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菅沼菜々のアイアンショットは“アプローチの延長” パーオン率1位を支える練習法とは

  • 2026.5.13
菅沼菜々(C)Getty Images
SPREAD : 菅沼菜々(C)Getty Images

4月30日から開催されたドコモビジネスレディスで通算4勝目をあげた菅沼菜々は今季、安定した成績を残しそうである。
目に留まるのがショットのスタッツ。昨季のドライビングディスタンスは34位だったが、今季現時点(5月11日時点)は14位。76位だったトータルドライビングは22位。そして、57位だったパーオン率は1位。2勝した2023年シーズンでもパーオン率は30位で、ショット精度が大きく向上したと言える。
今季の国内ツアーはまだ9戦を終えただけなので、今後、順位は変動することが予想されるが、菅沼自身、ショットの調子の良さを感じながら戦っているのではないだろうか。

■パーオン率安定

菅沼菜々のショットスタッツ(2026年5月11日時点) ※作成:SPREAD編集部

7日から開催された今季国内メジャー第1戦、ワールドレディスチャンピオンシップは予選落ちに終わったが、36ホール中21ホールでパーオンした。全選手が苦しんだ難しいコースセッティングでは上出来で、予選2日間のパーオン率は上位である。
初日が32パットで2日目が33パット。パットのタッチが合わずに悔しい結果となったが、データ上、ショットが低調だったわけではなさそう。悲観しなくて良いだろう。

■菅沼菜々のスイング

菅沼のスイングの特徴は、スイング軌道。アップライトにスイングしており、トップ・オブ・スイングでは手の位置が高い。基本的に、手の位置が高いほど、インパクト時の力は大きくしやすい。
しかし、高い手の位置は、ダウンスイングからアウトサイドイン、つまりカット軌道になりやすいというデメリットも併せ持っている。
菅沼はそうならないようにクラブをストンと落下させ、基準となる軌道にクラブを乗せて、インサイドから球を捕まえているわけだが、どのようにしてアップライトスイングのデメリットを消して、メリットを活かせるようになったのだろうか。

■アプローチショットの練習法

その理由のひとつは、アプローチショットの練習があげられるかもしれない。アプローチ練習は、スイング作りにもなり得る。
4月10日から開催された、富士フィルム・スタジオアリス女子オープンのアプローチ練習場では、菅沼に帯同している父・真一さんが菅沼から数ヤード離れた地点にしゃがみ、両手の平でボールを受けるような体勢を取り、その手の平に向かって菅沼がショット。ボールを1バウンドでキャッチさせていた。
打つ距離を変えながらこの練習を反復することは、アプローチショットの距離感の確認になるだけでなく、フルショットの切り返しで、打ち急がずにクラブの重みを活かす練習にもなる。
人に向かって打つわけで、力んでしまうとボールをキャッチする側にボールが当たってしまう。“力めない”環境に身を置くことで、一定のリズムとテンポを体に叩き込むことができるのだ。
直接キャッチではなく、1バウンドでキャッチというのも、力まない切り返しを定着させるためのポイントと言えるだろう。

■年間女王争いへ

菅沼は、ポイントランキングで9位につけている。今季序盤のショットの安定感が続けば、年間女王争いに加われそうだ。
ただ、菅沼はハンデを背負っている。病を抱えており、飛行機での移動が難しいため、沖縄や北海道などで開催される大会に出場できない。今季これまでも国内ツアーは初戦と第2戦が沖縄と台湾だったため出場しておらず、9試合に出場している選手が多いが、菅沼の出場は7試合にとどまっている。
国内ツアーは7月から8月にかけて、北海道での大会が3試合控えている。これらは欠場になると思われる。
出場試合数が他の選手よりも少なくなるということは、その分、ポイントを加算するチャンスが減るということ。
年間女王争いとなると、この影響は小さくないが、欠場する週は大切な休息としてプラスにとらえ、出場できる試合を万全の状態で臨みたい。
15日からSky RKBレディスクラシックが開催される。昨年大会は50位に終わったが、2日目のパーオン率は2位タイだった。コースのイメージは悪くないのではないだろうか。昨季よりも進化したショットで、先週予選落ちの悔しさを晴らせるか注目だ。

著者プロフィール

野洲明●ゴルフ活動家

各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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