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健診で『血圧高め』と指摘された50代男性→処方された薬を飲み始めるが…4ヶ月後、口の中を襲った“謎の異変”【歯科医は見た】

  • 2026.7.3
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。歯科医師の鷹巣多紀です。

会社の健診で「血圧が高めです、経過観察してください」と言われたことはありますか。翌年も同じ数値が続き、内科を受診して薬を飲み始める。そんな経緯は、決して珍しくありません。

薬を飲み始めた後に口の中で起きた変化は、薬との関係に気づかれないまま「磨き残し」として片づけられがちです。

Aさんに起きたこと

Aさんは51歳の男性です。定期健診で2年続けて血圧を指摘され、内科で薬を飲み始めることになりました。体調に大きな変化はなく、仕事も普段どおりに続けていました。

飲み始めて4ヶ月ほどたったころ、前歯まわりの歯茎が少し盛り上がってきたような感覚があります。歯ブラシを当てると毛先が歯と歯茎の境目に入りにくく、うがいをすると水に血が混じる日も出てきました。

「磨き方が足りないせいだろう」と思い、力を入れて磨くようにしましたが、歯茎の変化は収まりません。前歯まわりの見た目も気になり始め、半年ぶりに歯医者を予約しました。

問診票に薬の記載をしていなかったAさんは、診察室でも最初のうちは血圧の薬のことに触れませんでした。歯茎の状態を見た歯医者から「何かお薬を飲んでいますか」と聞かれ、お薬手帳を出すことになったのです。

飲み始めた時期と歯茎の変化が重なっていること。その場で初めて、Aさんは薬と歯茎を並べて考えました。

薬で歯茎が変わることがある

歯茎の腫れは、磨き残しや歯石だけで起きるものではありません。

高血圧の治療などに使われる一部のカルシウム拮抗薬(カルシウムの働きを調節して血管を広げる種類の薬)では、歯茎が厚く盛り上がるような変化が現れることがあります。

日本歯周病学会の歯周治療のガイドラインでも、ニフェジピンなどのCa拮抗薬が薬物性歯肉増殖症(薬の影響で歯茎が増えるように見える状態)の原因薬物として挙げられています。

歯垢や歯石、歯茎の炎症が重なると、歯ブラシが届きにくくなり、出血や腫れが続きやすい状態です。薬の種類や量、口の清掃状態、個人差なども絡むため、変化に気づいた段階で歯医者に口の中を見てもらう視点が大切です。

歯医者に伝えること

歯茎の変化が気になっても、血圧の薬を自己判断で止めることは避けてください。薬の変更や中止は、必ず主治医が判断することです。

歯医者には、薬の名前、飲み始めた時期、歯茎の変化に気づいた時期、出血や磨きにくさの有無を伝えてください。お薬手帳を持参すると、伝え忘れを防ぐうえで役立ちます。

歯医者では、清掃しにくい場所の確認、歯石の付き方、歯茎の炎症の程度を見て、必要に応じて主治医や薬剤師と情報を共有しながら対応します。

薬と歯茎の変化はセットで歯医者に伝える

血圧の薬を飲み始めた後に歯茎が変わっても、薬との関係には気づきにくいものです。歯茎が盛り上がってきた、前歯まわりが磨きにくい、出血が続くと感じたら、力を入れて磨く前に歯医者への相談を考えてみてください。

お薬手帳、飲み始めた時期、変化に気づいた時期の3点をそろえて伝えると、歯医者が状況を把握しやすくなります。薬は自己判断で止めず、内科・薬剤師・歯医者が必要な情報を共有できる形を整えておきましょう。


執筆・監修:鷹巣 多紀
大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。
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