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わずか10分間のAI使用で“考える力”が低下する? 最新研究が示した認知機能への影響が話題に

  • 2026.6.24
Oscar Wong / Getty Images

長期的な影響についてはまだ分かっていないものの、今や私たちの生活に欠かせない存在となりつつあるAI。先日、 アメリカとイギリスの名門大学の研究チームが行った最新の研究によると、AIの利用が認知機能や問題解決能力の低下につながる可能性があることが明らかとなった。

約10分間のAI使用で脳に影響が!?

アメリカの名門大学であるカーネギーメロン大学、MIT、UCLAに加え、イギリスの名門オックスフォード大学の研究チームは、分数の計算問題を用いたテストを実施し、AIが参加者の思考力に与える影響を調査したという。

テストでは、参加者の半数はAIを使わずに問題へ取り組み、残る半数には約10分間AIアシスタントの利用を許可。ただし、テストの最後の3問ではAIを使用できない条件が設けられたとのこと。

その結果、AIを利用したグループは実験前半で高い成績を記録したものの、AIが使えなくなると成績は大きく低下し、問題解決能力にも影響が見られたよう。

Watchara Piriyaputtanapun / Getty Images

研究チームによれば、AIの利用によって短期的な成績は向上するものの、自力で考える力が低下する可能性があることが明らかに。わずか10分間AIを使用した参加者でも、その後AIが使えなくなると、一度も利用していない参加者より成績が低く、問題を諦める傾向も強かったという。

実際にAIが使えない状態で比較したところ、以前AIを利用していたグループの正答率は、AIを一度も利用していないグループより20%も低くく、AIが使えなくなった後、問題を飛ばす割合がAI未使用グループの約2倍に達したとのこと。

これらの結果から研究チームは、たとえ10分程度の短時間の利用であっても、AIへの依存が自力で理解したり、考えたり、問題を解決する能力に悪影響を及ぼす可能性があると指摘している。

“AIに全面的に頼る使い方”は避けた方がいい?

同研究では、成績の低下はAIそのものではなく、“どのようにAIを使ったか”が大きなポイントに。AIを利用した参加者のうち61%は、問題の答えを直接AIに求めていたものの、答えそのものではなく、ヒントや解説を得るためにAIを活用していた参加者の間では、正答率の低下は確認されなかったという。

whitebalance.space / Getty Images

研究チームは、AIそのものが認知機能に悪影響を与えると断定しているわけではないと説明しており、問題なのは“AIに全面的に頼る使い方”だと指摘している。

「わずか10〜15分のAI利用でも、自力で問題に取り組む力や粘り強さに著しい低下が見られる可能性があります。こうした能力は、生涯学習を支える重要な基盤です。短時間の利用でさえ、能力の低下が確認されるのであれば、日常的なAI利用が数カ月、あるいは数年続いた場合、その影響は深刻で元に戻すのが難しくなるかもしれません」

外部ツールに頼ることで失われるものとは

今や私たちの生活に欠かせない存在となっている、インターネットやデジタル機器。アメリカ・テキサス大学オースティン校デル・メディカルスクールの教授で、臨床神経心理学者のジャレッド・ベンジ氏らが共同で行った、57件の研究・41万人以上の成人を対象としたメタ分析では、テクノロジーの利用によって考える力が低下するという証拠は確認されなかったという。

とはいえ、懸念がまったくないわけではなく、これまでの研究では、GPSなどのナビゲーション機能に頼り続けると、自分で道順や地理を覚える機会が減り、空間認識能力や記憶力が低下する可能性があることが示されているとのこと。また、検索すればすぐに見つかる情報ほど記憶に残りにくくなる傾向があり、こうした現象は「Google効果」として確認されているそう。

Qi Yang / Getty Images

このような研究からは、人は作業や記憶を外部のツールに委ねるほど、その能力を使う機会が減ってしまうことがうかがえる。実際に、お礼や謝罪のメッセージはもちろん、アイデア出しやSNS投稿文の作成など、どんな相談や要望にも答えてくれるAIによって、考えることを無意識にやめてしまっている人も多いはず。

2025年行われた調査では、アメリカの成人の56%がAIツールを利用しており、そのうち28%が少なくとも週に1回は利用していることが明らかに。いつの間にか私たちの生活に浸透し、今や欠かせない存在になりつつあるAI。今後、その存在感はさらに大きくなっていくはず。

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