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“地方の実家”を相続した50代男性→「いずれ田舎に戻るかも」放置した結果…3年後、自治体から届いた“1通の通知”に絶句

  • 2026.7.14
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPの柴田です。

「いずれ売るから」「いつか片づけるから」のように、実家を相続した方の「いずれ」と「いつか」という判断は、大切な資産を蝕みます。

今回は、その代償が300万円超になったAさん(56歳・男性)のお話です。

「思い出があるし」で3年フリーズ

東京で働くAさんは3年前、地方の実家を母親から相続しました。「いずれ田舎に戻るかもしれない」「子どもの頃の思い出もあるし」。売る決心も貸す決心もつかず、かといって新幹線で3時間の実家に管理に通うわけでもなく、相続登記すらしないまま3年が経過。

筆者の経験上、生前仲が良かった家族ほど、このような「放置」になりがちな印象です。楽しい思い出が多くある分、処分するのは心理的にも忍びない、という感情を持ちやすいのでしょう。

困ったことに、税金と法律は、こちらの気持ちの整理を待ってはくれません。実家は、Aさんの心の中では「思い出の家」のままでしたが、現実では庭木が道路にはみ出し、瓦が落ち、雑草は隣家の敷地へ。立派な「近所の困りごと」に成長していました。

空き家は人が住まなくなった途端、驚くほどの速さで傷みます。換気されない家は湿気がこもり、あっという間に「売れる家」から「解体するしかない家」へ格下げされていくのです。

自治体からの通知、そして税金が4万円→18万円

ある日、自治体から封書が届きます。近隣からの苦情を受けた「管理不全空家」への指導の通知でした。これは2023年の法改正で新設された区分で、放置して市区町村から「改善勧告」を受けると、その時点でペナルティが発生します。

それが、家計を直撃する固定資産税の増税です。通常、住宅が建つ土地は「住宅用地特例」によって税額が最大6分の1に軽減されています。しかし、管理不全空家(または特定空家)として勧告を受けるとこの特例が除外され、翌年度からの税額が実質最大6倍(実務上は4~5倍程度)に跳ね上がってしまうのです。

Aさんの場合も度重なる通知を放置して勧告に至ってしまい、年約4万円だった固定資産税が18万円になってしまいました。

放置の代償は300万円超の負担

慌てたAさんは解体を決断しますが、見積額は約200万円。さらに2024年4月からの相続登記義務化に伴う登記費用(登録免許税や司法書士報酬)で約15万円がかかりました。Aさんのように2024年4月1日より前に発生した相続は、原則として2027年3月31日までに登記が必要なため急いで対応した格好です。

結局、解体費や登記費用、跳ね上がった税金に加え、これまで3年間放置していた間の庭木の伐採費用や、東京から実家へ様子を見に行くための往復の新幹線代なども重なり、経済的な負担は合計で300万円超にのぼってしまったのです。

なお、要らない土地は国に引き取ってもらえる「相続土地国庫帰属制度」という制度があります。この制度で建物付きの土地は対象外で、10年分の管理費相当の負担金も必要です。実際の活用はハードルが高く、「最後の手段」くらいに考えておくのが現実的です。

まとめ

相続した実家の処分に困った場合は、家の状態が良いうちに不動産会社へ査定を依頼し、「売れる家」なのか「土地として売ったほうがよい」のか、現在地を把握しましょう。状況を放置するほど、経済的な負担が重くなる可能性があります。

早い段階で対策を講じれば、Aさんのように「想定外の300万円が発生する」という事態を防げます。実家は感情が入り込みやすい資産ですが、まずは現実を認識することが大切です。


執筆・監修:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,200記事以上の執筆実績あり。

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