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実家の名義変更を放置した50代男性→「思ってもみませんでした」売却を決意も…立ちはだかった“予想外の現実”

  • 2026.7.8
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。親が亡くなった後、実家の扱いをどうするか悩む方は多いでしょう。

いずれ売却するつもりだからと、名義変更の手続きを後回しにしていませんか。今回は、実家の名義変更を放置したことで、売却時に大きなトラブルに直面した50代男性の事例を紹介します。

いつでも売れると実家の名義変更を放置したEさんの誤算

50代の会社員であるEさんは、数年前に親が亡くなり、一戸建ての実家を相続しました。実家は誰も住まない空き家となりましたが、Eさんは売却を急ぎませんでした。

「売りたくなってから名義を変えればいいし、急いで手続きする必要はないだろう」

こう考えて、亡くなった親から相続人へ名義を移す相続登記を行わないまま、放置していました。

いざ売却しようとするも親名義のままでは売れない現実

数年が経ち、維持費がかかる実家を売却することにしたEさんは、不動産会社を訪ねました。しかし、担当者から意外な言葉を告げられます。

「名義が親御様のままでは、買主様へ家を引き渡すことができません」

実家を売るには、まず相続登記をしてEさんの名義に移す必要がありました。

「まさか売りたいときにすぐ売れないなんて、思ってもみませんでした」

Eさんは慌てて、司法書士に手続きを依頼します。ところが相続登記には、多くの場合、亡くなった親の戸籍謄本を集め、相続人全員で誰が何を引き継ぐかを決める遺産分割協議が必要です。

Eさんはこうした手続きを丸ごと後回しにしていたため、書類がそろうまでに数か月かかり、その間は売却を進められませんでした。司法書士への報酬や登記費用など、思いがけない出費が生じた点も、Eさんにとっての誤算です。

令和6年4月から始まった相続登記の義務化と過料のリスク

Eさんは手続きを進めるなかで、ルールが以前より厳しくなっていることを知ります。令和6年4月1日から、相続登記が法律で義務化されていたのです。

この制度では、相続の開始と所有権の取得を知った日から3年以内に申請しなければなりません。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料という行政上のペナルティの対象になります。

義務化より前に発生していた過去の相続も対象で、Eさんの場合は令和9年3月31日までに登記する必要がありました。

「もし放置を続けていたら、過料を科されるところだったのですね」

Eさんは期限内に登記を終えたため過料は免れましたが、知らないうちにリスクを背負っていた事実にヒヤリとしました。

相続が発生したら売る予定の有無を問わず早めの登記を

実家を売る予定があってもなくても、相続が起きたら早めに相続登記をしておきましょう。遺産分割の話し合いが長引きそうなときは、自分が相続人だと法務局に申し出る相続人申告登記を使えば、ひとまず登記の義務は果たせます。

ただし、相続人申告登記は実家の名義を自分に移す手続きではありません。この状態では売却できず、売るには正式な相続登記が別途必要です。戸籍集めや親族間の話し合いには時間がかかります。

早めに動いておけば3年の期限に間に合い、急に売りたくなったときも慌てずに済みます。不動産は名義が相続人に移ってはじめて売れるため、相続が起きたらまず登記から進めておくとよいでしょう。

参考:相続登記の申請義務化について(法務省)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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