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年1回・紙1枚に書くだけでいい…お金が貯まらない家庭の"ムダ遣い"を洗い出す「超シンプルやりくり表」の中身

  • 2026.4.30

お金を貯めるにはどうしたらいいのか。FPの橋本絵美さんは「貯まらない原因は意志の弱さではなく、しくみがないからだ。家計簿を毎日つける必要はない。年1回、紙1枚に書き出すだけで家計は驚くほど整う」という――。

厳しい生活費に落ち込む日本人女性
※写真はイメージです
家計簿をつけてもお金は貯まらない

「節約しているのに貯まらない」
「家計簿をつけてもお金が残らない」
「忙しくてお金の管理まで手が回らない」
「お金を使うと罪悪感がある……」

こうした悩みを抱える人は少なくありません。

なぜかお金が貯まらない、その原因はあなたの意志が弱いからではありません。私は6人の子どもを育てる中で、忙しくても無理なく続けられ、なおかつしっかりお金が貯まる方法を模索してきました。その中でたどり着いたのが、「紙1枚で家計を管理する」というシンプルな方法です。

「記録して終わり」では無意味

家計簿が続かないという人は多いのではないでしょうか。かく言う私もそのひとり。家計簿は、お金を使い終わったあとに記録していくものです。食費、日用品、交際費と分類し、レシートを見ながら記入していきます。

ただ、忙しい日常の中で、それを毎日続けるのは大きな負担です。さらに問題なのは、記録して終わりでは意味がないということ。どれだけ詳細に書いても、それが次の行動につながらなければ意味がありません。家計簿をつけるには、その目的を明確にしておくことが重要です。

例えば、支出を逐一書き込んでいく「レコーディングダイエット式」の家計簿で、明日はお金を使わないという意識を持ちたいだけなら、記録をつけるだけでもいいでしょう。

ですが、家計の無駄を発見して翌月に活かしていきたいのであれば、つけたあとの見直しが必要です。また、家計改善においては、現状把握という目的のために一定期間家計簿をつけていただいています。

家計は「紙1枚」に書き出すだけでいい

先ほど申し上げた通り、私自身は家計簿をつけ続けるということは苦手です。そんな私の家計管理の基本は、“使ったお金を記録する”のではなく、“使うお金をあらかじめ決める”ことです。月の手取り収入の中から、

・貯蓄
・固定費(住居費、保険、通信費など)
・変動費(食費、日用品など)
・特別費(教育費、帰省費、家電買い替えなど)

をあらかじめ割り振っておきます。つまり、使う前に予算を立てるということです。

予算立てをしておくことで、使っていいお金の上限が明確になります。すると、日々の支出に迷いがなくなり、使いすぎを防ぐことができるのです。これはいわば、企業の予算管理と同じ考え方です。企業は使った後に振り返る前に先に予算を決めています。家庭でも同じことをすればいいという考え方です。

ここでポイントになるのが、家計を全て「紙1枚」にまとめることです。月々の収入と臨時収入、月々の支出と年間を通して不定期にかかる、いわゆる臨時支出を全て1枚の紙に洗い出します。

そこで役立つのが、「紙1枚やりくり表」です。

【図表1】紙1枚やりくり表
紙1枚やりくり表
「紙1枚やりくり表」の使い方

紙1枚やりくり表では「月の収入」と「ボーナス・臨時収入」を書き出します。どの口座から何の費用が支払われているかを確認するために金額だけでなく給料が振り込まれる口座も記入しましょう。

次に「月の出費」と「年の出費」を書いていきます。毎月決まって出ていくものは「月の出費」に記入します。「年の出費」は毎月ではないけれど年間通して必要になるものです。多くの方が臨時出費と思っている出費ですが、実は洗い出すことで臨時ではなく計画的な出費にすることができます。

例えばイベント代。カレンダーを見ながら長期休暇や誕生日、父の日母の日や運動会といった学校行事などで出費を伴うものをあらかじめ洗い出し、予算立てしておくことで家計をしっかり管理することができるのです。

被服費であれば下着や靴下、季節ごとの洋服、上履き、靴など項目別に洗い出します。ひとつひとつは小さな金額でも合計すると万単位になることに驚くかもしれません。子どもの多い我が家はそんなに高額なものを買っているわけではありませんが、年間50万円くらいかかります。タオルやシーツ、キッチン用品などの住まいのものも「年の出費」の中で予算立てをします。

1枚だから「見える化」できる

このように紙1枚にまとめることで家計全体を一目で見わたすことができます。これが家計の「見える化」です。

収支を計算して足りないとなった場合には、予算の修正を行います。家計簿の場合は使い終わってから考えるのですが、この紙1枚やりくり表の場合は使う前に対策を打つことができます。

また、紙1枚に書き出すという作業を通して、思考を整理することができます。紙に書くことで、数字を“感覚”として捉えられるようになり、頭の中だけで考えるよりも、家計の状況を把握することができるのです。

そして、家計簿よりも続けやすいはずです。そもそも紙1枚やりくり表は毎日つけるというものではなく、最初に予算を立てるので、続けるという考え方自体不要になります。私はこの紙1枚やりくり表は家計の設計図だと思っています。家を建てる前に設計図を作るように、家計においても使う前に設計図をつくるべきではないでしょうか。

「価値ある支出」が見えてくる

多くの人が目指すのは「貯まる家計」でしょう。しかし実は、それだけでは不十分です。お金を貯めることを目的にしてしまうと、貯まれば貯まるほど逆にお金を使えなくなります。

教育費、自己投資、家族の思い出……。こうした「価値ある支出」を削ってしまうと、人生の満足度は下がってしまいます。

ビーチで楽しむ家族
※写真はイメージです

私が目指しているのは、「貯まる」だけでなく「使える」家計です。そのためには、使っていいお金を明確にすることが重要です。紙1枚の家計管理では、あらかじめ「ここは使う」と決めておくことができます。たとえば、

・子どもの教育費には毎月3万円使う
・家族旅行には半年で10万円使う
・自分の学びには毎年5万円使う

こうした方針を持つことで、お金が「使うために貯める」ものになり、家計の現状を把握することができます。結果として、お金に振り回されるのではなく、自分でお金をコントロールしている感覚が持てるようになるのです。

我が家は8人家族です。子どもたちの学費など支出も多く、ともすると管理が複雑になりがちです。しかしだからこそ、家計のしくみは極限までシンプルにしています。細かく管理しようとすればするほど、破綻します。重要なのは、貯まる“しくみ”です。「貯まる家計はしくみづくりが9割」だと思っています。

意志だけではお金は貯まらない

逆に、お金が貯まらない人は、「今月は頑張ろう」「無駄遣いをやめよう」といった“意志”に頼りがちです。しかし、意志の力はなかなか長続きしません。「意志の力」ではなく「しくみの力」を使えば努力しなくても自然と貯まります。

貯まるしくみの作り方はとても簡単。最も大切なことは先取り貯蓄をすることです。収入があったら、使う前に貯めるのが先取り貯蓄です。その際におさえておくべきポイントは「自動で」「先取り」「別の場所」の3つ。

まず、「今月は○○円貯める」と考えるのはやめましょう。そうではなく、自動的に貯まるサービスを活用するのです。また、余ったら貯めるのではなく、貯めるべき金額を先に確保するようにします。そして、生活費用を預けている銀行口座ではなく、別の口座で貯めるようにしましょう。

現代では先取り貯蓄を後押しするような貯蓄サービスが沢山あります。例えば、銀行口座の定額自動振り込みサービスを使えば、毎月定額を貯蓄用口座に自動的に振り込むことができます。また、証券口座では自動買い付けサービスがあり、毎月一定額の積み立て投資を行うことができます。

貯蓄型の生命保険も口座引き落としやクレジットカード払いで貯蓄ができ、強制力があって良いと思います。

「紙1枚」と「使い道の見える化」で家計は整う

我が家では定額自動振り込み、積み立て投資、貯蓄型生命保険を使って資産を築くことができました。淡々と貯め続けることが資産形成の近道だと思います。

そしてもう一つとても大事なことは、使えるしくみを作ること。いくら使っていいのかわからない、使うのに罪悪感があるようでは家計管理の意味がありません。日々の支出においては銀行口座やクレジットカード、QRコード決済を目的別に持つことで予算管理を自動的に楽に行うことができるようになります。

橋本絵美『子ども6人FPが教える お金が貯まる・使える 紙1枚かんたん家計管理』(日本実業出版社)
「紙1枚やりくり表」についてもっと詳しく知りたい方は、橋本絵美さんの書籍『子ども6人FPが教える お金が貯まる・使える 紙1枚かんたん家計管理』をご覧ください。

目的別に口座を管理する、固定費の支払いはクレジットカードを利用し、やりくり費は事前にチャージしておいたQRコード決済を使う。そのようにすれば、予算の進捗を確認しながら使うことができます。

家計管理は難しいものではありません。むしろ、本来はもっとシンプルであるべきだと思っています。

紙1枚でお金のやりくり全体を見える化し、先に使い道と金額を決めて貯めるしくみをつくる。そして使っていい金額を心置きなく使うしくみをつくる。この2つを実践するだけで、家計は驚くほど整います。そして何より大切なのは、お金をどう使いたいかを家族で話し合い、自分たちで決めることです。

貯めるためだけの家計ではなく、自分や家族の人生を豊かにするためにお金を使う家計をつくりましょう。その第一歩として、ぜひ紙一枚のやりくり表を取り入れてみてください。きっと、お金との付き合い方が大きく変わるはずです。

橋本 絵美(はしもと・えみ)
はしもとFPコンサルティングオフィス 代表
6人の子どもを持つママFP&お片づけプランナー。福岡県出身。小さな頃から「大家族のママになりたい!」という夢を持ち、慶應義塾大学商学部卒業後、学生時代から交際していた夫と結婚。現在、中学2年生から3歳まで2男4女の子育て中。

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