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60代女性が主人公の映画が少ないのはなぜ? 英調査で浮き彫りになった「映画界の偏り」に俳優も苦言

  • 2026.6.4
Taylor Hill / Getty Images

未だ映画業界に蔓延る「年齢差別」。先日、過去3年間にイギリスでヒットした映画を分析した新たな調査で、60歳以上の女性が主演する作品よりも、ある名前の俳優が主演を務める映画や、“しゃべる動物”が主人公の映画のほうが多いことが明らかとなった。

“60歳以上の女性”が主人公の作品は何本?

イギリス初の反エイジズム・キャンペーンの一環として「Centre for Ageing Better」は、2023年から2025年の興行収入上位100作品を対象に調査を実施。「Box Office Mojo」のイギリス興行収入データをもとにした調査によると、主演に「クリス」という名前の俳優が起用されていた映画は6本あった一方で、60歳以上の女性が主人公の作品はわずか5本にとどまったという。

この3年間でトップ100入りした“60歳以上の女性が主人公の作品”は、以下となっている。

  • ジェニファー・ソーンダース出演の『Allelujah(原題)』(2023年)
  • ニア・ヴァルダロス出演の『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング3』(2023年)
  • 故ダイアン・キートン出演の『ブッククラブ/ネクストチャプター』(2023年)
  • デミ・ムーア主演の『サブスタンス』(2024年)
  • ジェイミー・リー・カーティス出演の『シャッフル・フライデー』(2025年)
©The Match Factory

一方、「クリス」という名前の俳優が主演した6作品のうち、半数を占めていたのはクリス・プラットだったとのこと。対象作品には、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(2023年)、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』(2023年)、『ねこのガーフィールド』(2024年)が含まれている。

そのほかには、クリス・パイン出演の『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』(2023年)、クリス・ヘムズワース出演の『トランスフォーマー/ONE』(2024年)、そしてクリスティアン・フリーデル出演の『関心領域』(2024年)が挙げられた。

さらに、「Age Without Limits」による調査では、60歳以上の女優が主演する映画よりも、“しゃべる動物”を主人公にした作品のほうが4倍も多かったことが判明している。

私たちを描く物語はどこに? 俳優・専門家の主張

このキャンペーンを支持している俳優のエマ・トンプソンは、今回の調査結果について次のように語った。

「女性は人口の半分を占めていて、当然みんな年を重ねていきます。なのに、私たちを描く物語はどこにあるのでしょうか? 人は年齢を重ねるほど、より面白く、奥行きのある存在になっていくものです」

「私は、年を重ねた女性たちを主人公にした映画をもっと見たい。私たちは魅力的で、共感できる存在であり、ずっと“主役の座”を与えられるべき存在だったと思います。年配女性は、スクリーンに映る許可なんて必要としていません。私たちはすでに現実に存在しているのだから。あとは映画界が追いつくだけです」

Hoda Davaine / Getty Images

「Centre for Ageing Better」のCEOを務めるキャロル・イーストン博士は、今回の結果について次のようにコメントしている。

「近年、年配女性を主役に据えた映画がこれほど少ないというのは、本当にばかげた状況です。イギリスでは、映画館に足を運ぶ人の最大5人に1人が55歳以上であり、この世代は毎年、映画に何億ポンドものお金を使っています。それにもかかわらず、主要作品における年配女性の描かれ方は、実際の観客層の割合とあまりにもかけ離れている。こうした“存在の欠如”は、率直に言って侮辱的です」

イーストン博士は、こうした問題は映画業界に限った話ではなく、メディアや職場、公共の場など社会のさまざまな領域において、年配女性の存在や声が過小評価され、周縁化され続けているとコメント。

さらに、エイジズムと性差別が結びついた構造に対抗していくためには、映画や音楽、本といった文化作品の中で、あらゆる年代や多様な人生の姿がより反映されるべきだと訴えている。

Stephanie Augello / Getty Images

調査では、3人に1人(33%)が「60歳以上の女性俳優が主演する映画はもっと増えるべきだ」と感じていることが明らかになった一方で、「そうした作品は多すぎる」と答えた人はわずか3%にとどまっている。

さらに、女性回答者に限ると、「年配女性が主役の映画が不足している」と感じる割合は39%にまで上昇。一方、「60歳以上の男性俳優が主演する作品が少ない」と答えた人は20%だったとのこと。また、約6人に1人(16%)が、「60歳以上の女性が主演する映画なら、より観に行きたいと思う」と回答しており、「逆に観る気がなくなる」と答えた人(9%)を大きく上回る結果となっている。

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