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「約束あるから運動会は無理」子供の行事に参加しない夫。だが、子供の動画一本で言葉を失った

  • 2026.6.17

二週間前に確認したのに

夫は、自分を子育てに協力的な父親だと思い込んでいる。けれど、肝心の行事にはいつも来ない。

運動会の日程は、四月にもらった年間予定の時点で伝えてあった。二週間前にも、念を押した。

「十時にリレーがあるから、九時には家を出ようね」

「ああ、わかってる」

そう返事をしたはずだった。それなのに、運動会の数日前になって夫が急に切り出した。

「テニスの約束あるから運動会は無理」

耳を疑った。何度も確認したのは、こういう日のためだったのに。

「自分から誘った手前、断れないんだよ」

「子どもの運動会だよ。リレー、楽しみにしてるんだよ」

「平日の入学式だって行けなかっただろ。仕方ないって」

話し合っても、夫の予定は変わらなかった。当日、夫はラケットを抱えて、当然のように出かけていった。

リレーで見せた逆転劇

運動会の本番、息子はリレーのアンカーだった。スタートラインに立つ小さな背中を、私は観客席から見つめていた。

バトンを受け取ったときは、三番手。けれど最後の直線で、ぐんぐん前を抜いていった。

「いけー!いけー!」

隣で見ていたお母さんたちまで、いっしょになって声を張り上げてくれた。ゴールの瞬間、観客席から大きな歓声が上がる。私は夢中でスマホを構え、その走りをすべて動画に収めた。

その夜、私は夫を責めなかった。

ただ、撮った動画を黙って再生し、画面を夫のほうへ向けた。

「お、すごいじゃん。逆転したのか」

夫が画面に見入る。ゴールテープを切った息子が、はあはあと肩で息をしながら、観客席をぐるりと見回した。そして、小さな声でこう言った。

「パパは…どこ?」

その一言で、夫の顔色が変わった。

画面から目を逸らせない

夫は、画面を直視できなくなっていた。何か言いかけて、口を閉じる。それを二度繰り返した。

「…俺、何やってたんだろうな」

絞り出すような声だった。いつも「仕方ない」で片づけていた人が、初めて言葉に詰まっていた。

「楽しみにしてたんだよ、あの子。九時に出ようねって、何度も言ったよね」

夫は何も返せず、ただうつむいた。テニスの約束より大事なものを、たった今、突きつけられた顔だった。

後日、夫は授業参観の日に、自分から有休を取った。前の晩から「明日は何時に行けばいい?」と何度も確認してくる。当日は誰よりも早く教室に着き、最前列に立って、発表する息子をまっすぐ見ていた。

「次は絶対見る。約束な」

息子に向かって、夫がそう約束していた。あの動画の一本が、何度の話し合いよりも効いたらしい。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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