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ボーナス50万で“人気の優待銘柄”を購入→「株主優待ってお得!」と喜んでいたが…1年後、50代女性を襲った“思わぬ損失”

  • 2026.7.18
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPの柴田です。

「株主優待」は、お米やお食事券などがお得に手に入る楽しい世界のように見えます。ただ、楽しさに引き寄せられて足元を見ないと、思わぬ損失を招きます。

今回は、昨年のボーナス時期に失敗したAさん(55歳・女性)のお話です。

「優待で暮らす人」に憧れて

Aさんはテレビで「株主優待で生活する人」の特集を見て、すっかり魅了されました。「配当のほかに、お米も外食券もカタログギフトももらえるなんて、株ってお得!」と感じたようです。 筆者も優待株をいくつか保有していますが、優待が届くと得した気分になります。配当金と株主優待を両取りできれば、よりテンションが上がります。

さて、Aさんは夏のボーナス80万円を元手に、優待雑誌に付箋を貼りながら外食チェーン・食品メーカー・レジャー施設など人気の優待銘柄を5〜6社、バランスよく(※100株単位で購入できる範囲で)購入しました。

選定基準はただ一つ、「優待品が魅力的かどうか」。企業の業績や財務は、ほぼノーチェックだったそうです。株価チャートも「なんとなく安くなってるからお買い得かも」という眺め方でした。

1年後、優待品よりも大きな含み損に気づく

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

最初の数か月は幸せでした。お食事券が届き、お米が届き、家族にも「株主さまさまだね」と好評。

ところが1年後、口座の評価額を見たAさんは呆然とします。受け取った優待品と配当は合計で約5万円相当。一方、株価の下落による含み損は約30万円程度に達していました。

しかも保有銘柄の一つは業績悪化で、優待制度を改悪。発表の翌日には株価が急落し、優待も株価も同時に失うおまけ付きでした。優待は法律で約束されたものではなく、企業がいつでもやめられる「サービス」だという現実を、Aさんは身をもって学んだのです。

「優待品の金額、株価の下落分と比べました?」

優待品の価値は年に数千円〜1万円程度が相場。株価がほんの数%下がるだけで、簡単に吹き飛ぶ金額です。そして優待は企業が任意でやっている制度であり、業績が苦しくなれば改悪・廃止が起こりえます。

業績の裏付けがない銘柄ほど優待廃止のリスクが高く、廃止されれば優待目当ての株主が売り、株価も下がる構造です。

「優待利回りが高いから」だけで選ぶのは、お世辞にも優れた投資判断とはいえません。株式投資は「大切な資産をリスクにさらす行為」であることを認識したうえで、本当に投資する価値がある企業を選びましょう。

優待投資で失敗しないための3箇条

優待投資自体が悪いわけではありません。 しかし、買う前には最低限、以下のポイントを確認すべきです。

  • 売上と利益が安定しているか
  • 無理な優待や配当で株主をつなぎ止めていないか
  • その会社の株を「優待が廃止されても持ち続けたいか」

そしてボーナスのようなまとまったお金を、一度に、同じ理由で投じないことも大切です。買う時期をずらしたり業種を分けたり、可能な範囲で分散することで資産を守ってくれることもあります。

Aさんは反省を踏まえて保有銘柄を整理し、業績を確認してから買う流儀に切り替えました。今も優待は大好きだそうですが、以前と違うのは、以下のような指標を必ずチェックするようになったことです。

  • 自己資本比率:会社の「体力の強さ(倒産しにくさ)」を表す数字
  • EPS(1株当たり純利益):会社が「稼ぐ力」を表す数字(右肩上がりなら安心)
  • 売上の推移:本業の規模がしっかり成長しているかどうか

昨今の投資ブームもあり、新NISA口座を使って優待株を購入する初心者が増えています。非課税になるためお得に見えますが、ここには大きな落とし穴があります。

それは、「NISA口座で発生した損失は、他の口座の利益と『損益通算(プラスマイナスして税金を減らす仕組み)』ができない」という点です。

もし課税口座(特定口座)であれば、株価下落で10万円の損を出しても、他の株の利益と相殺して税金を取り戻せます。しかしNISA口座で損切りをしてしまうと、税制上の救済措置は一切なく、ただただ損が確定するだけになってしまいます。

値下がりリスクのある優待個別株をNISAで買う際は、より一層「業績が盤石で、長期保有できる企業かどうか」を厳しく見極める必要があります。


執筆・監修:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,200記事以上の執筆実績あり。

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