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“元アイドル”と電撃婚から1年…NHK朝ドラから仮面ライダーまで…1万人超の中から選ばれた「イケメン俳優」の現在地とは

  • 2026.6.23
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市川知宏-2010年2月撮影(C)SANKEI

俳優には、長く一つの場所に在り続けられる人がいる。派手な代表作で世界を一変させる人もいれば、出てくる作品の幅で着実に信頼を積んでいく人もいる。市川知宏は、後者の筆頭である。

連続ドラマの初主演も、農業高校生も、仮面ライダーも、朝ドラの軍人も、ぜんぶ同じ素直さでこなしてきた。17歳のとき、高校の制服のままジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリを取った。あれから18年。あの日着ていた制服のような朴訥(ぼくとつ)さを、そのまま身につけたまま、市川は俳優を続けている。

制服のまま登壇してグランプリ

市川のキャリアは、高校2年のときに始まる。2008年、第21回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト。応募は1万人を超える規模で、その頂点に立ったのが当時17歳の市川だった。特別な衣装ではなく、ふだん通りの制服。気取らない佇まいのまま、頂点まで行った。そのコンテストでの同期の顔ぶれを並べると、いま振り返って豪華だ。のちの菅田将暉である菅生大将、荒井敦史、渡部秀。そうそうたる大会から抜けた一人が市川だった。

ここがいい。グランプリという肩書きを手にしても、本人の気負いは増えなかった。素直なテンションのまま、ゆっくり俳優の現場へ入っていった。翌2009年、『カイドク』で俳優デビューする。賞を獲った熱を、そのままの温度で持ち続ける。市川のキャリアは、最初からこの体温で走り出している。

19歳で連ドラ初主演を引き寄せた

その温度のまま、市川は早い段階で大きな仕事を引き寄せる。2010年、TBS系『クローン ベイビー』で青柳正宗役を演じた。19歳の連続ドラマ初主演である。オーディションで選ばれた主要キャストには、松坂桃李、山崎賢人、稲葉友、桜田通が並んでいた。後にそれぞれ主演級へ駆け上がっていく顔ぶれだ。そのなかで、19歳の市川が主役を引き受けた。なかなかすごい出来事である。

おもしろいのは、市川がこの初主演を一生の看板として神格化せず、その熱を温度通りのまま、次の現場へ運んだことだ。その後、市川は群像の歯車として作品を支える側を着実に選んでいく。早稲田大学社会科学部にAO入試で進み、時間をかけて卒業もした。学業と俳優業の両方を、自分のペースで歩んでいく。地続きの歩幅が、ここで定まった。

「等身大」が持ち味になった2014年

市川には、年を重ねても変わらない持ち味がある。それが定まったのが2014年だ。この年、市川は二本の青春映画に立て続けに出ている。

映画『銀の匙 Silver Spoon』で演じた駒場一郎は、農業高校に通う高校生。家業の酪農を継ぐ覚悟と迷いを抱えながら、主人公・八軒の親友としての時間を過ごす。同年の映画『好きっていいなよ。』では、竹村海というヒロインの同級生を演じた。爽やかで、誰にでも優しく接する青年だ。

二本に共通するのは、市川が「そこにいる人」として自然に画面に収まっていることである。隣にいそうな同級生として、現実感を持って立つ。役と本人の境目が薄いから、観た側は「この役、市川みたいな子だ」と素直に納得してしまう。

「等身大」というありふれた言葉が、市川にとっては技術の名前として効きはじめる。これが、その後のキャリアの土台になった。

1000年そこに在り続けた剣士

市川の立ち位置を、もっとも象徴する役がある。2020年から2021年のテレビ朝日系『仮面ライダーセイバー』で、市川はユーリ(仮面ライダー最光)を演じた。約1000年前に聖剣と一体化し、アヴァロンに封じられていた剣の化身という役どころだ。1000年そこに在り続けた存在、という設定が、配役としてとてもしっくりくる。

市川は、長く在り続けることで作品を支える俳優だ。物語の発端よりずっと前から世界の背骨として存在し、いま物語に現れる、というキャラクターの体感は、市川の歩み方そのものに通じる。世界を成立させるために、ずっとそこに在る役どころがある。市川はその場所が似合う俳優として、特撮ファンの心に深く残った。

10年越しに回収される予言

長く続けてきた人にだけ起きる、という類の出来事がある。2025年、NHK連続テレビ小説『あんぱん』で貴島勝夫役を演じた。朝ドラ初出演で、役は海軍中尉である。朝ドラの大きな舞台に、力まず海軍中尉として立つ。17歳の制服の素直さが、ここでもそのまま生きている。

最新作では、2026年のフジテレビ系ドラマ『GTO』で数学教師役を演じる。AIと効率を重んじる合理主義者。型破りな鬼塚の対極に置かれた人物だ。ここでも市川は、物語の対極の側で世界を成立させる役回りにいる。

18年、市川知宏は同じ温度で現場に在り続けてきた。2025年4月3日に元乃木坂46のメンバーの永島聖羅と結婚後も、制服のまま頂点に立った17歳の素直さは、いまも変わらず、この俳優の芯にある。どんな役の隣にも自然に収まる、長く在り続ける人だけが持つ強さ。それが、市川知宏の魅力である。


※記事は執筆時点の情報です

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