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手料理は撮らず、空になったお皿だけ撮る彼。私に興味がないんだと傷ついた話

  • 2026.6.12
ハウコレ

料理の写真を撮る人だと思っていたのに、彼のカメラが向くのはいつも空っぽのお皿。「なんとなく」とだけ答える彼の横顔に、見えない壁を感じていました。

「全部食べたよ」だけの食卓

彼は私の作ったものを、いつもきれいに平らげてくれます。最後のひと口まで食べ終えると、決まって「全部食べたよ」と言ってくれました。残さず食べてもらえるのは、作った側としてうれしいものです。

ただ、彼の口から料理そのものの感想を聞いたことは、ほとんどありませんでした。おいしいともまずいとも言わず、味付けの話にもなりません。完食という結果だけがそこにあって、そこに至るまでの私の手間は、彼の目に映っていないように思えたのです。

カメラが向く先

彼はきまってスマホを手に取ります。料理を撮っているのだろうと、私は何気なく彼の画面に目をやりました。そこに並んでいたのは、できたての料理ではなく、空っぽになったお皿の写真でした。気になって、思いきって聞いてみました。

「なんで空っぽのお皿を撮ってるの?」

彼は少し目をそらして、「いや、なんとなく」とだけ答えます。それ以上は聞けず、私は食器を片づけ始めました。せっかく並べた料理には一度もカメラを向けないのに、空のお皿だけを残す彼の気持ちが、私にはわかりませんでした。

届かない一品

友人の恋人は、作った料理を写真に撮ってほめてくれるそうです。その話を聞くたびに、私たちとのちがいを思わずにいられませんでした。彼は完食はしてくれる。でも、私が何を作っても、その中身には関心がないのかもしれない。そう考えると、台所に立つ気持ちが少しずつしぼんでいきました。

ためしに、いつもより手をかけない一品だけの料理を出してみたことがあります。それでも彼は同じように「全部食べたよ」と言い、空になったお皿にカメラを向けました。手をかけてもかけなくても同じなのだと、私は受け取りました。彼の感想を待っている自分に気づいて、少しさみしくなりました。

そして...

それからも、私はごはんを作り続けています。彼はやっぱり空っぽのお皿を撮って、「全部食べたよ」と笑います。問い詰めるほどのことでもない気がして、私はその理由をたずねないままにしています。

ただ、いつか聞いてみたいとは思うのです。あの写真は、彼にとって何なのか。私の料理は、彼の中にちゃんと残っているのか。空になったお皿の向こうにある彼の気持ちを、私はまだ知らずにいます。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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