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「ネトフリでも見直した」「多くの人に見てほしい」2024年に放送されたNHKの“知られざる名作”ドラマ

  • 2026.7.2
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窪田正孝 (C)SANKEI

6月22日より、NetflixにNHK作品が順次配信されることが発表された。大河ドラマ、連続テレビ小説のほか、人気の高い4作品が配信されている。そのうちの1つが、2024年に放送された窪田正孝主演の『宙わたる教室』だ。

※【ご注意ください】本記事はネタバレを含みます。

定時制高校を舞台に大人の夢を描く

『宙わたる教室』は、伊与原新による同名小説を原作にした物語。定時制高校に新しく赴任した理科教師・藤竹叶(窪田正孝)を主人公に、定時制高校に創設された科学部の生徒たちが「火星のクレーター」を再現する実験に取り組んでいく物語だ。

本作が特徴的なのは、真正面から“学ぶ”という営みの尊さを描いていることだ。

第1話で描かれるのは、「ディスレクシア」と呼ばれる学習障害を持ち、字を読むのが苦手なことから、自分自身に失望して生きてきた岳人(小林虎之介)だ。彼は向学心があるにも関わらず、学習障害の自覚がないことから、自分を諦め、道を踏み外しそうになっていた。岳人は、藤竹に出会ったことで自分に合った学習方法があることを知り、学ぶことの楽しさに目覚めていく。

第2話では、フィリピン人の母と日本人の父を持つアンジェラ(ガウ)が、幼い頃学校という場所にどんな思いを抱いていたのかが描かれる。家庭環境から学ぶことと距離を取らざるを得なかった過去、ずっと学校で学ぶことを夢見ていたことが語られている。藤竹は自分の夢より若者の夢を優先しようとするアンジェラに、「夢に優劣なんかありませんよ」と言葉をかける。

『宙わたる教室』の前半では、学校という学びの場が必ずしも全員に開かれたものではないという現実が描かれている。一方で、本作を見ていると、学ぶことは自分の可能性を信じる第一歩になること、そしていつからはじめても決して遅くないことが実感できる。

定時制高校から、世の中を知る

本作は、定時制高校が多様な事情を持つ人々が集まる場所であることも示している。

藤竹が授業を担当する教室には、ディスレクシアゆえに音声学習をする岳人、前のめりすぎて協調性がないように見える長嶺省造(イッセー尾形)、前述したアンジェラ、キャバクラで働きながら娘を育てる庄司麻衣(紺野彩夏)がいる。定時制高校という舞台だからこそ社会の隅々に宿る多様性を描けたのだ。

物語の序盤、彼らはしょっちゅう揉め事を起こしていた。それは、定時制高校に通う互いの背景に理解が及ばず、相手を糾弾しあっていたからだ。物語が進むにつれて、お互いの事情を理解しあい、同級生として切磋琢磨していく。

その過程には、学ぶこと、人と協力すること、試行錯誤することなど、生きるうえでの重要な部分が凝縮されている。ぶつかり合いながらも前に進み続けた科学部メンバーが最終話で見せた表情を見ていると、どうにも涙が込み上げてくる。なんでもないシーンなのに、特別感動する展開ではないのに、涙腺がゆるむ。全話見てきたからこそ、なぜか泣けてしまうことこそが、本作が知られざる名作である証拠だ。

また、本作の序盤は1話ごとに生徒が主役となるようなエピソードが展開されるが、終盤にかけて藤竹の事情が明かされていく。科学部のメンバーたちが夢を追う過程で成長していくのと同じように、科学部のメンバーたちと研究を進める過程で藤竹が何を感じるのかも描かれているのだ。

6月22日からのNetflixでの配信をきっかけに再視聴してみると、藤竹のセリフの裏側にある狙いとともに、科学部のメンバーたちの成長、仲の深まり、藤竹の変化が強く実感できるだろう。

SNSでは、「ネトフリでも見直した」「多くの人に見てほしい」「それぞれの過去が胸に響く」「繰り返し観たくなるメッセージのあるドラマ」など、熱量の高いファンの声が溢れている。

第1話で藤竹が発する「この学校にはなんだってある」というセリフが、最終的に生徒たちをどこまで連れていってくれるのか。少しずつ積み上げられる学びと努力の結晶が放つ輝きを、ぜひもう一度浴びてほしい。


出典:NHK ドラマ10「宙わたる教室」NHKアーカイブス より

ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、インタビュー、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。
X(旧Twitter):@k_ar0202

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