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物語の中心はアラゴルンとゴラムに?『ロード・オブ・ザ・リング』最新作にまつわる情報と展望を考察

  • 2026.5.17

「わしらはともにゴクリを追って、荒れ地の国をそのはずれまで辿って行った。望みもなく、成算もなかった。しかし、わしが追跡をあきらめ、別の道に足を向けた時に、ゴクリが見つかったのじゃ。わが友、アラゴルンが、何度も怖ろしい危地をくぐりぬけて、あの情けないやつを連れて帰って来た」(「最新版 指輪物語1 旅の仲間 上」/評論社)

【写真を見る】新たにトリロジーに加わる『The Lord of the Rings: The Hunt for Gollum(原題)』のキャストたち

これは原作本で、魔法使いガンダルフが“一つの指輪”を手にしたホビット族のフロド・バギンズに、指輪の以前の持ち主、ゴクリ=ゴラムについて語った言葉の抜粋である。2027年12月17日全米公開予定の最新作『The Lord of the Rings: The Hunt for Gollum(原題)』では、原作本でガンダルフが語っていた言葉を膨らませた内容になりそうだ。

最新作ではゴラムのキャラクターも掘り下げられる?(『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』) [c]Everett Collection/AFLO
最新作ではゴラムのキャラクターも掘り下げられる?(『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』) [c]Everett Collection/AFLO

描かれるのは、ゴラムを追跡し、捕縛しようとするアラゴンの冒険

2024年に公開されたアニメーション映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』然り、原作者J・R・R・トールキンが生みだした壮大な“中つ国(なかつくに)”の物語を様々な角度から映像化するプロジェクトが進行中で、本作もその一つだと考えられる。今作では「ロード・オブ・ザ・リング」&「ホビット」映画三部作のピーター・ジャクソン監督は製作に回り、ゴラムを演じたアンディ・サーキスが監督を務める。もちろんゴラム役も続投。長きにわたってシリーズを支えてきたフィリッパ・ボウエン、フラン・ウォルシュも脚本と製作で参加する。

ゴンドールの王、イシルドゥアの血を引くアラゴルン(『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』) [c]Everett Collection/AFLO
ゴンドールの王、イシルドゥアの血を引くアラゴルン(『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』) [c]Everett Collection/AFLO

本作については、「ホビット」映画三部作と『ロード・オブ・ザ・リング(旅の仲間)』(01)の合間の物語、冥王サウロンに指輪の所在を知られないようにゴラムを追跡し、捕縛しようとするアラゴルンの冒険が描かれると説明されている。タイトルにもなっているゴラム、そしてアラゴルンがキーとなるキャラクターであり、そのバックグラウンドが掘り下げられることも予想される。

小説におけるゴラム、ガンダルフ、アラゴルンの同行とは?

【評論社文庫】「最新版 指輪物語1 旅の仲間 上」 著/J・R・R・トールキン 訳/瀬田貞二、田中明子 発売中 価格:1320円 評論社刊
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ここで一度、原作における両者の動向をさらっておきたい。ゴラムはもともとホビット族を構成する三支族の一つ、ストゥア族のスメアゴルという青年だった。友人と釣りに出かけたスメアゴルは、友人が見つけた一つの指輪に魅入られ、友人を殺害し、指輪を奪ってしまう。のちに一族を追放されたスメアゴルは太陽や月の光を嫌い、霧ふり山脈の地底湖に棲みつき、指輪の魔力で長寿を得ながらもその身体は醜悪な姿へと変貌。いつも喉を鳴らす様子から「ゴラム」と揶揄されることになる。

指輪の魔力によって醜悪な姿に変貌したスメアゴルことゴラム(『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』) [c]Everett Collection/AFLO
指輪の魔力によって醜悪な姿に変貌したスメアゴルことゴラム(『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』) [c]Everett Collection/AFLO

それから500年ほどの月日が流れ、地底湖に13人のドワーフと共に竜退治に出かけたホビット族のビルボ・バギンズが迷い込んでくる。ビルボはゴラムが落とした指輪を偶然発見し、持ち去ってしまう。指輪が失われたことを知ったゴラムは、彼が言うところの“汚い盗人”であるビルボを追って地上へ這い出てくる。しかしこのころ、復活した冥王サウロンがその勢力を拡大しつつあり、ゴラムは捕えられ、モルドールで苛烈な拷問を受けることに。そしてサウロン陣営は、ゴラムの口から「ホビット」「バギンズ」という2つの言葉を聞きだすことに成功する。

指輪に執着し、取り戻そうとするゴラム(『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』) [c]Everett Collection/AFLO
指輪に執着し、取り戻そうとするゴラム(『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』) [c]Everett Collection/AFLO

一方、一つの指輪によってその身を滅ぼしたゴンドールの王、イシルドゥアの血を引く一族の末裔であるアラゴルンは、まだ幼いころに族長の父アラソルン二世がオークとの戦いで命を落とし、母ギルラインと共に裂け谷のエルフ、エルロンド卿のもとに身を寄せていた。成長し自身の出自について聞かされたアラゴルンは、中つ国を旅して回り、各地で冥王サウロンの手先との戦いに身を投じていく。ときには素性を隠し、“ソロンギル”の名でローハンのセンゲル(セオデンの父)やゴンドールのエクセリオン二世に仕えたことも。

アラゴルンはかつて“ソロンギル”の名でローハンに仕えていた(『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』) [c]Everett Collection/AFLO
アラゴルンはかつて“ソロンギル”の名でローハンに仕えていた(『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』) [c]Everett Collection/AFLO

そして、ガンダルフと出会い親交を深めたアラゴルンは、一つの指輪の所在と懸念について聞かされる。密かに一族にホビット庄(ホビット族が住んでいる地域)を警護させ、自身はガンダルフと共にゴラム捜索の旅に出るが、旅は困難を極めたため、ガンダルフは一時的に中断してゴンドールの王都ミナス・ティリスでイシルドゥアにまつわる記録を調べることにし、アラゴルンは一人で捜索を続けていた。捜索開始から約8年後、モルドールから逃げだしたのか、もしくはあえて解き放たれたのか、死者の沼地にてゴラムを捕えることに成功する。アラゴルンはゴラムを闇の森のエルフ王、スランドゥイルに引き渡すと、自身はホビット庄の警護に戻っていく。

アラゴルンとガンダルフの出会いは描かれるのか?(『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』) [c]Everett Collection/AFLO
アラゴルンとガンダルフの出会いは描かれるのか?(『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』) [c]Everett Collection/AFLO

その後、闇の森でガンダルフはゴラムへの尋問を行い、いかにして一つの指輪を手にしたのかを聞きだそうとする。しかし、エルフたちがゴラムを日課になっていた木登りへ連れだした際に、オークの集団による急襲を受け、その混乱に乗じてゴラムは逃げだしてしまう。ゴラムは再び、霧ふり山脈の地下へ戻って身を潜めることになるが、“旅の仲間”と共に廃墟となったモリアの地下宮殿にやって来たフロドを見つけると、今度は彼の跡をつけ回り、モルドールへの道案内を務めることになるのだ。

リー・ペイス演じるスランドゥイル(『ホビット 決戦のゆくえ』) [c]Everett Collection/AFLO
リー・ペイス演じるスランドゥイル(『ホビット 決戦のゆくえ』) [c]Everett Collection/AFLO

アラゴルン役はジェイミー・ドーナンへバトンタッチ

こうした物語の背景から考察すると、『The Lord of the Rings: The Hunt for Gollum(原題)』ではアラゴルンとガンダルフの出会い、そして中つ国を舞台にした壮大なアドベンチャーが描かれることが想像できる。アラゴルンを中心に物語は進み、深い森や山々、不快な湿地帯でのサバイバルが繰り広げられ、ときにオークやトロル、さらに危険な怪物との戦闘も活写されるかもしれない。

フロドたちに出会う以前のアラゴルンとは?(『ロード・オブ・ザ・リング』) [c]Everett Collection/AFLO
フロドたちに出会う以前のアラゴルンとは?(『ロード・オブ・ザ・リング』) [c]Everett Collection/AFLO

すでに一部のキャスト情報は解禁されており、監督兼ゴラム役のサーキスのほか、ガンダルフ役のイアン・マッケラン、フロド役のイライジャ・ウッドのカムバックが発表され、「ホビット」映画三部作で闇の森のエルフ王、スランドゥイルを演じたリー・ペイスも続投する。それだけでなく、ケイト・ウィンスレットがMarigold(マリゴル)、『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』(25)のレオ・ウッドールがHalvard(ハルバラド)という新たなキャラクターに命を吹き込むという。

命の尊さとそれぞれの役割について説くガンダルフ(『ロード・オブ・ザ・リング』) [c]Everett Collection/AFLO
命の尊さとそれぞれの役割について説くガンダルフ(『ロード・オブ・ザ・リング』) [c]Everett Collection/AFLO

最も大きなサプライズとなったのは、アラゴルン役が三部作のヴィゴ・モーテンセンから「フィフティ・シェイズ」シリーズや『ベルファスト』(21)のジェイミー・ドーナンへバトンタッチされるということ。役への復帰がファンに熱望されていたモーテンセンと直接話し合ったとされるプロデューサーのボウエンも、「ヴィゴが決めること」と可能性を示唆していたのだが、正式に出演しないことが決定したようだ。

【写真を見る】新たにトリロジーに加わる『The Lord of the Rings: The Hunt for Gollum(原題)』のキャストたち [c]Everett Collection/AFLO
【写真を見る】新たにトリロジーに加わる『The Lord of the Rings: The Hunt for Gollum(原題)』のキャストたち [c]Everett Collection/AFLO

最新作における新キャラクターの役どころを考察!

ガンダルフはゴラム捜索の旗振り役であり、フロドはその顛末を聞くポジションでの登場になるかもしれない。スランドゥイルの再登場はうれしいポイントで、ゴラムを逃がして慌てふためく姿が見られるのだろうか?ちなみに、『ホビット 決戦のゆくえ』(14)の終盤でスランドゥイルは、息子レゴラスにアラゴルンに会いに行くよう勧めていたため、オーランド・ブルームによるレゴラス再演の可能性も残されている。

オーランド・ブルームによるレゴラス再演はある?(『ロード・オブ・ザ・リング』) [c]Everett Collection/AFLO
オーランド・ブルームによるレゴラス再演はある?(『ロード・オブ・ザ・リング』) [c]Everett Collection/AFLO

気になるのは新キャラクターの2人。マリゴルは名前の響きがスメアゴルやデアゴルと似ていることから、彼らと関係ある人物という見方ができる。原作で言及されている人物で一人可能性があるのがスメアゴル(ゴラム)の祖母だ。ガンダルフの回想によると、尋問されたゴラムは当初、指輪は祖母から贈られたものだと言い張っていたという。指輪についての証言は信じなかったものの、ゴラムの祖母が偉い人物だったことは疑わないとガンダルフは語っている。演じるのがウィンスレットという点でも、スメアゴルに影響を与える役どころというのはあり得ない話ではないだろう。

もう一人のハルバラドは、北方の野伏のメンバーであり、アラゴルンの旅に同行すると説明されている。野伏とは北方王国が滅亡したのち、放浪の民へと身を落としたドゥネダインで、ドゥネダインは海底に沈んだ島国ヌメノールから中つ国へ渡って来た人間を祖に持つ者たち。代々イシルドゥアの世継を族長としており、つまり「ロード・オブ・ザ・リング」での族長はアラゴルンとなる。

人間を率いるリーダーとして覚醒していくアラゴルン(『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』) [c]Everett Collection/AFLO
人間を率いるリーダーとして覚醒していくアラゴルン(『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』) [c]Everett Collection/AFLO

また、映画シリーズでの言及はなかったが、ハルバラドという名前は小説に登場する。彼は30人の野伏を率い、アラゴルンのもとに駆けつけ、ともに死者の道に同行するが、この先に自身の死があると予見した通り、ペレンノール野の合戦において討ち死にする。

アラゴルンのゴラム捜索は孤独な旅だと思われていたが、最新作ではハルバラドを伴う形になるのだろうか。ウッドール演じるハルバラドが小説と同一人物になるのか、もしくはモデルにした人物になるのかはわからないが、「ロード・オブ・ザ・リング」&「ホビット」映画三部作でみられたフロドとサムのような強い絆で結ばれた関係が描かれるのなら、それは物語をよりエモーショナルにしてくれるはず。ドーナンとウッドールによるかけ合いに大いに期待したい!

野伏の族長としてのアラゴルンも描かれるのか?(『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』) [c]Everett Collection/AFLO
野伏の族長としてのアラゴルンも描かれるのか?(『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』) [c]Everett Collection/AFLO

道は続くよ、どこまでも

最新作『The Lord of the Rings: The Hunt for Gollum』の全米公開まであと1年半ほど。新たに『The Lord of the Rings: Shadow of the Past(仮題)』の企画も発表されており、こちらではフロドが灰色港から中つ国を旅立った数年後、サム、メリー、ピピンが自分たちの旅を振り返る物語になると言われている。ファンの間では、映画では描かれなかった古森やトム・ボンバディルの家、塚山丘陵でのエピソードが映像化されるのでは?と憶測を呼んでいる。果たして、中つ国の世界と歴史はどこまで映像化されるのか?気長に待ち続けたい。

文/平尾嘉浩

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