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推しに全財産つぎこんできた男がメンズエステへ…理由はまさかの“復讐”!?30歳童貞が抱えた復讐心と初恋の傷【作者に聞く】

  • 2026.5.2
「みゆたんさえいればいい」と、加恋に「推し」への熱い想いを語る澄雄。じゃあなぜメンズエステに来たのだろう?
「みゆたんさえいればいい」と、加恋に「推し」への熱い想いを語る澄雄。じゃあなぜメンズエステに来たのだろう?

メンズエステを舞台に、客の心の奥底に触れていく人気漫画「メンエス嬢加恋・職業は恋愛です」。施術を通して“訳アリ”な客と向き合うセラピスト・加恋の姿を描く本作は、人間の弱さや孤独に切り込む作品である。今回登場するのは、30歳にして童貞を自称する桜之坊澄雄。彼が店を訪れた理由には、意外な感情が隠されていた。作品を手がける蒼乃シュウ(@pinokodoaonoshu)さんに話を聞いた。

推しにすべてを捧げる男を描いた理由

「モテなさそうな、いかにもオタクっぽい男がメンズエステの客として現れたらおもしろそうだなあと思って、描きました」と蒼乃シュウさんは語る。澄雄は「彼女くらいいる」と言い張りながら、アイドル“みゆたん”の画像を見せ、「すべてを捧げる」と公言する人物である。その言葉どおり、時間もお金も惜しまず注ぎ込んでいる様子が描かれる。

蒼乃シュウさん自身も過去に“推し”を持っていた経験があり、「推し活は本人が夢中になっていて、生き甲斐になるのならばいいことだと思います」と肯定的だ。「高校生のときに好きなアーティストのためにアルバイトをしていた。その人には生きる希望をもらったので、30年以上たった今でもファンクラブに入会しています」と振り返る。

復讐という名の歪んだ感情を加恋はどう受け止める?

「みゆたんさえいればいい」と語る澄雄に対し、加恋は「じゃあなぜここに来たの?理由があるんじゃない?」と問いかける。すると澄雄は、SNSで知った“彼氏の存在”にショックを受け、「浮気してやろうと思ってここに来た。みゆたん以外の女に金を使うことがみゆたんへの復讐なんだ」と打ち明ける。

その幼さすら感じる言い分について、作者は「年齢のわりにかなり幼いですよね。私だったら引きますが…(笑)」としつつも、「そんな彼を否定せず優しく包み込む加恋の接客は自然と生まれました」と語る。キャラクターが自発的に動き出す瞬間こそ、創作の醍醐味だという。

恋をする気持ちは尊い、しかし一方的すぎると…?

施術の中で澄雄は初恋の記憶を思い出す。喫茶店で働く女性に心を寄せ、「彼女もボクのこと好きなんじゃないかな」と思い込んでいた過去だ。旅行土産やプレゼントを贈り続けたものの、やがて「困ります…もうやめてください」と拒まれてしまう。

このエピソードについて蒼乃シュウさんは、「モテないことがコンプレックスの男ですが、『誰かに恋をする気持ちは素晴らしい』ということを描きたかった」と語る。一方で、「相手の反応を見ずに一方的に行動してしまった結果」とも分析し、恋愛におけるコミュニケーションの重要性を示唆する。

恋愛は奉仕ではなく共有するもの

失敗を経て澄雄は、“課金すれば応えてくれる”アイドルへの推し活に没頭していく。しかし触れられない現実に「こんな温かい体温をボクは誰とも共有することはできないんだね」と嘆く。

そんな彼に加恋は、「好きな女の子に向ける気持ちを少しでも自分に向けてあげて」と語りかける。この言葉をきっかけに、澄雄は温泉や銭湯巡りを始め、自分自身を楽しませる方向へと変化していった。

「恋愛とは誰かに奉仕するものだと思い込んでいた彼が、一緒に楽しむものだと気づいてほしい」と語る蒼乃さん。「まずは自分が趣味を楽しむことで、自然と恋人ができるのではないか」と今後の成長に期待を寄せる。

加恋との出会いを通じて、自分の満たし方を知った澄雄。歪んだ“復讐”から始まった来店は、やがて人生を見直すきっかけへと変わっていく。次に店を訪れる“訳アリ客”がどんな物語を持っているのかにも注目したい。

取材協力:蒼乃シュウ(@pinokodoaonoshu)

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