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「背を伸ばしたいから」中1娘に毎日牛乳を飲ませている親→管理栄養士に相談したところ‥発覚した“意外な落とし穴”とは?

  • 2026.7.4
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

スポーツジムの管理栄養士として、栄養面からダイエットや健康維持のサポートをしている工藤まりえです。

ママ友の娘、Kちゃんは、この春からバレー部に入部し毎日練習を頑張っています。ある日、ママ友から「背を伸ばしたいから牛乳は飲むのに、体重は増やしたくないから、ご飯はちょっとしか食べないの」「プロテインを飲ませたほうがいいのでは?」と相談を受けました。

身長の伸びを支えるのはカルシウムだけではありません。牛乳ばかりに頼ったり、太ることを心配して食事量を減らしたりすると、かえって成長に必要な栄養が不足してしまうこともあります。今回は、「牛乳を飲めば背が伸びる」という思い込みをきっかけに、成長期の子どもに本当に必要な食事について考えていきます。

「牛乳は飲む。でもご飯は控えめ」それで本当に大丈夫?

この春から中学1年生になったKちゃんは、バレー部に入部し、毎日一生懸命練習を頑張っています。

ある日、お母さんがこんなことを話してくれました。

「背を伸ばしたいから、牛乳を毎日たくさん飲んでるの。でも、体重は増やしたくないみたいで、ご飯は少ししか食べないのよ。牛乳よりプロテインにした方がいいのかしら?」

昔から、「牛乳を飲めば背が伸びる」という話をよく耳にします。また最近では、ジュニア用プロテインといった商品も発売されており、「牛乳とプロテイン、どちらがいいの?」と悩む保護者も少なくないと思います。

もちろん、牛乳にはカルシウムやたんぱく質が含まれ、成長期にはおすすめの食品です。しかし、牛乳をたくさん飲めば身長が伸びるわけではありません。

加えて、「体重を増やしたくないから、ご飯を控えている」という点はとても気がかりです。

成長期は、身長が伸びるだけでなく、筋肉や骨、内臓など全身が大きく成長する時期です。さらに部活動で運動量が増えると、体が必要とするエネルギーもぐんと増えます。

牛乳を頑張って飲んでいても、食事全体の量が足りなければ、成長に必要な栄養が十分に行き渡らないこともあるのです。

身長を伸ばすには、「骨・筋肉・エネルギー」の3つがそろってこそ

身長を伸ばすというと、「カルシウムをたくさん摂ればいい」と思われがちですが、実はそれだけでは十分ではありません。

成長期の体づくりには、大きく分けて「骨を育てる栄養」「筋肉を育てる栄養」「活動するためのエネルギー」の3つが必要です。

まず、骨の成長に欠かせないのがカルシウムだけでなく、カルシウムの吸収を助けるビタミンDや、骨の形成に関わるビタミンKなども重要です。

次に、骨を支え、体を動かす筋肉を育てるためには、肉や魚、卵、大豆製品などに含まれるたんぱく質が必要です。牛乳にもたんぱく質は含まれていますが、それだけで十分というわけではありません。

そして、意外と見落とされがちなのが、ご飯やパン、麺類などの炭水化物や、脂質から摂るエネルギーです。

「太りたくないから」と主食を減らしたり、極端に脂質を避けたりすると、エネルギー不足になり、筋肉はうまく育ちません。たんぱく質を摂っていても、エネルギーが足りなければ筋肉づくりは進みにくいのです。

さらに、骨だけが成長しても、それを支える筋肉が十分に発達していなければ、体のバランスが崩れやすくなります。運動中のケガのリスクが高まったり、疲れやすくなったり、思うようにパフォーマンスが発揮できなかったりすることもあります。

つまり、身長を伸ばしたいからと牛乳ばかりを意識するのではなく、骨・筋肉・エネルギーの3つをバランスよく満たすことが、成長期の体づくりには欠かせないのです。

「何を飲む?」より、「何を食べる?」身長アップの食事術

では、Kちゃんのお母さんの疑問に戻ります。

「牛乳とプロテインなら、どちらが身長を伸ばすのにいいのでしょうか?」

管理栄養士としての答えは、「その前に、まず食事!」です。

牛乳には、カルシウムやたんぱく質など、成長期に必要な栄養素がバランスよく含まれていますが、給食で毎日牛乳を1本飲んでいるのであれば、朝と夜に何杯も追加して飲む必要はありません。

それよりも、ご飯やパンなどの炭水化物で十分なエネルギーを確保し、肉・魚・卵・大豆製品などからたんぱく質を摂ること、そして適量の脂質や、野菜・海藻・きのこ類などのおかずからビタミン・ミネラルを補うことのほうがずっと大切です。

毎日部活動でしっかり体を動かしている中学1年生なら、1日に約2,400kcal前後、1食あたりでは700~800kcal程度のエネルギーが必要です。ご飯を控えめにしてしまうと、この必要量に届かず、エネルギー不足になりやすくなります。

Kちゃんのように毎日部活動でしっかり体を動かしているなら、過度に体重増加を気にする必要はほとんどありません。むしろ、エネルギー不足による身長の伸びや筋肉の発達、運動のパフォーマンスへの影響のほうが心配です。

Kちゃんのお母さんにも、「牛乳をプロテインに替えるより、まずはご飯をしっかり食べることが身長を伸ばすための第一歩ですよ」とお伝えしました。

身長を伸ばしたいからと、何か特別な食品を探したくなる気持ちはよく分かります。でも、成長を支えているのは魔法のような飲み物ではありません。主食・主菜・副菜がそろった毎日の食事こそが、身長を伸ばすための一番の近道なのです。


監修者:工藤まりえ
大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。

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