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医師から『悪性リンパ腫』を宣告された50代女性→数ヶ月前から、身体に起きていた“睡眠時の異変”に「もっと早く受診していれば…」

  • 2026.7.5
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさまこんにちは。あらゆる病気をお持ちの患者さまを日々安全にお守りしている麻酔科専門医の松岡雄治です。今回は、見過ごされやすい血液のがんのサインについて解説します。

「最近、首にしこりがあるし寝汗をかく。これが更年期のほてりなのね」。Bさん(50代女性)は、更年期におすすめとされる市販のサプリメントを飲んでいました。首のしこりも気になっていましたが、痛みもないからと放置していました。

しかし、数ヶ月後、熱が下がらなくなり食欲もなくなってかかりつけ医を受診したBさんは地域の中核病院の血液内科を紹介されて、全身麻酔下に首のリンパ節生検を行なっていました。

検査後、彼女を待っていたのは「悪性リンパ腫」という血液のがんの宣告でした。現在は抗がん剤治療の甲斐あって回復に向かっていますが、「あの時、ただの疲れや年齢のせいだと放置せず、もっと早く受診していれば、これほど過酷な治療や副作用に苦しむことはなかったのに」と、深い後悔と向き合う日々を送っています。

なぜ、「痛くないしこりと寝汗」がこれほどの事態を招いたのでしょうか。

「痛くないしこり」から始まる白血球のがん化

なぜ「痛くないただのしこり」が、全身を脅かす血液のがんへと進行してしまうのでしょうか。悪性リンパ腫は、以下のようなメカニズムで体を蝕みます。

【がんが全身を巡るフロー】

  • 発生:白血球の一種で、本来は体をウイルスなどから守るはずの「リンパ球」ががん化してしまいます。
  • 増殖:がん化したリンパ球が、首や脇の下、足の付け根などの「リンパ節」で増殖し、痛みを伴わないしこりを作ります。
  • 全身への波及:リンパ球は血液やリンパ管に乗って全身を巡るため、がん細胞があっという間に全身の臓器へと広がり、発熱や急激な体重減少などを引き起こします。

「ただの風邪・更年期」と危険ながんの境界線

「痛くないから病院に行くほどではない」「最近寝汗をかくけれど、きっと更年期ね、市販薬を飲んでおこう」。毎日懸命に生きる皆さんが、自身の体の小さな変化を「いつものこと」「年齢のせい」とやり過ごしてしまうのは、ごく自然な心理です。

しかし、専門医としてお伝えしたい「危険な境界線」があります。通常の風邪などの感染症によるリンパ節の腫れは「痛み」を伴いますが、悪性リンパ腫の場合は「痛くない」のが最大の特徴です。

さらに、がん細胞が全身で暴走して異常な物質を放出することで、「ひどい寝汗(盗汗)」や「原因不明の発熱」「急激な体重減少」(これらはB症状と呼ばれます)が起こります。これらがある場合、がんが全身を巡っている危険なサインかもしれません。

恐ろしいのは、ただの風邪や更年期だと思い込み、本当は血液のがんが全身に広がり始めているのに長期間放置してしまうことです。「痛みのないしこりと寝汗のつながり」をほんの少し知っているだけで、過酷な闘病を避け、かけがえのない日常を守れた可能性があります。

重症化する前に、確認すべき3つのサイン

もし首などにしこりを見つけたり、体調の変化を感じたりしたら、重症化する前に以下のサインをご確認ください。

1. 首、脇の下、足の付け根のしこりが「痛くない・どんどん大きくなる」

感染症による一時的な腫れとは異なり、がん化したリンパ球が増殖している直接的なサインかもしれません。

2. パジャマを着替えるほどの「ひどい寝汗」をかく

単なる暑さやほてりではなく、がん細胞が全身で炎症反応を引き起こしている危険なサインのおそれがあります。

3. ダイエットをしていないのに「急激に体重が減少する」

がん細胞が体のエネルギーを異常に奪っている状態で、進行を疑う重大なサインかもしれません。

これも更年期かしら?と違和感をおぼえたら一度受診を

「病院に行って怖い病気だと言われたらどうしよう」。そうやって自分の体のSOSから目を背けてしまうお気持ちは痛いほどよくわかります。また、一方で、自分が大病をするなんて、と油断してしまうのも当たり前のことです。

まずは「痛くないしこりが消えなかったり、ひどい寝汗が続いたりしたら、内科に行く」といった簡単な一歩から始めてみましょう。もし思い過ごしであれば、安心してまた普段の生活に戻ればよいのです。気になることがあれば、ぜひお気軽に医療を活用してください。


参考:

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(国立がん研究センター がん情報サービス)
非ホジキンリンパ腫の治療(がん情報サイト)


監修者・執筆:松岡 雄治
総合病院や大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じて、幅広い診療科の周術期管理に従事。現在は急性期病院の麻酔科医として最前線の医療に携わっている。専門医としての高度な医学的知見を活かし、医療・健康・美容分野でのコラム執筆や医学論文の解説などを幅広く手掛ける。医療AI技術開発プロジェクトへの参画など多岐にわたる実績を持ち、読者に寄り添った分かりやすい医療解説に定評がある。保有資格は麻酔科専門医、睡眠コンサルタント、睡眠検定1級など。

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