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「君はそういうことを言う人じゃないでしょ」彼に少しずつ変えられていく自分に気づいた日に見た一枚の写真

  • 2026.5.21

少しずつ削られていく感覚

付き合い始めてしばらくした頃から、彼の口調が変わった。

「君はそういうことを言う人じゃないでしょ」

最初は自分が気に触ることを言ってしまったのかと思い、素直に謝っていた。

でも注意される頻度が上がるにつれ、何が正解かわからなくなっていった。

気をつければ気をつけるほど、また別のことで注意される。

そのうち、話す前に一度考えるようになった。

自分の言葉を発する前に、彼がどう思うかを先に想像する癖がついた。

いつの間にか、彼の好みに合わせて話し方を変え、髪型を変え、服装を選ぶようになっていた。

指定は細かかった。ゆるくウェーブさせた髪、控えめなメイク、明るい色の服。

言われた通りにすると「それがいい」と笑顔で言う。

その笑顔を見たくて、また従った。変わっていく自分に、違和感を覚えながらも止められなかった。

部屋で見つけた一枚

ある日、彼の部屋の棚に見覚えのない女性の写真が置いてあるのを見つけた。

もしかして別に誰かいるのかと思い、ためらいながら聞いた。

「あぁ、元カノだよ」

あっさりした答えに、最初は拍子抜けした。

でも写真を改めて見て、手が止まった。

ゆるくウェーブした髪。控えめなメイク。明るい色のトップス。

彼にずっと指定され続けてきたスタイルそのままで、顔立ちまで自分と重なった。

(私は誰かの代わりになっていたのか)

そう気づいた瞬間、背筋が冷えた。

変えてきたものが全部、この人に近づけるためだったのかもしれない。自分で選んだつもりだった服も、髪も、話し方も。そう思ったら、そこに座っていることができなくなった。

音信不通という結末

その日から彼とのやり取りがぎこちなくなり、自然と連絡が減った。

詰問する気にも、説明を求める気にもなれなかった。答えを聞いても、どうしようもない気がした。何か言えば、また何かを正される気がして怖かった。

結局、音信不通のまま関係が終わった。向こうから追いかけてくることもなかった。

今でも当時の自分を振り返ると、ゾッとする。

気がついたら別の誰かの形に合わせていた。それを「愛されている」と思っていた時期があったことが、一番怖い。変わっていく自分を止めなかった自分に対しても、今はそう思う。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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