1. トップ
  2. エピソード
  3. 「ウインナーばっかりで可哀想!」遠足の弁当を笑ったママ友。だが、別のママ友の何気ない発言で空気が一変

「ウインナーばっかりで可哀想!」遠足の弁当を笑ったママ友。だが、別のママ友の何気ない発言で空気が一変

  • 2026.6.16

広げたお弁当を覗き込まれて

幼稚園の親子遠足の日。お昼になり、芝生にレジャーシートを広げて、子どもたちと一緒にお弁当を囲んだ。

朝早く起きて作った娘のお弁当には、たこさんウインナーをたっぷり詰めた。

娘がいちばん好きなおかずだ。卵焼きとブロッコリー、おにぎりも入れたけれど、やっぱり主役はウインナーだった。

娘は蓋を開けるなり、目を輝かせた。

「わあ、ウインナーいっぱい!」

その声が聞こえたのか、近くにいたママの一人が、私の娘のお弁当箱をわざわざのぞき込んできた。そして「えっ」と声を上げ、口元ににやりと笑みを浮かべた。

「ウインナーばっかりで可哀想!」

「お肉ばっかりじゃない。栄養、大丈夫なの」

周りのママたちが、つられて少し笑った。私は一瞬、言葉に詰まった。

娘が好きだから入れただけだ。それなのに、まるで子どもをないがしろにしているような言われ方をして、胸の奥がざわついた。

「うちの子、これが好きなので」

やっとそれだけ返したけれど、声が小さくなってしまった。笑いの輪の中で、私だけが取り残されたような気がした。

サラッとした一言で

そのとき、少し離れて座っていた別のママが、ひょいと顔を上げた。

「あ、たこさんウインナーだ。うちの子もウインナー大好きだよ」

そして、私の娘のお弁当をのぞいて、にっこり笑った。

「すごくおいしそう。これ、朝作るの大変だったでしょう」

何でもないことのように、サラッと言ってのけた。責めるでも、かばうでもない。ただ事実を口にしただけの一言だった。

けれど、その一言で、ウインナーを笑ったママの表情がすっと変わった。

「あ……まあ、子どもは好きよね、こういうの」

笑いを引っ込めて、彼女は急にそう取り繕った。さっきまでの勢いはどこにもない。

「そ、そうよね。うちもたまに入れるし」

気まずそうに視線を泳がせると、彼女はそそくさとお茶の話に話題を変えた。それきり、お弁当の中身をあれこれ言うことはなくなった。

娘はそんなやり取りにはまるで気づかず、たこさんウインナーを一つずつ箸でつまんで、大事そうに食べていた。

「ママ、これおいしい!」

口いっぱいにほおばって、にこにこ笑っている。完食したお弁当箱を見て、私はようやく肩の力が抜けた。

フォローしてくれたママとは、それをきっかけに連絡先を交換した。気が合って、その後もよく一緒に遊ぶ仲になった。

誰と付き合うかは、自分で選べる。あの日、そう思えたことのほうが、よっぽど大きな収穫だった。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる