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女優へと進化した元美人アナウンサー、“整形依存のレンタル彼女”から“ドラァグクイーン”まで“魅せる”新境地とは

  • 2026.6.15
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2014年4月、TBS入社式で新人アナとしてフレッシュな姿をみせた宇垣美里(C)SANKEI

宇垣美里には、いつも「完成された外装」のイメージがある。元アナウンサー、美人、コスメに詳しい人。その印象は、彼女が自分で先に作ってきたものだ。

でも面白いのは、ここから。宇垣はその完成された自分を、一枚ずつ脱いで更新し続けている。脱皮を繰り返して、そのたびに新しいシールドを張り直す。彼女のキャリアは、そういう更新の記録なのだと思う。

外装を先に作っておく人

宇垣のキャリアは、転身の「前」から設計されていた。2014年から2019年まで、彼女はTBSのアナウンサーだった。『あさチャン!』『サンデージャポン』などに出演しながら、コスメやマンガへの愛を公言し、コラムの連載も持つ。アナウンサーという肩書きの内側で、「これが私」という外装をすでに組み立てていたのだ。

退社後の2020年には、劇場アニメ『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来』で声優に初挑戦。雑誌でのコラム連載も続け、執筆家としての顔も育てている。バラエティへの最短ルートを選ばず、副軸を先に仕込んでおく。その用意の良さが、後の女優・宇垣美里を支えている。

殻を破った分岐点

女優・宇垣の輪郭がはっきりしたのは、2022年。TBS系『明日、私は誰かのカノジョ』で、整形を繰り返すレンタル彼女・中谷彩だ。美人で隙のない外見の持ち主が、整形に依存する女性を演じる。この逆説的なキャスティングが、宇垣の殻をきれいに破った。

前年の関西テレビ・フジテレビ系『彼女はキレイだった』では、美容業界で働く肉食系の須田絵里花。同じ2022年のテレビ東京系『チェイサーゲーム』では、ゲーム会社の総務課で働く桐澤を演じている。

外見や仕事にまつわる役を、彼女は怖がらずに引き受けてきた。むしろ自分の「完成された外装」を、役の武器に変えていく。脱ぐより、上塗りで大きくなる人なのだ。

外見という戦場へ

宇垣が選ぶ役は、いつも外見や自意識が問われる場所にある。2024年のPrime Video『1122 いいふうふ』では、主人公の心に寄り添う女友達・ユリを好演。2025年のテレビ東京系『できても、できなくても』では、不妊症が発覚した32歳の女性・桃生翠を主演で演じた。妊娠や出産という、女性の体と自意識に直結するテーマ。きれいごとで終わらせない難しい役を、彼女は真正面から受け止めている。

美人女優という単位でくくられそうな人が、いちばん痛むところへ自分から踏み込んでいく。そこに宇垣美里の覚悟がある。一方でフジテレビ系『自由な女神-バックステージ・イン・ニューヨーク-』の女性のドラァグクイーン役のような、軽やかなコメディもこなす。重い役も笑える役も、同じ振れ幅のなかにある。

宇垣を見ていて気持ちがいいのは、自分の見られ方を、ちゃんと自分で握っているところ。元アナウンサーという肩書きも、美人という評価も、ともすれば狭いイメージに彼女を閉じ込めてしまう。でも宇垣は、その枠を嫌がる代わりに、枠ごと役の材料にしてしまうのだ。

整った外見を持つ人が、外見に悩む役を演じる。その重なりが、ほかの誰にも出せない説得力を生む。脱皮というと、過去を捨てて生まれ変わるイメージかもしれない。けれど宇垣の場合は少し違う。古い殻を脱ぎながら、そこで得たものは全部抱えたまま、次の自分を上から重ねていく。だからキャリアを重ねるほど、彼女の輪郭は薄くならず、むしろ濃くなっていく。

更新し続けるその先

2026年7月から、日本テレビ系ドラマ『おちたらおわり』で宇垣は主演をつとめる。タワーマンションを舞台にした、ママ友たちのサバイバルサスペンス。篠田麻里子との共演で、見栄や格差が渦巻く世界を生きる女性だ。完成された外装を持つ人が、その外装がいちばん試される場所へ、また一歩進んでいく。

「アナウンサーから女優へ」というだけでは、宇垣美里をうまく説明できない。彼女がやっているのは、転身ではなく更新だから。一つの肩書きに落ち着くのではなく、そのつど新しい自分を上書きし続けている。だから何年たっても、宇垣には「これが完成形」という顔がない。

脱皮を繰り返し、自らを更新する。宇垣美里は、止まらずに自分を書き換えていく人だ。次にどんな顔を見せてくれるのか、引き続き注目だ。


※記事は執筆時点の情報です

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