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「食器を強く叩きつける私に、家族は──」更年期障害を『気合』で我慢したら、家庭が崩壊しかけた話

  • 2026.6.21

真面目な人ほど「これくらいみんな我慢しているはず」と自分を追い込み、不調を一人で抱え込んでしまいがちです。しかし、その姿勢が余計に心や体の負担を増やしてしまうこともあります。今回は、筆者の知人の体験談をお届けします。

画像: 「食器を強く叩きつける私に、家族は──」更年期障害を『気合』で我慢したら、家庭が崩壊しかけた話

気合で乗り切ると決めた日々

40代後半に入り、突然顔が熱くなるホットフラッシュや、理由のない不安に襲われるようになりました。

いわゆる更年期障害でしたが、私は「みんな通る道だし、更年期は病気じゃないから」と自分に言い聞かせ、気合で乗り切ろうとしたのです。

けれど、だんだん家族に八つ当たりする日が増えていきました。

脱ぎ捨てられた靴下に激昂し、夫の何気ない一言にイライラして詰め寄る日々……。
「なんで私ばっかり!」と泣きながら食器を強くテーブルに置いてしまったこともあります。
あの時の、家族の怯えたような顔は忘れられません。

あとで自己嫌悪に押し潰されるのに、その場では抑えられないのです。

家の中は常に張り詰めていて、思春期の娘も私の顔色を窺うようになってしまいました。

家族を巻き込んだ不調の結果……

ある朝、ついに身体の重さでベッドから起き上がれなくなりました。
「このままじゃダメ、母親失格だ」と涙が溢れ、ようやく婦人科を受診することを決心したのです。

診察室で「今までよく1人で頑張りましたね」と言われた瞬間、張り詰めていた糸がプツリと切れ、人目も憚らず泣いてしまいました。
あぁ、私は性格が悪くなったんじゃなかったんだ、体が悲鳴をあげていただけなんだ……と。

血液検査の結果、女性ホルモンが急激に減っていることが判明。

不調が自分の我慢不足や性格のせいではなく、ホルモンによるものだと知り、初めて自分を許せた気がしました。

凪いでいく心

先生と相談し、足りない成分を補う薬を1日1回、さらに乱れた気血を整える効果のある漢方を1日3回飲み始めました。

最初の1週間ほどは大きな変化はなく、「本当に効くのかしら」と半信半疑でした。
しかし、10日ほどすると、波はありましたがあの突発的なイライラが少し和らいできたのを感じました。

さらに、3週間を過ぎる頃には朝のだるさも軽くなり、1ヶ月後には家族と穏やかに会話できる日が増えていったのです。

あんなにトゲトゲしていた感情の波が嘘のように凪いでいき、夜もぐっすりと眠れる自分に驚きました。

もっと早く頼ればよかった

つらい不調を「我慢」や「気合」で乗り切ろうと思っていた自分が、どれだけ無理をしていたのか、ようやく分かりました。

現代には辛さを和らげる選択肢がたくさんあり、1人で抱え込まずにそれらをうまく利用することは、自分と家族のためにも必要なことです。

家族にぶつけてしまった時間は戻りませんが、今は「今日は少し調子が悪いかも」と素直に言えるようになりました。
これからは自分の身体の声に耳を傾けて、慈しんでいきたいと思っています。

【体験者:50代・女性パート職員、回答時期:2026年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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