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「もう少し減額してもいいのでは」毎年議論だけ繰り返して何も決めない町内会。だが、払っている会費に感じた違和感とは

  • 2026.6.6

加入しないとごみも捨てられない町

地方の小さな町に引っ越して8年が経つ。

引っ越した初日に最初の挨拶として手渡されたのが、町内会の加入届だった。

手書きの古い書式に、判を押す場所だけが赤丸で囲まれていた。

この町では加入が事実上必須で、入らなければ集積所にごみを出すことすらできない。

年配の住民が運用するルールには逆らえず、私も渋々ながら判を押した。

会費は月数千円。

当初は夏祭り、運動会、年末の餅つきと行事も多く、それなりに使い道があった。

ところがコロナをきっかけに催しはほぼ全廃され、回覧板が回ってくるだけの組織になった。

「前年通りで」

毎年の総会で会長は決まってそう繰り返した。

負担が減っても会費は据え置き、行事のない年も同じ金額が引き落とされ続けた。

繰越金だけが膨らんでいく決算書

総会で配られる決算書を見れば、繰越金の欄だけが毎年じわじわと数字を増やしていた。

今年で何百万円に達したかは分からない。地元の集会場の改修にも、防災備蓄の更新にも使われた形跡がない。

「もう少し減額してもいいのでは」

若い世帯の代表が手を挙げた。

会場のあちこちで頷く頭が見えた。だが古参の役員が「来年あらためて検討で」と引き取った瞬間、空気がしぼんだ。

手を挙げた若手も、それ以上食い下がらずに座り直した。

翌年の総会でも同じ提案が出た。答えも同じだった。再来年も、その次も。

誰かが決めれば動く話なのに、誰も決められないまま時間だけが過ぎていく。提案する顔ぶれは少しずつ入れ替わったが、引き取る古参の顔ぶれは変わらない。

前年踏襲が続いた8年目の静けさ

今年の総会も同じ展開だった。

決算書、繰越金、減額提案、検討で持ち越し。机を囲む全員が結末を分かっていて、誰も止めずに進行表通りに会は閉じた。

帰り道、隣を歩く同世代の住民が小さく息を吐いた。判で押したような毎年の流れに、もう誰も期待していない顔だった。

「結局、誰が決めるんでしょうね」と彼が呟いたが、私も答えを持ち合わせていなかった。

減らそうと言えば「来年検討」で流される。

8年間、私たちは何も決めない議論のために集まり続けている。手元に残る決算書を眺めて、これがあと10年続くのかと思うと、答えの出ない問いが胸に沈んでいった。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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