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夫の手術で“33万円”支払った50代妻→『高額療養費制度で戻ってくる』はずが…数ヶ月後、銀行窓口で告げられた“思わぬ事実”に絶句

  • 2026.6.14
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。
「高額療養費制度があるから、医療費はある程度戻ってくるはず」そう思っている方は多いのではないでしょうか。

しかしマイナ保険証を持っていない場合、申請しなければ一円も戻ってきません。今回は、夫の入院で高額の医療費を支払ったにもかかわらず、申請を忘れてしまったAさん(50代女性)のエピソードをご紹介します。

「窓口で33万円以上払ったのに、戻ってこない…」

夫が大腸がんと診断され、手術と入院を経て医療費の総額は112万円にのぼったAさん。

マイナンバーカードをまだ作っていなかったため、病院の窓口で3割負担の約33万6,000円を全額支払いました。

「高額療養費制度で後から戻ってくるはず」と思っていたAさん。しかし夫の看病や仕事との両立で毎日が精一杯で、申請手続きはずっと後回しになっていました。

退院から数ヶ月後、資産運用の相談で銀行窓口を訪れたAさん。担当者との会話の中で夫の入院の話題になり、「高額療養費の申請はもう済みましたか?」と聞かれたAさんは思わず固まってしまいました。

「申請…?自動で戻ってくるんじゃないんですか?」

「申請しなければ、一円も戻ってきません」

帰宅後に慌てて自分で調べたAさんは、高額療養費制度の仕組みを初めて詳しく理解しました。

高額療養費制度とは、1ヶ月の医療費の自己負担額が一定の限度額を超えた場合に、超えた分が後から払い戻される制度です。Aさんの夫の場合(年収約500万円)、1ヶ月の自己負担限度額は約8万8,630円。つまり窓口で支払った約33万6,000円のうち、約24万7,000円が戻ってくるはずでした。(※この事例では入院期間が1暦月内に収まったケースとして試算)申請期限は診療を受けた月の翌月1日から2年以内。まだ間に合うことがわかり、急いで加入している健康保険組合に申請の手続きを行いました。

「よかった、まだ間に合った!」と胸をなでおろしたAさんでしたが、調べていくうちにもう一つの落とし穴が見つかりました。

「医療費控除の確定申告もしていませんでした…」

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合に、確定申告をすることで所得税が還付される制度です。高額療養費で戻ってきた金額を差し引いた後の自己負担額が10万円を超えていれば対象になります。

「高額療養費で戻ってくるから大丈夫と思って、確定申告をしていませんでした」とAさん。医療費控除の還付申告の期限は5年以内のため、こちらもまだ間に合いましたが、「窓口で聞いていなかったら気づかなかった」と青ざめていました。

マイナ保険証があれば、もっと楽だった

実は、マイナ保険証(マイナンバーカードを健康保険証として登録したもの)を持っていれば、こうした手続きの手間を大幅に省くことができます。マイナ保険証を病院窓口で提示し「限度額情報の表示」に同意するだけで、最初から自己負担限度額(Aさんの場合は約8万8,630円)のみの支払いで済み、後から高額療養費の申請をする必要がありません。

「マイナンバーカードを作っておけば、最初から8万8,630円しか払わなくて済んだんですね」とAさん。「こんなに違うとは思わなかった」と後悔していました。

なお、マイナンバーカードを作らない場合でも、事前に健康保険組合へ「限度額適用認定証」を申請しておくことで、病院窓口での支払いを最初から自己負担限度額までに抑えることができます。入院が決まったら、マイナ保険証の有無にかかわらず、まずは加入している健康保険組合に相談することをおすすめします。

また、高額療養費の申請期限(診療月の翌月1日から2年以内)と医療費控除の申告期限(翌年1月1日から5年以内)を忘れずに確認しておきましょう。まだマイナンバーカードを作っていない方は、ぜひ早めに申請することをおすすめします。


執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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