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父親の闘病と向き合うも容態悪化!「お前だれ?」「お前のせい」せん妄と理解していても受け流せないキツイ言葉【作者に聞く】

  • 2026.5.14
一般病棟に移れた父だったが穏やかな日もあれば、せん妄の影響で取り乱している日も。 作=キクチ
一般病棟に移れた父だったが穏やかな日もあれば、せん妄の影響で取り乱している日も。 作=キクチ

母の介護と看取りを描いた「20代、親を看取る。」で大きな反響を呼んだキクチさん(kkc_ayn)。現在連載中のコミックエッセイ「父が全裸で倒れてた。」では、今度は父親の闘病と向き合う日々が描かれている。一般病棟へ移り安心したのも束の間、父親は再び容体が悪化。ICUへ戻ることになり、キクチさんはさらに過酷な現実と向き合うことになる。

気分の浮き沈みが厳しかった日々

「父が全裸で倒れてた。」カバー 作=キクチ
「父が全裸で倒れてた。」カバー 作=キクチ
第1話1-1 作=キクチ
第1話1-1 作=キクチ
第1話1-2 作=キクチ
第1話1-2 作=キクチ

一般病棟へ移ってからの父親は、気分の浮き沈みが激しかったという。「俺なんて生きてる価値ない」と弱気になる父に対し、キクチさんは励ますように声をかけていた。しかし父から返ってきたのは、「お母さんみたいになるな!!」という強い言葉だった。

キクチさんは「弱っているのにキツく言いすぎたかな」と自分を責めたという。しかし医師からは、「それはせん妄ですよ」と説明を受ける。それでも当時は、その言葉を素直に受け止めきれなかった。

拘束された父の姿にショックを受ける

その後、父親は再びICUへ。見舞いに訪れたキクチさんの前にいたのは、拘束具を付けられ暴れる父親だった。

病院側から事前説明は受けていたものの、「拘束されるほど暴れている父の姿」が何より衝撃だったという。ベッド柵によじ登ろうとし、大声を上げながら拘束具を引っ張る父。「そんな筋力どこにあったの!?というくらい全力だった」と振り返る。

「お前だれ?」その一言が突き刺さる

さらにキクチさんを苦しめたのが、せん妄状態の父から投げかけられた言葉だった。「死にかけたのはお前のせいだ」「お前だれ?」。頭では“せん妄による症状”と理解していても、心は簡単に整理できなかったという。

「せん妄だから気にしなくていい、と誰かに断言してほしかった」と語るキクチさん。しかし一方で、「意識が朦朧とした時に本音が出ることもあるのでは」と考え、父の本心なのではないかと深く傷ついてしまった。

受け流せないからこその苦しみ

「温厚で娘思いの父が、そんなことを思うはずない」と理解していても、一度発された言葉は胸に残る。キクチさんは、「そのまま受け止めずに流す技術が、この頃の自分にはまだなかった」と振り返る。

介護や看病は、身体的な大変さだけでは終わらない。大切な人が“別人のようになる瞬間”と向き合う精神的な苦しさが、静かに伝わってくるエピソードとなっている。

取材協力:キクチ(@kkc_ayn)

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