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松本潤、世界進出ドラマで“友情出演”「気付かなかった」大河ドラマと別人級の“殿様役”に反響の声

  • 2026.6.15

近年、韓国ドラマが世界的なヒットを連発しているが、日本のドラマもまた、本気で世界市場を狙いに行く動きを見せ始めている。これまでそれを牽引しているのは、潤沢な予算をかけたNetflixオリジナル作品だったが、国内企業も負けじと世界市場を見据えた作品を作り始めている。

その象徴と言えるのが、TBSとU-NEXTがタッグを組んで送り出した大型時代劇ドラマ『ちるらん 新撰組鎮魂歌』だ。HBOのデイリーTVランクで5位に入るなど、海外でも視聴者を獲得している。

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「ちるらん 新撰組鎮魂歌」制作発表(C)SANKEI

累計発行部数300万部を突破した橋本エイジ・梅村真也による同名漫画を原作に、幕末の動乱を駆け抜けた新撰組を、その結成前夜から描く壮大な物語だ。日本のドラマとしては破格のスケールで制作された本作は、ワイヤーアクションを駆使した時代劇の常識に捉われない殺陣、そして魂を削り合う男たちの群像劇として、新撰組ファンはもちろん、漫画原作のアクション巨編を好む海外の視聴者をも視野に入れた一作だ。

キャストも、目を見張るほどに豪華だ。土方歳三に山田裕貴、近藤勇に鈴木伸之、沖田総司に細田佳央太、山南敬助に中村蒼、永倉新八に上杉柊平、斉藤一に藤原季節と、新撰組の中核には勢いのある役者が並ぶ。
さらに、絶対的な敵役である筆頭局長・芹沢鴨には綾野剛、土方の宿命の友・岡田以蔵には中島健人、人斬りとして対峙する田中新兵衛に安藤政信、高杉晋作に北村匠海と注目の役者が勢ぞろい。そして会津藩主・松平容保には松本潤が参戦するなど、脇に至るまで隙がない布陣となっている。

「バラガキ」から「鬼」へ。土方歳三が辿る、血と友情の道

物語は、喧嘩に明け暮れる“バラガキ”だった土方歳三が、近藤勇や山南敬助、沖田総司らと出会うところから始まる。江戸を騒がす辻斬り・岡田以蔵との死闘を通じて、無二の友情を築き、やがて大志を抱いて京へ上洛した彼らを待っていたのは、筆頭局長・芹沢鴨の暴力と狂気、そして抗いようのない時代の大きなうねりだった。

土方たち壬生浪士組は、過酷な試練を乗り越えて会津藩主・松平容保からの信頼を得、京の治安を守る大義名分を手にする。だが京は、尊王攘夷派による暗殺が横行する戦場と化していた。仲間が、裏切りの末に命を落とすなどの悲劇を乗り越え、会津狩り・田中新兵衛やかつての友・岡田以蔵との死闘を経て土方は成長していく。
そして、隊の乗っ取りを企む副長・新見錦の陰謀から、新撰組を二分する芹沢鴨との因縁の対決へと発展していく。

とにかく、誰もかれもが感情をむき出しにしてぶつかり合い、魂を削り合うシーンの連続だ。
アクションは時代劇の常識にとらわれず、ワイヤーアクションを含めたアクロバティックな動きを徹底的に追求しており、従来のチャンバラ劇とは一線を画している。重厚な歴史劇というよりも、少年漫画的な熱量で押し切る、その潔さが本作の最大の魅力だ。

山田裕貴の土方、綾野剛の芹沢、そして松本潤の松平容保

本作を語るうえで、役者陣の熱演は欠かせない。
主演の山田裕貴が演じる土方歳三は、まさにはまり役だ。喧嘩っ早い“バラガキ”時代のギラついた目つきから、仲間を失い“鬼”へと変貌していく過程の重み、そして友を斬らねばならない男の哀しみまで、振れ幅の大きい役柄を、山田は持ち前の身体性と眼力で見事に演じきっている。彼の土方は、誰よりも熱く、誰よりも傷つきやすい、感情の塊のような男だ。

そして敵役の芹沢鴨を演じる綾野剛の存在感がすごい。狂気と知性、そしてカリスマ性を兼ね備えた男を、綾野は体現していて、画面に現れるだけで、空気が変わる。物語の絶対的な敵役としてこれ以上ない存在感を発揮しており、対立する間柄ではあるが、土方たちに大きな影響を与える。

役者陣の中で触れずにいられないのが、松平容保を演じる松本潤だ。『どうする家康』に続いて再び殿様役に扮しているが、その雰囲気はまるで別人。温和な家康とは対照的に、鋭い眼光で荒くれ者たちを束ねる幕末の名君を、重厚に演じている。
普段の松本潤とのギャップに「気が付かなかった」という声もあるほど、そのイメージからギャップのある雰囲気を醸し出している。

新撰組の連中は、立身出世を目指して失うものはない、若さゆえのエネルギーを体現する集団だ。一方、松平容保は一国の藩を背負う、責任あるポジションにある。それでいて保身に走るのではなく、藩の将来と京都を守るために、素性の知れぬ浪士組を抱えるという大胆な決断を下す。
荒ぶる男たちの引き締め役として、松本潤は本作に絶妙な緊張感をもたらしている。友情出演という立ち位置ながら、彼の登場シーンは間違いなく本作の見どころのひとつだ。

ほかにも、岡田以蔵を演じる中島健人の儚さと狂気が同居した佇まい、沖田総司役・細田佳央太の透明感のある殺気、高杉晋作役・北村匠海の若々しい熱など、役者陣に見どころの多い作品だ。
『ちるらん』は、新撰組モノの定番をなぞった作品ではない。むしろ、ヤンキー漫画的な男たちの友情と暴力、そして少年漫画的な「最強vs最強」の構図を、幕末という舞台に落とし込んだ、痛快エンターテインメントだ。

新撰組モノが好きな人はもちろん、男たちの熱い関係性に胸を熱くしたい人、ヤンキー漫画的な仁義と友情の物語を愛する人、おすすめできる一作だ。


出典:@chiruran_the7『ちるらん 新撰組鎮魂歌』公式 - "Song of the Samurai"

ライター:杉本穂高
映画ライター。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。X(旧Twitter):@Hotakasugi

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