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「母さんの味と違う、お前の飯はまずいよ」と文句を言う夫。だが、義母に習った料理を1週間出し続けた結果

  • 2026.6.16

冷めた顔の「なんか違う」

仕事を終えて帰宅し、急いで夕飯を作る。

そんな毎日が、結婚して数年続いていた。

けれど夫は、私の料理に箸をつけるたびに同じ顔をした。

「母さんの味と違う、お前の飯はまずいよ」

口にしては、皿を半分残して席を立つ。

その背中を見送る回数が、月を追うごとに増えていった。

「なんか違うんだよな」

「どこが?味付け、変えてみたんだけど」

「だから、母さんの味はこれじゃないんだって」

夫の言う「母さんの味」は、出汁を一から取るような、手間ばかりかかる料理だった。

共働きで、毎日それを再現するなんて土台無理な話だ。

それでも夫は、冷めた顔で同じ文句を繰り返す。私の心は、とうに限界を超えていた。

義母への深夜の電話

ある週末、私は思い切って義母に電話をかけた。文句があるなら、納得いくまで「母さんの味」を再現してやる。

そう腹をくくっていた。

「お義母さん、あの煮物のレシピ、詳しく教えていただけませんか」

「あらあら、急にどうしたの。いいわよ、たくさんあるから覚えてね」

義母は驚くほど快く、惜しみなく教えてくれた。出汁の取り方、下ごしらえの順番、火を止めるまでの時間。

聞けば聞くほど、気が遠くなるような工程だった。

「これ、毎回作ってらしたんですか」

「そうよ。あの子、昔から手のかかったものしか食べなくてね。あなたも大変でしょう」

電話の向こうで、義母が小さく笑った。

その一言で、私の決意は固まった。

翌週から、深夜までかけて、教わった通りの料理を一品残らず食卓に並べた。

7日目の白旗

最初の日、夫は満足そうだった。

「ああ、これこれ。母さんの味だ」と上機嫌で平らげていく。

私は黙って、次の日も、その次の日も、同じ手間の料理を出し続けた。

三日目、夫の箸が止まり始めた。

四日目には、こってりした皿を前に表情が曇る。重たい料理が連日続く食卓は、空気まで重苦しかった。

そして一週間が経った日、夫はついに箸を置いた。

「もういい。俺が間違ってた。身の丈に合った飯にしてくれ」

胃もたれで青ざめた顔のまま、絞り出すように言う。

私はすかさず、にっこり笑って返した。

「え、もっとお義母さんの味を再現したほうがいいでしょ?」

夫は、ぶんぶんと首を横に振るばかりだった。さっきまでの「母さんの味」へのこだわりは、跡形もなく消えている。

何か言いかけて、結局それも飲み込んだ。

「明日からは、いつものでいいよな」

「いいの?せっかく覚えたのに」

「いい、本当にいいから」

あの日以来、夫が料理に口を出すことは一切なくなった。

今では、ごく普通の夕飯にも「いつも美味しいご飯をありがとう」と言うようになった。立場というのは、案外あっさり入れ替わるものらしい。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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