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ライブ会場でうちわを高く掲げた私→後ろの声に「今、いいところなんで」と言った

  • 2026.6.4
ハウコレ

初めての現地参戦の日、私は会場に着いてからずっと落ち着きませんでした。推しが登場した瞬間、気づけばうちわを力いっぱい頭上へ掲げていました。

やっと会えた瞬間

何度も配信で見てきた推しに、ようやく会える日でした。チケットが当たったと知ってから、この日のために生きていたようなものです。開演してステージに推しが現れた瞬間、私はすっかり夢中になっていました。少しでも近くで応援したくて、うちわを高く掲げ、ペンライトを精いっぱい振りました。周りがどう見えているかなんて、そのときの私には少しも頭にありませんでした。

後ろからの声

どれくらい振っていたでしょうか。曲のあいだに、後ろの席のほうから遠慮がちな声が届きました。「すみません、うちわを少し下げてもらえますか」。聞こえてはいました。でも、せっかくの最高の場面を止めたくなくて、私は聞こえないふりをして、うちわを掲げ続けました。もう一度、その声が大きくなったとき、私はとうとう面倒に感じてしまい、振り返って「今、いいところなんで」とそっけなく返しました。そして、何事もなかったかのように、またうちわを高く戻したのです。

推しの一言で

どれくらい経ったでしょうか。曲の合間に、推しがマイクを手に客席へにこやかに呼びかけました。「うちわは胸の高さで、後ろの人にも見えるようにね」「ルールを守ってみんなで楽しもう!」。その瞬間、まるで私のためだけに言われたようで、うつむくしかありませんでした。ついさっき、後ろの人にあんな返事をしたばかりだったからです。同時に、ずっと前に参加した別のライブで、前の人のうちわに視界をふさがれ、ほとんど見えなくて悔しかった記憶がよみがえりました。私は、あのとき自分が嫌だったことを、お願いされても知らないふりをして、後ろの人にそっくりそのまましていたのです。

そして...

それからは、とても後ろを振り返ることなんてできませんでした。けれど、うちわの高さに気をつけながら、最後まで精いっぱい応援しました。推しに会えるうれしさは、私だけのものではありません。あの会場にいた一人ひとりが、同じ気持ちであの場所に集まっていたはずです。後ろの席の人にも、きっと大切にしたいこの時間があったのだと、ようやく気づきました。次に現地へ行くときは、まわりの人の笑顔ごと、この時間を大切にしたい。そう心に決めた、忘れられない一日になりました。

(20代女性・大学生)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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