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「ここまで気になるとは」4,200万円で注文住宅を建てた30代夫婦→入居後に窓を見て後悔したワケ【一級建築士は見た】

  • 2026.7.8
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「注文住宅で念願のマイホームを建てたんです。でも、リビングの大きな窓がちょうどお隣の窓と向かい合っていて。視線が気になってカーテンを開けられず、風を通したくても、窓を開けると目が合ってしまいそうで…」

そう話すのは、2年前に注文住宅(4LDK・延床約34坪/土地約40坪、約4,200万円)を建てたOさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。図面では、大きく開放的な窓のある明るいリビングのはずでした。

「設計の方と相談して窓を決めたつもりでしたが、住んでからここまで視線や風の通りが気になるとは、図面の上では想像しきれませんでした」と振り返ります。

窓は「大きさ」より「どこに付けるか」

注文住宅では設計者と相談して間取りを決めますが、打ち合わせは図面が中心です。窓の大きさやデザインは話題になっても、住み心地を左右する「どこに付けるか」という配置の良し悪しは、図面だけでは想像しきれない面があります。

たとえば隣家との距離が近い住宅街では、窓が隣の家の窓と正面で向き合うと、お互いの視線が気になり、せっかくの窓を開けづらくなります。図面では「明るい部屋」に見えても、隣家の窓やベランダの位置を現地で確かめておかないと、後から気づくことになりがちです。

なお、窓と隣家が近い場合には法律上の決まりもあります。民法では、隣地との境界線から1メートル未満の距離に、隣の家の宅地を見通せる窓やベランダを設けるときは、目隠しを付けなければならないと定められています(民法第235条)。建築基準法とは別の、隣人同士のプライバシーを守るための民法上のルールです。

引き違い窓のような隣を見通せる窓が対象で、窓の構造や距離によって扱いは変わりますが、自分の窓が隣家に近ければ、自分の側に目隠しが求められることもあります。設計の段階で隣家の窓やベランダの位置、境界までの距離を確かめておくことは、こうしたトラブルを避けることにつながります。

「風が通らない」のは、窓の組み合わせのせいかも

もう一つ住んでから気づきやすいのが、「窓を開けても思ったほど風が通らない」という悩みです。

風は、入る窓と出る窓の両方があって初めて流れが生まれます。片側の壁にしか窓がないと、空気が入っても抜ける先がなく、流れは弱くなりがちです。風を通したいなら、部屋の対角線上など、入口と出口になる窓を意識して配置することが大切です。とくに梅雨や夏に自然の風で過ごしたい場合は、この「風の通り道」があるかどうかで住み心地が変わります。

Oさん夫婦はどう対応したのか

窓を開けづらいことに悩んだOさん夫婦は、暮らしのなかで工夫を重ねました。視線が気になるリビングの窓には、外から見えにくく光と風は通すブラインドを取り付け、窓の外には目隠しになる低い植栽を置きました。風の通りは、あまり使っていなかった廊下側の小窓をリビングの窓と一緒に開けると流れやすくなることに気づき、暑い時季はそうして風の通り道をつくっているそうです。

「住んでからでも工夫できることはありました。今は季節に合わせて窓を使い分けています」と振り返ります。

家を建てるときは「窓の配置」まで考えて選ぶ

注文住宅で間取りを検討する際は、窓の大きさやデザインだけでなく、配置まで考えておくと安心です。とくに以下の点を意識してみてください。

・窓が、隣家の窓やベランダと正面で向き合っていないか
・視線が気になる場所は、高い位置の窓など、開けやすい工夫ができないか
・風を通したい部屋に、入口と出口になる窓の組み合わせがあるか
・図面だけでなく、現地で隣家の窓や建物の位置を確かめられているか
・隣家との境界に近い窓は、目隠しの決まり(民法)も意識できているか

「図面の窓」だけでなく「暮らしの窓」を想像して

大きく明るい窓は住まいの魅力ですが、その心地よさは、窓を実際に開けて使えてこそ活きてきます。

図面の見た目だけでなく、住んでから窓をどう使うかまで想像し、隣家との位置関係や風の通り道を設計の段階で考えておくこと。「図面の上の窓」だけでなく「暮らしのなかの窓」を想像することが、間取りで後悔しないための第一歩です。

参考: 民法(第235条)(e-Gov法令検索)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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