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「なぜこれを電車に!?」現役鉄道社員が明かす“忘れ物”のゆくえと、四国で見つかった意外な品

  • 2026.6.22
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

皆さま、こんにちは。現役鉄道会社社員の福本明文です。

電車を利用しているとついやってしまいがちなのが忘れ物です。手に持っているはずのものがないことに気づいたときにはすでにドアが閉まっていた……。そんなときの焦る気持ちはとてもよくわかります。

定番の忘れ物といえば、傘や現金、スマートフォンなどですが、中には「なぜこれを電車に!?」と首をかしげてしまうような意外なものや、その地域ならではの土地柄が表れる忘れ物も存在します。今回はそんな地域色あふれる鉄道忘れ物の裏側をご紹介します。

圧倒的規模の都市部と季節感が表れる地方の忘れ物

全国の主要な鉄道会社の公式発表を見ると、忘れ物の数は驚くべき規模にのぼります。例えば、日本最大のネットワークを持つJR東日本管内ではなんと年間200万件超もの忘れ物が取り扱われています。

非常に数が多いことから、AIを活用して各駅の忘れ物をLINE等から横断検索できるシステム「落とし物クラウド find」が導入されるなど、対応もデジタル化へと進化しています。このほかにも、利用者の多い都市部では、公式のデータが発表されている相模鉄道や名古屋鉄道をはじめ各社で年間十数万件規模の忘れ物が発生しており、各鉄道会社は管理負担の軽減に追われています。

一方、都市部以外の地域に目を向けると、気候や風土が忘れ物の種類に色濃く反映されます。例えば雪国や寒冷地では、冬場になると手袋、マフラー、ダウンコートといった防寒具の忘れ物が急増します。外は寒くても車内は暖房が効いているため、つい脱いでそのまま忘れてしまうというケースが多いようです。

四国ならではの珍忘れ物?

忘れ物に地域色が最も色濃く出る地域の一つが、お遍路さんの文化が根付く四国地方です。

JR四国が過去に公式発表していた「忘れ物白書」というデータによると、傘や現金といった定番に混じって、珍しい忘れ物として、お遍路さんが使う金剛杖や袈裟が3年連続で報告され話題になりました。

さらに、お遍路さんとは直接関係がありませんが、なんと卒塔婆も報告されていて、弘法大師ゆかりの地という地域柄を感じるとともに、拾得した係員の驚く表情が思い浮かぶようです。

こうした仏具のほかにも、讃岐うどんや香川県のご当地グルメの骨付鳥といった、いかにも四国らしい品がリストアップされており、発表されたデータを見るだけでもその土地の独自の文化が伝わってきます。

忘れ物のゆくえと「鉄道忘れ物市」

これ以外にも、プロ野球の開催日にはスポーツ観戦グッズ、農村部では農産物、年末年始にはお守りや縁起物、さらには楽器やペット用品など、全国の駅には日々ありとあらゆるものが集まってきます。

持ち主がすぐに気づいて連絡すれば手元に戻る確率も高いですが、残念ながら引き取りに来られないケースも少なくありません。そうした忘れ物は警察に届けられ、法律で定められた所定の保管期間を過ぎると、最終的に処分されるか、専門の業者に引き取られます。

皆さんも駅周辺の催事場やデパートなどで「鉄道忘れ物市(落とし物市)」が開催されているのを見たことはないでしょうか。業者に引き取られた忘れ物の一部はこうして販売されるケースがあります。売り場をのぞくと傘や衣類だけでなく、「こんなものまで!?」と思うような掘り出し物が出品されていることに驚くことでしょう。これもまた、人間社会のさまざまなドラマが交差する鉄道ならではの光景と言えるかもしれません。

もし電車を降りる際、「お忘れ物のないようご注意ください」というアナウンスが聞こえたら、聞き流すことのないよう、今一度、身の回りや網棚を確認してみてください。


参考:
JR 東日本は「落とし物クラウド find」導入によるお忘れ物の「横断検索」サービスを開始します(東日本旅客鉄道株式会社)
2024年度の忘れ物件数が4.5%増加【相模鉄道・相鉄バス】(相鉄グループ)


ライター:福本明文
大学卒業後、鉄道会社に総合職として入社し、鉄道業界を15年以上経験。鉄道部門だけでなく、関連事業部門のタクシーやバス、小売りなどを幅広く経験。現在はWebライターとしても活動し、広報を担当した経験からコラム記事の執筆からSNSへのコンテンツ提供まで多岐にわたって活動中。


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