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12歳の新人&二階堂ふみW主演、西川美和監督オリジナル最新作『わたしの知らない子どもたち』10月公開決定!

  • 2026.5.12

新進気鋭の新人、小八重葵美×二階堂ふみW主演による西川美和監督作『わたしの知らない子どもたち』が10月16日(金)に公開決定。あわせてティザービジュアルと特報も解禁となった。

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本作は『すばらしき世界』(21)、『永い言い訳』(16)の西川監督が原案、脚本、監督を務めるオリジナル最新作。西川監督が『すばらしき世界』の制作過程で出会った、戦後の日本に実在した“知られなかった子どもたち”の存在。前作の原案となった「身分帳」に登場する主人公は、母に捨てられ、戦後の混乱のなかで孤児として街を彷徨い、進駐軍の靴磨きや新聞売りで糊口をしのぎながら、やがて裏社会に取り込まれていく一人の男の人生が描かれていた。広島県広島市に生まれた西川監督にとって、「戦争」や「平和」は幼少期からの教育を通じてあまりに身近で、キャリアの初期にも、その重々しいテーマから逃れていたい気持ちもあったと振り返っていた。しかし、前作で出会ってしまった戦後に生きていた子どもたちの過酷な現実は、監督の心を激しく揺さぶった。「子どもたちを取り巻いた戦後の裏社会の物語をいつかもう一度作り直したい」。その抗いようのない衝動に駆られ、本作の企画は動きだした。

これまで、『ゆれる』(06)、『ディア・ドクター』(09)、そして『すばらしき世界』など、華々しいキャリアのなかで、西川監督作品では一貫して人間の業や複雑な心理を世界に問い続けてきた。これら数々の名作において多面的な魅力を放つ“男性主人公”を描いてきたが、本作では、小八重と二階堂を主演に迎え、“女性主人公”の視点から物語を紡ぎだす。

主人公、琴子は、音楽家の父のもとで、普通の暮らしをしていた少女。しかし戦争と敗戦によってすべてを失い、「生きるために、自分自身を手放す」という選択を迫られる。そして、教師の曽根は、かつて軍国主義教育に加担していた側だったが、敗戦とともに、信じていたものも立場もすべてを失っていく。生徒を棄て、自らの生き方さえも手放し、抗うことのできない現実のあいだで揺れながら、加害でも被害でも割り切れない、その両方を抱えたまま、生きるしかない過酷な運命を辿っていく。

琴子役に抜擢されたのは、約500人のオーディションのなかから選ばれた、当時11歳、小学校5年生の小八重。教師の曽根役は、2025年開催の第78回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に正式出品された『遠い山なみの光』(25)が国際的評価を確立している二階堂が務める。ほかに日本映画界を牽引してきた竹野内豊、音楽、映像の両分野で活躍する櫻井海音、国内映画祭での評価も高い花瀬琴音が脇を固める。

また、『国宝』(25)において数々の音楽賞を受賞した原摩利彦が音楽を手がけ、1945年の街並みを再現するために映画『ゴジラ-1.0』(23)で第96回アカデミー賞視覚効果賞を受賞した白組チームがVFXを担当。撮影は、『許されざる者』(13)で日本アカデミー賞最優秀撮影賞を受賞した笠松則通、衣裳デザインには、『キル・ビル』(03)に参加し、国内外での作品経験を持つ小川久美子、ヘアメイクデザインではカンヌ国際映画祭でも評価を得た『万引き家族』(18)、『ある男』(22)、『蜜蜂と遠雷』(19)など人物造形を手がけてきた酒井夢月、録音は『国宝』で日本アカデミー賞最優秀録音賞を受賞した白取貢が務める。

加えて、ティザービジュアルはアジアを中心に注目を集める写真家、レスリー・チャンが撮影。ウォン・カーウァイ作品に影響を受けた色彩感覚を持つチャンが、本作で初めて映画ポスターの写真を担当。「少女」を棄て少年として生きると決意した琴子の意志と、生徒を棄てなにかを失ってしまった曽根の空虚な姿を繊細に写しだしている。

特報では、戦後の混乱のなか、少年として生きることを選んだ琴子と、かつて棄てた生徒を探し続ける女性教師、曽根の姿が交錯する。VFXでリアルに表現される1945年の焼け跡の街。行き交う人々。言葉にならないまま積み重なる時間。「12歳の彼女は、『少女』を棄てた」この1行で表現されるのは、「もし自分がその時代に生きていたらなにを選んだのか」という問いを、いまを生きる私たちに静かに投げかける。

さらに、キャストや監督からコメントも到着。小八重は「『自分に主演が務まるのかな』と不安になることもありました。作品の中心として、たくさんの人に影響を与える立場だと実感したからです。だからこそ、一つ一つのお芝居にしっかり向き合い、よりよい作品にしたいと思いました」と語り、二階堂は「完成した脚本を読んだとき、戦後という価値観が一変した時代を“子どもの視点”から描く、その新しい語り口に強く心を動かされました。子どもたちが戦後にあったさまざまな過酷な現実を頭で理解するのではなく、そのまま受け止めながら生きていく姿が描かれていて、胸が締めつけられる思いがしました」と吐露。

西川監督は「どうせやるならなるべく新しいトーンで、かならずいまを生きる人に届く語り口にしよう、これから大人になる人たちにも観てもらえるものにしようと、ものを調べ、長い時間をかけて脚本を書いてきました」、「自分の作品だということを時々忘れてしまうほど、きらめきに満ちた作品になっています。みなさん、10月の公開をぜひお待ちください」と自信を覗かせている。

日本映画界の第一線で活躍するキャストやクリエイターたちによる、これまで語られてこなかった戦後の物語に期待が高まる。

<スタッフ・キャストコメント>

小八重葵美(茅野琴子役)

「この映画の主演が決まったと聞いたときは、とても驚きました。すぐには信じられなくて『夢なんじゃないか』と思いました。でも、時間がたつにつれ、『自分に主演が務まるのかな』と不安になることもありました。作品の中心として、たくさんの人に影響を与える立場だと実感したからです。だからこそ、一つ一つのお芝居にしっかり向き合い、よりよい作品にしたいと思いました。この作品に関われることに感謝しながら、精一杯頑張ろうと強く思いました!西川美和監督と一緒に映画制作に取り組むなかで、楽しい気持ちや新しいことに挑戦できる嬉しさをたくさん感じました。スタッフさんや共演者さん、家族にたくさん支えてもらい、相談に乗ってもらえたおかげで心が軽くなって、お芝居や人と接することがどんどん楽しくなりました。この作品は戦争や戦後がテーマで、関わるなかで当時の人々の苦しみや悲しみについて深く考えるようになりました。資料館や原爆ドームを見学した時、平和が当たり前ではないということを実感しました。いまも世界のどこかで戦争が起きていて、戦争を軽い気持ちで見てはいけないと思いました。私は、戦争を経験していないからこそ、『もし家族がこうなったらどう思うんだろう』と色々なことを深く考えて、琴子という役を大切に演じました。この経験を通して、これからも歴史を学び続け、自分にできることを考えていきたいです」

二階堂ふみ(曽根文美子役)

「西川監督とは、脚本執筆中にお話を伺ったことが最初の出会いで、完成した脚本を読んだとき、戦後という価値観が一変した時代を“子どもの視点”から描く、その新しい語り口に強く心を動かされました。子どもたちが戦後にあったさまざまな過酷な現実を頭で理解するのではなく、そのまま受け止めながら生きていく姿が描かれていて、胸が締めつけられる思いがしました。撮影現場では西川監督と丁寧に対話を重ねながら、登場人物が抱える矛盾や葛藤、そして“被害者でもあり加害者でもある”という人間の複雑さに向き合い続けました。琴子を演じた小八重さんは、初めて会ったときからまっすぐな眼差しが印象的で、その純粋さに何度もハッとさせられました。撮影を重ねるごとに表情や佇まいが変化していく姿から、役と真摯に向き合い、その時代を生きていることが強く伝わってきて、心を大きく揺さぶられました。本作は、戦争を過去の出来事としてではなく、いま私たちが向き合うべき問題として感じさせてくれる作品です。子どもにも大人にも、それぞれの立場でこの物語を受け止めていただけたらうれしいです」

竹野内豊(琴子の父、茅野孝一役)

「西川監督の演出はとても細やかで、時間をかけて丁寧に作品づくりに向き合われている印象を受けました。もっと長く撮影していたいと思うほどすばらしい現場でしたので、わずかな撮影時間でしたが、心地よい空気に支えられながらシーンに向き合うことができました。脚本は読み進めるほどに胸が締めつけられるような思いになりました。幼い⼦どもたちが、限られた選択肢のなかで必死に⽣き抜こうとする姿に、言いようのないせつなさが押し寄せ、また⼤⼈たちも⾃分のことで精⼀杯の人もいれば、救いの手を差し伸べる人もいて、誰もが明日生きていられるかわからない日々のなか、どの道を選ぶことが正解なのかは、どんなに考えても答えがみつかりません。西川監督が長い時間をかけて紡いだ物語は、限りなくノンフィクションに近い映像として、多くの人々の心に深く刺さる映画になるのではないかと思います。琴⼦を演じた⼩⼋重さんは、難しい役に真摯に向き合いながらも少しずつ変化していく姿がとても印象的で、これからの成⻑を楽しみに感じております。本作は、戦時下の側面において当時の民間人がどのような思いで懸命に生きていたのか、教科書では知ることのできない現実をリアルに伝えてくれるものだと思います。これからはいままで以上に一人一人の意識や力が未来へと影響する時代が来ると思いますので、一人でも多くの人々にご覧いただけたら幸いです」

櫻井海音(琴子の兄、茅野律朗役)

「台本を読ませていただいた際に、いまこの時代だからこそ意義のある作品だと強く感じました。そんな作品に参加させていただいたこと、強く幸せを感じています。争いの絶えない世の中で自分自身が出来ることはなんなのか、きっと答えは無いし、半径数メートルの世界でしか自分はまだ生きられていないです。ただこの作品を通して、少しでもそういった社会を考えたり、気にしたり、日常に溢れるニュースが人ごとではないと感じるようになりました。そんなことが観てくださった方々にも伝わればいいなと思っています。今回初めて西川美和監督とご一緒させていただきましたが、西川監督の持つ作品への愛情と熱量を常に感じていました。バイオリンの練習に来てくださり、現場でも丁寧にシーンを説明していただき、役者として非常に大きな経験になりました。是非多くの方に観ていただきたいです」

原摩利彦(音楽)

「『わたしの知らない子どもたち』の音楽を書き始めて、2年以上が経ちます。これほど長くひとつの映画音楽を書き続けたことはありません。西川美和監督より映画の構想を伺ってすぐに、あるモチーフを思いつきました。まだ脚本も届いていない頃に書いたそのモチーフが、この映画のメインテーマになりました。監督の強い思いに心を動かされたのだと思います。その後、主人公、琴子の心の奥底にあるものはどういうものだろうかと考えながら、作曲を進めていきましたが、非常に難しく、険しく長い道のりでした。最終的には、琴子のあの目に導かれて、いままで書いたことのない音楽ができたと思っています。この映画で描かれている子どもたちと同じような経験をする子どもたちがこの先いないように。いまそういう状況にいる世界中の子どもたちが守られ、やりたいことに挑戦できる自由が与えられますように。この映画が多くの人たちのもとへ届くことを願っています」

西川美和(原案、脚本、監督)

「2020年のコロナ禍から企画し始めましたが、その頃は、これほど戦争が近い時代になるとは予想していませんでした。この映画で描かれる物語は、日本の観客にとってすでに遠すぎる世界ではないかとも思っていたのに、いつの間にかこわいほど身近な物語になってしまったのは、複雑な気分です。日本の戦後と、そこに生きた子ども。それを実写映画で描くのは、とても重たいことです。戦争の惨禍を知らない私がそんな題材をあつかうことに絶えずためらいもありました。いっぽうで、どうせやるならなるべく新しいトーンで、かならずいまを生きる人に届く語り口にしよう、これから大人になる人たちにも観てもらえるものにしようと、ものを調べ、長い時間をかけて脚本を書いてきました。なんとも大掛かりなこの映画にK2ピクチャーズがお金を出すと言ったときは、私の方がびっくりしましたが、その後、すばらしい目の輝きを放つ小八重葵美ちゃんと出会え、『この映画を必ずたくさんの人に観てもらいましょう』と言ってくれた二階堂ふみさんと出会え、そして私が心から尊敬するスタッフが集まって、渾身の力をふりしぼってくれました。竹野内豊さんは静かな愛情で葵美ちゃんを応援してくれ、音楽的な才能にあふれた櫻井海音さんも長い準備を経て最良の結果を画に焼きつけてくれました。極めつけは原摩利彦さんが——あの『国宝』を経て抜け殻かと思いきや、今作でも新たな試みとともに心を鷲掴みにされるような音楽を作ってくれて、信じられないことに、あとちょっとで本当に完成しそうです。自分の作品だということを時々忘れてしまうほど、きらめきに満ちた作品になっています。みなさん、10月の公開をぜひお待ちください」

小出大樹(プロデューサー)

「西川監督から、この映画を提案いただいたとき、正直、ビビりました。戦後を舞台にした今作においては、巨大生物は上陸しませんし、タイムスリップを伴う恋愛もありません。子どもたちを中心とした市井のひとびとが丁寧に描かれていますが、漫画の原作をもたないオリジナルストーリーです。どんな作品になるのか、話を聞いただけでは即座には想像しきれませんでしたし、作り切るのが本当に大変だろうと感じました。しかしながら、脚本を読ませていただくと、再び、ビビることになりました。西川監督が書かれた物語に惹き込まれたからです。そもそも、西川美和監督の作品が、僕は好きです。これまでの多くの作品で男性のキャラクターを主役に据え、ときに情けなく不器用で、同時に愛おしい姿を描いてきた西川監督が、今作では女の子をメインキャラクターにすえ、彼女が男の子だと偽り戦後の日本を生きていく、そして、彼女は少女から少しづつ女性になっていく姿が、大人たちとの出会いのなかで描かれていました。西川監督の描きたい物語を映画という形にして、多くのひとに届けたいと思いました。西川組をこれまで支えてきたスタッフやキャストの方々をはじめ、主演の小八重葵美さんと、二階堂ふみさんといった素敵な俳優の方々との出会い、巨大生物の映画を制作されてきた白組さんを筆頭とするVFXチームとの出会い、原摩利彦さんやイタリアの音楽チームとの出会い、という、今作で描かれる物語さながらの、多くの方々との運命的な出会いに恵まれて、今作は制作されており、完成までもう少しです。劇場に足を運んでいただき、この作品を楽しんでいただければと思います」

文/入江奈々

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