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「舌が白っぽい」“ただの磨き残し”だと毎朝ブラシで擦り続けるが…→ある日の夕食、60代男性を待ち受けていた“思わぬ異変”

  • 2026.7.4
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。歯科医師の鷹巣多紀です。

朝、歯を磨いて口をゆすいだあと、鏡をのぞくと舌の真ん中が白っぽい。そんな経験はありませんか。
この記事では、舌の白さを磨き残しと思い込んでこすり続けた60代男性が、味の変化をきっかけに口の粘膜のサインに気づいた体験を紹介します。

Aさんに起きたこと

Aさんは退職後、自宅で過ごすことが多くなった60代の男性です。糖尿病の治療を受けており、下の奥歯には入れ歯を使っています。

ある朝、洗面台の鏡をのぞくと、舌の中央に白いものが見えました。「昨日の食べかすだろう」と判断し、舌ブラシで強めにこすります。その日は多少薄らいだように見えたものの、翌朝には同じ場所がまた白くなっていました。

「落とし切れていないのかも」と思い、毎朝こすり続けました。数日後、今度は舌の表面がヒリヒリするようになります。「こすり過ぎたかな」とは感じたものの、白さの原因が気になって手を止められませんでした。

転機は週末の夕食です。妻が作った味噌汁を口に含んだとき、いつもより味がぼやけていました。
「薄味にしたの?」と聞くと、妻は「いつもどおりよ」と不思議そうな顔をします。翌日も同じ感覚が続いたため、Aさんは歯医者に相談しに行きました。

診察では、入れ歯の状態、糖尿病の治療経過、最近服用した薬の変化、口の乾きの有無を確認されました。Aさんは、舌の白さと味の鈍りが自分の体の背景と関係しているかもしれないと、そのとき初めて意識したのです。

白さの原因は汚れだけとは限らない

舌の表面に付く白っぽいもの(舌苔=ぜったい)は、細菌や食べかすが混じったものです。日本口腔外科学会は、体調や口の清掃状態によって舌苔は増えることがあるとしています。

ただ、白く見える原因は舌苔だけではありません。口腔カンジダ症では、白い付着物のほか、口の中の痛みやヒリヒリ感、味覚の変化などが見られることがあります。

カンジダ菌はもともと口の中にいる常在菌のひとつです。糖尿病や全身の衰弱、唾液量の減少、長期にわたる抗菌薬の服用、入れ歯の使用などが重なると、菌のバランスが崩れやすくなる場合があります。複数の背景を持つ場合、白さの原因を自己判断だけで絞り込むのは難しいものです。

粘膜は歯の表面より傷つきやすい組織でもあります。原因がはっきりしないまま強くこすり続けると、粘膜に傷が残ることがあるため、注意が必要です。

歯医者で伝えると役立つこと

白い変化が数日続く、ヒリヒリが取れない、味が鈍ってきた、入れ歯の下が赤っぽくなってきた、といった場合は、歯医者で診てもらうことをお勧めします。

受診のときに役立つのは、持病の種類と治療状況、服薬中の薬の名前、入れ歯を使っている場合はその使用時間帯、口が乾く場面、味覚の変化に気づいた時期です。

症状が出ている場所の写真をスマートフォンで撮っておくと、説明しやすくなります。
お薬手帳があれば、忘れずに持参しましょう。

まとめ:舌の白さは力でこすらず変化の続き方を見る

舌が白く見えると、汚れを落としたくなるのは自然な反応です。ただ、こすっても変わらない白さ、ヒリヒリする感覚、味が分かりにくいという変化が続く場合は、粘膜からのサインとして捉える必要があります。

力を入れすぎず、変化の続き方を数日間観察してください。気になる場合は写真やメモで記録し、持病、薬、入れ歯の情報を添えて歯医者に相談しましょう。


参考:
口の粘膜が痛い・ヒリヒリする/口腔カンジダ症(日本口腔外科相談室)
口腔粘膜疾患(日本口腔外科相談室)
口臭がひどい(日本口腔外科相談室) 

執筆・監修:鷹巣 多紀
大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。
歯科医師ママkiki|note: https://share.google/uUYsDiSMnkNKZCrOw、X : https://x.com/kikimama0405

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