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マイケル・ジャクソンの伝記映画『Michael/マイケル』が北米No. 1発進!批評家と観客の評価は真っ二つに?

  • 2026.5.3

先週末(4月24日から4月26日まで)の北米興収ランキングは、前週まで3週連続でトップを守り続けてきた『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』(日本公開中)が2位へと後退。代わって首位に立ったのは、“キング・オブ・ポップ”と称されるマイケル・ジャクソンの伝記映画『Michael/マイケル』(6月12日日本公開)だ。

【写真を見る】2部作の計画も?撮影されたがカットされた“疑惑”の部分で賛否が分かれる結果に

【写真を見る】2部作の計画も?撮影されたがカットされた“疑惑”の部分で賛否が分かれる結果に [c]Everett Collection/AFLO
【写真を見る】2部作の計画も?撮影されたがカットされた“疑惑”の部分で賛否が分かれる結果に [c]Everett Collection/AFLO

3955館で封切られ、初日から3日間の興収は9720万ドル。これは2026年公開作としては『マリオ』に次いで2番目に高いビッグオープニングであり、歴代のオープニング興収ランキングでも91位。伝記映画としては『オッペンハイマー』(23)の同8245万ドルを上回る過去最高の出足であり、音楽映画として捉えても『テイラー・スウィフト THE ERAS TOUR』(23)の同9233万ドルを超えて新記録を樹立。

当然のように週明け月曜日の時点であっさりと累計興収1億ドルの大台を突破しており、早々に2026年公開作の北米累計興収トップ5入り。さらに海外興収と合わせた全世界興収も3億ドル到達が目前に迫っている。もっとも、製作費は1億5500万ドル(あるいは2億ドルを超えるともいわれている)なので損益分岐点(一般的に製作費の3倍とされている)にはまだ遠いのだが、興行的に大きな盛り上がりを見せていることはいうまでもないだろう。

初日から3日間で興収1億ドルに迫るビッグオープニング!観客からの評価の高さは興行に直結するといわれているが… [c]Everett Collection/AFLO
初日から3日間で興収1億ドルに迫るビッグオープニング!観客からの評価の高さは興行に直結するといわれているが… [c]Everett Collection/AFLO

一方で話題を集めているのが、批評集積サイト「ロッテン・トマト」でみられる批評家からの好意的評価の割合と、観客からの好意的評価の割合の乖離だ。前者は37%と酷評が先行しているのに対し、後者は97%と絶賛一色。このような乖離がみられるのは決して珍しいことではないが、多くの場合はジャンル性の強い娯楽映画かプロパガンダ映画などで起こりうる現象だ。

本作の場合は、マイケルの生前にあった児童に対する性的虐待疑惑が描かれず、“聖人化”させていることへの批判が目立っている。とはいえその内情としては、告発者と交わされている契約上“描いてはいけない”からであり、現にその件に触れる場面が一度撮影されていたが削除を余儀なくされ、再撮影が行われている(製作費が高いのもこれが原因)。アントワン・フークア監督は当初、この疑惑を正面から描こうとしていたが、それが叶わなかったということである。

映画ではマイケルの少年時代から1988年までが描かれている [c]Everett Collection/AFLO
映画ではマイケルの少年時代から1988年までが描かれている [c]Everett Collection/AFLO

こうした背景を加味すれば、批評家と大多数の観客の評価が乖離する結果になるのも頷ける。ちなみに公開直前にライオンズゲートのアダム・フォゲルソンは「観客が続編を望んでいるのであれば、できるだけ早くお届けするつもり」と意欲をのぞかせている。もし続編でなんらかのかたちで疑惑の部分に踏み込むことができ、フークア監督の本来の意図が反映されるのであれば、そこで初めてマイケル・ジャクソンの真の伝記映画と呼べるものになるだろう。現時点の興行面の好調ぶりを見る限り、スタジオの出方に注目しておく必要がありそうだ。

文/久保田 和馬

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