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30歳までメイク禁止!? 理不尽な謎ルールを押し付けて新人いじめを繰り返す職場の先輩。そんなヤバい女に鉄槌を下す物語【書評】

  • 2026.6.5

【漫画】本編を読む

『策略女を許さない 職場のヤバイ女が自滅するまで』(一科ハチカ:作画、希虹:原作/KADOKAWA)は、理不尽を振りかざす厄介な先輩に目をつけられた新人女性が、職場いびりに立ち向かう姿を描いたスカッと系の職場ドラマだ。職場に潜む人間関係の歪みと、その裏にある策略を暴いていく展開が共感を呼ぶ作品だ。

主人公の春海は、前職を辞めて学生時代から憧れていた保育士の仕事に就いたばかりの新人。しかし、夢に見たはずの職場で彼女を待っていたのは、妙なマイルールを押し付ける先輩・明子だった。例えば「30歳を過ぎるまでメイクは禁止」と言って強引に化粧を落とされたり、「新人は園から一番離れた駐車場を使え」と怒られたり。さらに春海に彼氏がいることが知られると嫌がらせはエスカレートし、業務に影響が出るほどになってしまう。

いわゆる職場の嫌な先輩という存在はどこの世界にもいる。それを単なる悪役として描くだけではなく、正そうとしない周囲の空気や組織の構造も含めて描いている点が秀逸だ。明子の理不尽な言動は多くの仲間が見ているはずなのに、なぜか誰も強く止めようとはしない。職場という閉じたコミュニティの中では、「面倒だから関わらないほうがいい」という理由で理不尽な人物が放置されてしまうことはよくあることで、本作はその不条理を描いているのだ。

春海はなぜ明子の横暴が許されているのかを探りながら、少しずつ状況を変える方法を模索していく。理不尽に耐え続けるのではなく、冷静に状況を見極めて反撃のきっかけを作っていくさまは痛快だ。策略を巡らせていた明子の歪んだ行動が、どのように自身へ跳ね返っていくのかが大きな見どころとなっている。

ストレスの多い職場では、些細な嫉妬や支配欲などでトラブルに発展する可能性もある。本作はそんな職場に潜む「ヤバい人物」の転落を描く。理不尽な上司や同僚に悩んだ経験がある人ほど、このカタルシスに浸ってほしい。

文=富野安彦

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