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「あの子、字汚いよね」授業参観で子供の悪口を言うママ友。だが、本当に苛立った別の理由とは

  • 2026.6.2
「あの子、字汚いよね」授業参観で子供の悪口を言うママ友。だが、本当に苛立った別の理由とは

廊下に響いた小声の悪口

同じクラスのママ友は、とにかく悪口が好きな人だった。

送り迎えのたびに、誰かの夫の収入、誰かの服のセンス、誰かの家の事情。

話題は尽きず、終わるそぶりもない。同じ話を別のママに繰り返しているのも、見ていて分かった。

正直、聞き流すだけで疲れる。けれど一番ぎょっとしたのは、その矛先が子どもにまで向いた瞬間だった。

最初は耳を疑った。

本当に、目の前の子のことを言っているのか。

授業参観の日。

教室の後方に保護者が並び、子どもたちが黒板の前で順番に書いた漢字を見せていた。

隣に立ったママ友が、私の肘を軽くつついて口元を寄せてくる。

穏やかな冬の日差しが、後ろの窓から差し込んでいた。

「あの子、字汚いよね」

声は明らかに、悪口を抑える音量ではなかった。前の列の子の肩が、ぴくっと跳ねるのが見えた。

子どもの背中に刺さる声

聞こえている。確実に、本人に聞こえている。

子どもが書いた字なんて、上手いも下手も関係ないだろう。

緊張しながら、わざわざ親の前に出てきて見せている、それだけで十分立派なはずだ。

なのに彼女は止まらない。ほかの子の鉛筆の持ち方、姿勢、髪の結び方まで、片っ端から並べていく。

少し離れた席の母親も、こちらをちらりと見て表情を曇らせていた。教室の空気はだんだんと張り詰めていく。

耳に届く小声の悪口は、参観中の教室にじわじわと染みていく。

書道の半紙を手に席へ戻った子が、自分の字を一度くしゃっと丸めかけた。

あの一瞬の動きが、いまも目に焼きついている。担任の先生もちらりとこちらを見て、目を伏せた気がした。

言ってあげたかった。「そういうの、本人聞こえてるよ」と。けれど私はただ、相づちも打たず、視線を黒板に固定するのが精一杯だった。

波風を立てたくない、その小さな計算が、声を喉の奥で押し戻していた。

止められなかった自分

参観が終わり、靴箱の前で別れたあとも、頭の中で何度も言葉が回り続けた。

なぜあの場で止めなかったのか。次に会ったとき、何と切り出せば角が立たないのか。

大人同士の陰口なら、まだ聞き流せる。子どもへの悪口を、当人の耳に届く距離で言う神経が、どうしても理解できなかった。それでも私は次の集まりにも顔を出し、彼女の話に曖昧にうなずいてしまうのだろう。

怒りは、相手だけでなく自分にも向いていた。教室の隅で固まっていた子の背中が、しばらく頭から離れなかった夜だった。明日もきっと、通学路で同じ笑顔を見るのだろう。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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