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【ニューオープン連載】ホテルにブラッセリー? 「ジランドール by アラン デュカス」の美食

  • 2026.5.22
Satoshi Fukuda

常に進化を続けている東京のレストランシーンの“今”を紹介する新連載。今回のテーマは「ホテルレストラン」。新店やシェフの交代、大胆なリニューアルなど、今まさに注目すべき3つの名店をご紹介。

第2回目は昨年、全面リニューアルした、東京・新宿「パーク ハイアット 東京」のダイニングである「ジランドール by アラン デュカス」。フレンチ界の巨匠アラン デュカスと手を取り合ったことも話題に。

Photo : SATOSHI FUKUDA Editor : SATOKO UDA

Satoshi Fukuda

フランスの伝統的なブラッセリーを現代のスタイルに再解釈

1994年にアジア初の「パーク ハイアット」として誕生した「パーク ハイアット 東京」が、19カ月にもおよぶ大規模な改修工事を経て2025年12月9日にリニューアルオープン。

なかでも事件だったのが、オールデイダイニング「ジランドール」が、アラン デュカスとパートナーシップを結んだことだ。アラン デュカスといえば、世界8カ国で30以上のレストランを展開し、東京でも銀座の「ベージュ アラン デュカス 東京」や、「パレスホテル東京」の「エステール by アラン デュカス」といったファインダイニングがあるなか、「ジランドール」は気軽に楽しめるフランスの伝統的なブラッセリーを、現代のスタイルに再解釈し、より洗練されたモダンフレンチブラッセリ―という形態に。

Satoshi Fukuda

聞けばアラン デュカスは、日本のラグジュアリーホテルの先駆的存在であり、独自の価値観で歩んできた「パーク ハイアット 東京」に深い敬意を抱いており、今回のパートナーシップも相互の共通するフィソロフィーが響き合い、誕生したのだとか。店名が刻印された銀の飾り皿は、デュカス氏のヴィンテージコレクションから提供されたというから、その思いのほどがうかがえる。

Satoshi Fukuda

季節の食材の持つ味わいを最大限に生かす

プリフィックススタイルのコースは、アミューズからワクワクが止まらない。ほのかにスパイスが香るグジェールは食欲を刺激し、にんじんとオレンジ果汁を合わせたムース(季節によって異なる)は華やかかつ軽やかで、その後の料理への期待が高まっていく。

春から初夏の前菜「グリーンピースの冷製ヴルーテ」(写真)は、フレッシュでミルキーなフロマージュ・フレと濃厚なクリスタルキャビア、フィンガーライムに、甘みと香りが凝縮された冷たいグリーンピースのスープを注いだ一品。さまざな食感や味わいが口のなかで調和し、まさに “新緑”のような生命力の息吹を感じさせる。

Satoshi Fukuda

メインディッシュは「帆立貝のソテー」を。表面を香ばしく焼き、うま味を引きだしたミキュイ状態の帆立貝に、苦みを利かせた白アスパラガス、さまざまな貝類の出汁のうま味が溶け込んだ泡状のバターソースをかけて。

確かなフランス料理の技術をベースに、旬の食材のもつ五味を繊細なまでに生かした料理の数々は、味覚や食感のコントラストのつけ方も考え抜かれており、飽きさせることがない。

Satoshi Fukuda

料理長の堤 耕次郎さんは19年にわたり「ジランドール」の厨房に立ち続けていた料理人であり、今回のリニューアルのためにパリに約2カ月滞在し、アラン・デュカスの複数のレストランで準備を重ねた。

「各店で共通していたのは、アラン・デュカスの料理哲学である“素材のおいしさを追求する”こと。塩や砂糖といった調味料を多用するのではなく食材から引き出し、最低限の油分でおいしさを構築していくことを学びました」と、堤料理長。

堤料理長とデュカス・パリのチームが協力して毎シーズン、日本の旬の食材にフランスの食材と組み合わせながらメニューを考えている。

Satoshi Fukuda

最後の秘密のデザートにもサプライズが

デザートもデュカス・パリとの連携で作り上げている。人気の高い「苺のメルバ」は、フレッシュないちごの味わいが全面に表現されたデザート。いちごのソルベとソース、クリームシャンティは砂糖を極力減らし、いちごの自然な甘さが際立つシンプルな味わいで、ペロリと食べられてしまう。

Satoshi Fukuda

メニューには書かれていないサービスの小さなデザートは、アラン・デュカスならではのカカオの高貴な香り、フレーバーを生かした逸品で、それは見てからのお楽しみに(おかわりしたくなる欲求を抑えるのが難しいデザート、とだけ伝えておきます)。

Satoshi Fukuda

ハリウッド映画にも登場した非日常のスペシャルな空間で

新生「ジランドール」は目でも舌でも楽しませてくれ、帰る頃にはもう一度最初からやり直したいと思うほど、身も心も軽やかな幸福感に満たされる。うれしいのはそのお値段だ。ランチコースは¥7,480から、ディナーコースは¥11,000から(共に税込み、サービス料別)と、都内の高級ホテルのレストランとは思えないコスパの高さ!

ディナータイムはアラカルトもあるので、「今日は前菜数品とワインだけで」という利用の仕方もできるのがいい。なによりも映画『ロスト・イン・トランスレーション』にも登場する東京の街が見渡せる最高のロケーションと、気分が上がる非日常的な空間、そして一流のサービス付き。通わない理由は見当たらない。

ジランドール by アラン デュカス
住所/東京都新宿区西新宿3-7-1-2 41F
営業時間/ランチ:12:00 ~14:30(L.O.)
ディナー:17:30~20:30(L.O.)
電話番号/03-5323-3005(予約専用)
無休
公式HP

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