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60代男性「急ぎだから200万円現金で」ボーナス支給の6月…窓口で銀行員が密かに焦る“高額出金トラブル”とは

  • 2026.6.26
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。くまえり銀行員です。
今日は、6月になると銀行窓口で急増する「高額出金」の裏側についてお話しします。

6月は、夏のボーナス時期。
まとまったお金が口座に入るタイミングでもあり、「現金で引き出したい」というお客様が一気に増える季節です。

「車を買うから」
「リフォーム代を払うから」
「家に置いておきたいから」

理由はさまざまですが、窓口にいる私たち銀行員が、実は毎回かなり神経を使っている場面でもあります。

というのも、“高額出金”には、普通のお手続き以上に確認事項やリスクがあるからです。

「自分のお金なのに、なんで理由を聞かれるの?」

窓口で100万円、200万円単位の現金を引き出そうとすると、

「ご用途をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「本日、現金でのお持ち帰りでお間違いないですか?」

そんな質問を受けた経験がある方もいるかもしれません。

すると時々、

「自分のお金なのに、なんでそこまで聞かれるの?」
「疑われてるみたいで不快」

と、不満を感じるお客様もいらっしゃいます。

でも実は、銀行側には“確認しなければならない理由”があります。

近年は特殊詐欺やSNS型投資詐欺、ロマンス詐欺などが急増しており、高額出金の裏に被害が隠れているケースが珍しくありません。

そのため銀行では、高額出金の際に、リフォーム代の請求書や車両購入の見積書、振込先情報が記載された書類など、“資金使途が確認できる書類”の持参をお願いする場合があります。

ただ、お客様からすると、

「そこまで見せなきゃいけないの?」
「自分のお金なのに?」

と感じるのも当然です。

でも窓口側としては、“もし詐欺被害だったら”を常に考えています。

特に最近は、「現金で引き出して持参してください」と指示する詐欺も増えているため、銀行側も以前より慎重になっているのです。

だからこそ、銀行員は「失礼にならないように聞く」という、かなり難しい対応を毎日しています。

実は、窓口側が一番ヒヤッとしている

以前、ボーナスの時期にこんなお客様がいました。

60代くらいの男性で、「急ぎだから200万円現金で」と来店されたんです。

ただ、どこか様子が落ち着かない。
スマホを何度も確認し、質問にも少し曖昧な返答。

「お車の購入ですか?」
「まあ、そんな感じ」

「業者さんへのお支払いでしょうか?」
「あとで振り込むより早いから」

この時点で、窓口側はかなり警戒します。

もちろん、本当に正当な出金かもしれません。
でも銀行員は、“もし詐欺だったら”を常に考えています。

実際、高額出金後に「だまされていた」と判明するケースは後を絶ちません。

最近は「現金で渡してください」「自宅に保管してください」と指示する詐欺も増えているため、銀行側も慎重になっています。

結局そのお客様は、ご家族への確認で被害を未然に防げました。

でも、もしそのまま現金を渡していたら。
そう考えると、窓口側は本当に胃が痛くなる瞬間があります。

「すぐ出せますよね?」が、実は難しいことも

もう一つ、6月に増えるのが、

「今日すぐ500万円必要なんだけど」

というケースです。

ここで意外と知られていないのが、銀行店舗には無限に現金が置いてあるわけではない、ということです。

特に地方店舗や小規模店舗では、高額現金の在庫には限りがあります。

そのため、事前連絡なしの高額出金や、連休前、ボーナス支給日付近などは、窓口側がかなりバタつきます。

場合によっては、

「後日のご案内になります」
「別店舗でのお受け取りをお願いします」

と案内することもあります。

すると、

「銀行なのに金がないの?」

と怒られてしまうことも。

でも実際は、防犯面や管理体制の問題もあり、必要以上の現金を常備できないのです。

銀行員からすると、“安全にお客様のお金を守るための仕組み”なのですが、ここはなかなか伝わりづらい部分でもあります。

銀行員が本当に伝えたいこと

高額な現金出金を予定している場合、特に1,000万円を超えるようなケースでは、事前に銀行へ相談していただけると、準備や確認がスムーズになります。

また、請求書や見積書などを一緒にご持参いただけると、確認がスピーディーに進み、お客様自身の大切な資産を守ることにもつながります。

最近は、現金受け渡しよりも振込対応や口座間送金、電子決済を推奨されるケースも増えています。

大金を持ち歩くリスクは、想像以上に大きいからです。

もちろん、「現金で持っておきたい」という考えを否定するつもりはありません。

ただ、銀行員として窓口に立っていると、“現金だからこそ起きるトラブル”を本当にたくさん見ます。

だからこそ、窓口で少し質問が多かったとしても、「単に面倒な手続きをお願いしている」わけではなく、“お客様の資産を守るため”に確認していることを。



ライター:くまえり銀行員
金融機関の窓口業務に携わり、日々さまざまなお客様対応を経験。
忙しい日常の中で起こりがちな銀行手続きの行き違いやトラブルを、窓口の内側から見た視点で、読者に寄り添いながら伝えています。「知らなかった」が「なるほど」に変わる瞬間を大切に執筆中。


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