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私大に進学した息子→奨学金“年90万”が給付され「卒業まで安心」と思っていたが…2年後、40代親を襲った“想定外の事態”

  • 2026.7.18
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、給付型奨学金に採用された子を持つ40代のAさんの体験談です。「一度採用されれば卒業まで安心」と思い込み、毎年の適格認定で成績や出席が基準を下回ると打ち切りや返還になることを知らず、家計の計画を見直すことになった経緯をご紹介します。

「給付型奨学金に採用されたから、4年間安心」と思っていた

Aさんの子は、大学進学にあたって返済不要の給付型奨学金に採用されました。

私立大学に自宅外から通うため、給付は年およそ90万円。あわせて授業料の減免も受けられ、教育費に頭を悩ませていたAさんの家計は、ずいぶん助かりました。

「返済のいらない給付型に通ったのだから、あとは卒業までこのまま安心だ」。入学の手続きを終えたAさん一家は、そう考えていました。奨学金のことは、それ以上あまり気に留めていませんでした。

給付型には、毎年の「適格認定」がある

ところが給付型奨学金には、毎年の「適格認定」があります。学業成績や出席の状況が確認され、基準を下回ると警告や支給停止などの措置を受け、状況によっては廃止(打ち切り)となる仕組みです。返済不要の支援を、学びに生かしてもらうためのルールです。

Aさんの子は、一人暮らしの自由な生活に慣れるうちに、だんだん授業を欠席しがちになり、成績も下位になっていきました。

1年後の適格認定で警告を受け、翌年も改善しなかったため、ついに給付が打ち切られてしまいました。年およそ90万円の給付が、卒業を待たずになくなったのです。さらに恐ろしいのは、この給付型奨学金は「大学の授業料減免」とセットになっている点です。奨学金の支給が止まったことで、同時に授業料の減免措置も打ち切りに。年およそ90万円の給付金が消えただけでなく、これまで免除されていた授業料も全額自己負担となり、Aさん宅の教育費負担は一気に跳ね上がってしまいました。

その結果、本来は給付でまかなう予定だった学費を、Aさんが急きょ負担しなければならなくなりました。

打ち切りだけでなく、返還を求められることも

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

さらに気をつけたいのが、打ち切りの理由によっては、それまで受け取った分の返還を求められる場合がある点です。たとえば学業成績が著しく不良と判断されるようなケースでは、給付が「返す必要のあるお金」に変わってしまうこともあります。

ただし、一度でも打ち切られたら全員が返還を求められるわけではありません。返還が必要になるのは、病気や災害などのやむを得ない事情がないにもかかわらず、「修得単位数が極端に少ない(標準の1割以下など)」「著しく怠惰で、学修意欲が全く認められない」といった、極めて悪質なケースに限定されます。

「返済のいらないお金だと思っていたのに、もらった分を返すことになるとは思ってもいませんでした」とAさんは振り返ります。返済不要のはずの給付型でも、要件を満たせなくなった場合は、状況によっては返済しなければならないこともあるのです。

継続の条件を、親子で共有しておく

給付型奨学金は、一度採用されれば卒業まで安泰というものではありません。毎年の適格認定があり、成績や出席の条件を満たし続ける必要があります。この条件は、親だけが知っていても意味がなく、実際に通う子ども自身も理解しておく必要があります。

進学の前に、給付を続けるための条件を親子で確認し、共有しておきましょう。日本学生支援機構(JASSO)のホームページで、適格認定の基準を確認できます。子ども本人が正しく制度を理解できるよう家庭で話し合っておくことが、打ち切りを防ぐいちばんの備えになります。


参考:

適格認定(学業等)(日本学生支援機構)

執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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