスビートへと転換していく構成が特徴的だ。ハイトーンのヴォーカルが「消えないで」というフレーズを繰り返しながら、失われた恋への未練と後悔を歌う。BE:FIRSTがこれまで前面に押し出してきたパワフルなラップやアグレッシブなダンスナンバーとは一線を画す、感情の機微に寄り添うタイプの楽曲であり、彼らの表現の振れ幅の広さを物語っている。

Jonas Blueとの再タッグが示す、グローバルな制作体制

Jonas Blueという人選そのものが、BE:FIRSTの現在地を象徴してもいる。数々のヒットを世に送り出し、総ストリーミング数が200億回を超え、単曲売上でも8,500万枚以上を記録するなど、UKダンスシーンの最前線を走り続けてきた作曲家/プロデューサーだ。国内向けの企画曲としてではなく、海外のトップランナーとの継続的な共作関係のなかから生まれたという点に、BE:FIRSTが単発のコラボレーションで終わらせず、グローバルな制作体制を自分たちの音楽性の一部として根づかせようとしている姿勢が見て取れる。

「強さ」と「切なさ」で描く5周年イヤー

この振れ幅は、5th Anniversary Project第1弾として今年5月にリリースされた「BE:FIRST ALL DAY」と並べてみるとより鮮明になる。ロサンゼルスでのコライトキャンプで制作され、グラミー賞ノミネート経験を持つソングライター陣を迎えた同曲は、「生涯BE:FIRSTであること」を高らかに宣言するヒップホップ・ナンバーだった。デビューから積み重ねてきた実績と自負を力強く打ち出した前作に対し、「Missing」はグローバルなダンスポップの文法を借りながら、むしろ弱さや切なさをさらけ出す方向に舵を切っている。5周年という節目を、勝利宣言と内省的なラブソングという対照的な二作で描き分ける構成そのものが、グループとしての成熟を印象づける。

こうした音楽的な挑戦は、この1年のBE:FIRSTの勢いの中で提示されている点も見逃せない。5月には自身初となるスタジアムライブを東京・味の素スタジアムで2日間にわたり開催し、約10万人を動員。さらに6月にはジャネット・ジャクソンの来日公演にスペシャルゲストとして出演し、「Doesn't Really Matter (Remix)」を披露するなど、国内外の大舞台での存在感を着実に積み上げてきた。こうした実績に裏打ちされているからこそ、「Missing」のような繊細な楽曲に踏み込む余裕と説得力が生まれているのではないだろうか。楽曲は先行配信初日にフジテレビ系「2026 FNS歌謡祭 夏」でテレビ初披露され、リリース日の翌週には日本テレビ系「THE MUSIC DAY 2026」への出演も控えるなど、真夏のシーズンを象徴するナンバーとして各局の音楽特番に積極的に投入されている点も、この曲がグループにとって単なるアルバム収録曲的な位置づけではなく、5周年イヤーの核となる1曲として扱われていることを示している。

二つのMVで映し出す、切なさとダンスの高揚感

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【芸能 ボテロ展 ふくよかな魔法】展覧会オフィシャルサポーター、BE:FIRSTのJUNON (C)SANKEI

ビジュアル面での挑戦も本作の見どころだ。「Missing」のMVは、俳優・窪塚愛流が主演を務めるドラマ仕立ての「Story ver.」と、BE:FIRST自身のダンスパフォーマンスを軸にした「Move ver.」という、グループ初となる2本立ての構成で制作された。撮影地にはともにタイが選ばれ、それぞれ異なる視点から描かれる物語が、ある繁華街の場面で交差する仕掛けが施されている。楽曲の切なさとダンスの高揚感という、一見相反する二つの要素を、映像面でも並走させる試みだと言える。

シングル全体の構成にも、グループの多面性は表れている。カップリングにはChaki Zuluをプロデューサーに迎えた「Why, Why」、そしてメンバーの個人企画“One of the BE:ST”の最後を飾るSHUNTOのソロ曲「Want it」を収録。表題曲の切なさに対し、カップリング曲群がまた異なる音楽的な色を提示することで、1枚のシングルの中に複数の顔を持たせる作りになっている。

10thシングルで証明した、表現の懐の広さ

10枚目という節目のシングルで、BE:FIRSTは力強さの誇示から一歩踏み込み、揺らぎや未練といった感情を正面から歌う選択をした。Jonas Blueとの再タッグはそのための最適な媒介であり、グローバルなサウンドプロダクションを借りながらも、歌詞やヴォーカルの説得力で情感を伝えきる仕上がりになっている。

デビュー以来、ヒップホップやアグレッシブなダンスナンバーを軸にタフネスを打ち出してきたグループが、10枚目にしてここまで率直に切なさを歌ってみせたことは、単なる楽曲単位の挑戦にとどまらず、5年間で積み上げてきた表現の懐の広さそのものを証明する出来事でもある。5周年という通過点で見せた「強さ」と「切なさ」の両輪こそが、いまのBE:FIRSTの現在地を示していると言えるだろう。


※記事は執筆時点の情報です。

ライター:川崎龍也
大学卒業後にフリーランスとして独立。現在はアイドル雑誌を中心に、取材・インタビュー/コラム執筆を主軸に活動している。主な執筆媒体は『BOMB』『MARQUEE』『EX大衆』『音楽ナタリー』『RealSound』など。
X(旧Twitter):@ryuya_s04

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