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「機動警察パトレイバー EZY」の制作陣が、メカニカル表現の裏側を語る!“零式”に込められた熱い想いとこだわりが明らかに

  • 2026.5.4

押井守をはじめとした伝説のクリエイター集団ヘッドギアが生みだし、1988年発売のOVAを皮切りにテレビアニメや劇場版アニメ実写作品など幅広く展開してきた「機動警察パトレイバー」シリーズ。その最新作となる「機動警察パトレイバー EZY」がついに本格始動。それにあわせ、このたびメカニカルデザインを担当した海老川兼武とCG監督の森泉仁智のオフィシャルインタビューが解禁された。

【写真を見る】「パトレイバー」シリーズ10年ぶりの完全新作がついにやってくる!クリエイターが語る新作の見どころは?

【写真を見る】「パトレイバー」シリーズ10年ぶりの完全新作がついにやってくる!クリエイターが語る新作の見どころは? [c] HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会
【写真を見る】「パトレイバー」シリーズ10年ぶりの完全新作がついにやってくる!クリエイターが語る新作の見どころは? [c] HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会

本作の舞台は労働人口減少の一途をたどる2030年代の日本。AI技術による自動化が進み、かつて最先端技術だった“レイバー”は社会基盤を支える一部として定着。人が登場するスタンドアローン型の“レイバー”は自立型ロボットへの代替が進み、もはや時代遅れとなりつつあった。そんななかで、旧式98式AVイングラムをチューンナップした“AV-98Plus イングラム”と共に新たなテクノロジー犯罪に立ち向かう特車二課の姿が描かれていく。

このたび解禁されたオフィシャルインタビューのなかで海老川と森泉の2人は、新時代のパトレイバーにふさわしい表現を追求し細部までこだわり抜いて作り上げられたレイバーたちの制作秘話や、その奥に息づく“パトレイバーらしさ”など、本作のメカニカル表現の裏側を解説。また、海老川は「ファンの皆様にも、今回初めて触れる方にも楽しんでいただける楽しい作品になっている」、森泉は「個性豊かなキャラクターたちが繰り広げるドラマが魅力のひとつ」と、それぞれ本作の見どころも語っている。

『機動警察パトレイバー EZY File1』は5月15日(金)より公開 [c] HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会
『機動警察パトレイバー EZY File1』は5月15日(金)より公開 [c] HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会

完全新作となる「機動警察パトレイバー EZY」は全8話・全3章構成。第1話から第6話までは1話完結のオムニバス形式、第7話と第8話は連続したストーリーとなっており、「File1」は5月15日(金)より、「File2」は8月14日(金)より、「File3」は2027年3月よりそれぞれ劇場公開。是非ともこのオフィシャルインタビューで予習をして、新たなパトレイバーの活躍に備えよう!

<オフィシャルインタビュー>

●海老川兼武(メカニカルデザイン)

ーーメカのデザイン、CGについて注目のポイントや制作に関するエピソードがありましたら教えてください。

「やはり『零式』の登場はビックリしましたよね。今回自分が担当させていただいたのは、3Dモデルに起こすためのフォルムの調整とディテールアップの作業でした。出渕監督からは『イングラムの後継機とわかるスタイリングに調整してほしい』とのオーダーをいただきました。過去に商品化された立体物などは異形なバランスに寄ってる感じのものが多いのですが、EZY版の『零式』はその辺り少し抑えた感じになっております。子どものころから大好きだったあの『零式』を、オリジナルデザイナーでもある出渕監督監修の下でEZY版としてあれやこれと相談しながらブラッシュアップできる作業は、本当に幸せでした(笑)」

ーーデザイン、CG制作する上で苦労した点やこだわったポイントはありますか?

「CGは構造上の嘘がつけない側面があるため、人物との対比(主にコックピット関連)のスケール調整が最も苦心したポイントでした。また、モデリングの為に情報量を上げる作業もやはり大変でしたね。第3話にはコミック版にしか登場しない『EX-13』という機体の内部フレームが登場するのですが、こちらもまずは外装を含めて全体をデザインし、そこから内部構造を詰めていくという段取りを踏んでおります」

ーーご自身が特に気に入っている メカはありますか?そのポイントも併せてぜひ教えてください。

「私の担当ではないのですが、やはり『イングラムプラス』ですね。『イングラムプラス』が凄いのは、EZYのどの版権イラスト見ても、ひと目でちゃんと『EZYの新しいイングラム』ということがわかるんですよね。違和感なくイングラムと認識できるのに、ちゃんと新しいイングラムになってる。元のイングラムから意図的にラインを外した肩の形状が、すごくフックになってるのだと思います。自分が担当したなかだと…OPにチラッと登場したりもしてるのですが、そちらはまた別の機会に…」

ーーレイバーは汎用人間型作業機械=「働くロボット」という印象が強いですが、そのリアリティを出すために意識している点はありますか?

「例えば90年代の建設機械などもゴツゴツしたイメージが強かったですが、現代では流線型のきれいなラインが入っていたりもします。そういう30年の進化をレイバーにも重ねられたらいいなと、意識しました。 過去作は『10年後あるかもしれない未来』に存在するレイバーという立ち位置でしたが、今回はその『あるかもしれないレイバーがあった世界の30年後』という少し難しい立ち位置です。元の世界観を壊さぬよう、パトレイバーにほんの少しだけでも新しい『30年の進化』を残せたらいいなと思っています」

ーー最後に、EZYの魅力を改めて教えてください。

「久しぶりとなる新作『パトレイバー』です。長年応援してくださっているファンの皆様にも、今回初めて触れる方にも楽しんでいただける楽しい作品になっていると思います。新しい特車二課の面々が織りなすドラマと一緒に、3DCGでアップデートされたレイバーたちも本作の大きな見どころのひとつになってると思います。ぜひ劇場のスクリーンでその動く姿をチェックしてみてください!」

●森泉仁智(CG監督)

ーーメカのデザイン、CGについて注目のポイントや制作に関するエピソードがありましたら教えてください。

「イングラムの3Dモデル制作は出渕さんのOKがなかなか出ず、何度も修正を行いました。出渕さんの頭の中にイングラムの3Dがあって、それと3Dモデルデータとの印象が違うのだろうと考えるようになってから、出渕さんが描かれた設定の3面図を何度も見直し、自分の頭の中で3Dを再構築して改めて実際の3Dモデルデータ調整を行い最終のモデルデータが完成しました。イングラムは特にメカの内部構造の設定がしっかりと理屈が通った状態で描かれていたため、その構造を加味して3Dが可動するように作っています。ただ設定の理屈どおりに作ってもいいコマが作れない時もあるので、そこはなるべく作画にも見劣りしないようにCGで表現をしています」

ーーCG制作する上で苦労した点やこだわったポイントはありますか?

「作画のキャラクターと3Dのレイバーや車両が乖離しないように気を付けました。アニメーションの作業ではフルコマをメインにするのではなく、コマ抜きをメインとした作り方をしました。見た目も作画のキャラクターのセルとなじむように、セルに近い表現かつブラシ処理や特効などのニュアンスを入れて素材を作成しました。背景や人との対比(サイズ感)にはとても気を使っています。実際に存在した場合の大きさを想像、実感してもらえるようにしています」

ーーご自身が特に気に入っている メカはありますか?そのポイントも併せてぜひ教えてください。

「イングラム2号機、零式は思い入れもあり気に入っています。2号機は頭部の形状は出渕さんと何度もやり取りして作成しました。零式はモデルはもちろんですが、アニメーションでも旧作の印象を崩さず、零式らしさを補完したつもりです。改めて旧作を何度も観ながら作りました」

ーーレイバーは汎用人間型作業機械=「働くロボット」という印象が強いですが、そのリアリティを出すために意識している点はありますか?

「レイバーの内部構図の設定がないものは、近い実在する重機の構造を調べり、イングラムの内部構造を参考に可動の仕方を想像して、メカニカルな動きの印象になるようにアニメーションさせました。また、重さが出るように光源と影の出方も工夫しています。ちょうど会社の窓から工事現場が見えているので、動いている重機をみることができ、それらもいい参考になっています」

ーー最後に、EZYの魅力を改めて教えてください。

「特車二課らしい個性豊かなキャラクター達が繰り広げる人間ドラマが、『パトレイバー』、そして今回の『EZY』の魅力のひとつだと思います。当然イングラムも活躍します。そして10年後においては定かではないですが、実在する街が出てきたり、現在の延長を描いているので、『EZY』が想像したちょっと未来の10年後も観ていただく際の楽しみのひとつかと思います」

文/久保田 和馬

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