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小関裕太「想像以上にチャレンジ意欲が湧く作品」韓国発の大ヒットミュージカル『レッドブック』が日本初上陸

  • 2026.4.30

2018年に韓国で初演、大ヒットを記録しているミュージカルが、小林香さんの演出・上演台本・訳詞により『レッドブック~私は私を語るひと~』として日本で初上演される。

19世紀のロンドンを舞台に、小説を書くことで自分自身を表現するアンナが、社会の偏見と闘いながら「私」として生きる道を見つけ出す物語を描いた本作。

真面目一筋で“紳士”であることしか知らない新米弁護士ブラウンを演じる小関裕太さんが、本作の物語に触れて感じたことや役柄、さらに最近刺激を受けた舞台作品などについて語ってくれた。

小関裕太さんが韓国発の大ヒットミュージカルに挑戦 撮影=小嶋淑子
小関裕太さんが韓国発の大ヒットミュージカルに挑戦 撮影=小嶋淑子

自身の変化を楽しむブラウンという役柄「彼のチャーミングな部分をちゃんと表現できたらと思っています」

――2025年の秋に韓国でミュージカルの『レッドブック』をご覧になったそうですが、いかがでしたか?

【小関裕太】本作の台本を読んだときは、主人公のアンナが社会の偏見と闘う姿に“女性を応援する作品なんだ”と思ったのですが、韓国でミュージカルを観劇して、ほかにもたくさんのメッセージが込められていることに気づきました。

ステージ上の登場人物たちの言動から“自分らしさを見つけること”、“自分を受け入れること”、“疑問を持つこと”など、台本を読んだときよりももっと深くこの作品について考えさせられたというか。想像していた以上にチャレンジ意欲の湧く作品だなと改めて感じました。

――愛も恋も本で学んだだけの純粋で生真面目な新米弁護士・ブラウンをどういう人物だと捉え、どんな役作りをしようと考えていますか。

【小関裕太】ブラウンは、“紳士とはどうあるべきか”を幼いころから教えられてきた人なのですが、そのせいで空回りすることもあるんです。そんな中で、自分とは違う発想で生きているアンナと出会い、彼女の影響で価値観や見えている景色が変わっていくので、その変化を意識して役作りをしています。

普通であれば、自分が信じていたことが揺らぐ瞬間って、すごく落ち込んで絶望すると思うのですが、最終的にはチャーミングに乗り越えていく部分をちゃんと表現できたらなと。そのためには、“紳士であること”を自分に課している彼の内面をもっと知ることが必要なのかなと、そんな風に思っています。

撮影=小嶋淑子
撮影=小嶋淑子

――ブラウンのように、自分とは価値観の違う人との出会いによって変わったという経験はありますか?

【小関裕太】僕は早い段階で距離を詰めてくる人が苦手なのですが、“この人の距離感ちょっと苦手かも…”と思った相手でも、話してみると意外と気が合ったりして、仲良くなることが結構あって。なのでブラウンのように変化することも楽しめる性格なのかもしれません。

――初対面の人とコミュニケーションを取る際に心がけていることは何かありますか?

【小関裕太】心がけているわけではなく無意識なのですが、わりと誰とでもフラットに接しているのではないかなと思います。先ほどお話ししたように、初対面で“苦手だな”と思った相手でも、向き合ってみると気が合ったりするので、これからも人に対して偏見を持たない自分でいたいなと思っています。

【写真】ミュージカル『レッドブック~私は私を語るひと~』で新米弁護士を演じた小関裕太さん 撮影=小嶋淑子
【写真】ミュージカル『レッドブック~私は私を語るひと~』で新米弁護士を演じた小関裕太さん 撮影=小嶋淑子

社会の偏見と闘いながら“私”を書くことを諦めないアンナの姿に勇気をもらいました

――本作にはたくさんの歌唱シーンがありますが、楽曲に関してどのような印象を受けましたか。

【小関裕太】それぞれの楽曲の歌詞とメロディラインが美しくて、とても耳心地がいいなと感じました。あと、キャッチーなフレーズが多いのも楽しいですし、曲同士がリンクしている部分があるのもおもしろいなと。全体的なことでいうと、いろいろな料理がバランスよくお客様に提供されるような、そんな印象を本作の楽曲から受けました。サウンド面に関しては、バロック音楽的な要素も入っていたりしてすてきだなと思いました。

――これまで『ロミオ&ジュリエット』や『四月は君の嘘』などたくさんのミュージカル作品に出演されていますが、今回、歌唱に関して課題にしていることはありますか?

【小関裕太】僕はポップスやR&B、ブラックミュージック、ジャズを聴いて育ったので、クラシカルな音楽にはあまり触れてこなかったのですが、『ロミオ&ジュリエット』では初めてクラシックの歌い方に挑戦したんです。慣れない声の出し方だったのでかなり苦戦しましたが、クラシカルな音楽を舞台上で成立させるためには、歌い方を変えることが必須だったので猛練習して。

その結果、かなり鍛えられました。今回は『ロミオ&ジュリエット』のときとは違う曲調になるので、歌唱法に関して新しい可能性を見出すことができればと思っていますし、それが今の課題ですね。

撮影=小嶋淑子
撮影=小嶋淑子

――世間からどんなに非難されても、「私」を書くことを諦めないアンナの姿が印象的でした。女性のエンパワーメントを描いた作品でもありますが、小関さんはアンナの生き方に触れてどんなことを感じましたか?

【小関裕太】小さいころから自分を律することを意識して生きてきたのですが、律するためには自分自身としっかり向き合うことが必要だったりするんです。でもそれってすごく苦しいですし、難しいことでもあって。だけど、本作の台本を読んだときに、自分らしさを大事にしながら社会の偏見と闘うアンナを含め、この作品自体が「大丈夫だよ」と応援してくれているような感覚になったんです。アンナの生き方にすごく勇気をもらいました。

――小関さん流の“自分らしく生きるためのコツ”を教えていただけますか?

【小関裕太】コツではないのですが、自分らしさを知るためのツールといえば趣味のカメラかもしれません。最初にカメラにハマったのは高校生のころで、当時はこの先どうなっていくのかわからない不安を抱えていて、自信もなかったんです。だけどファインダー越しに広がる美しい景色を見て、心の中や頭の中を覗いているような感覚になって、不思議と心が穏やかになったというか。

色合いや明るさ、画角などを自分好みに設定しているので当たり前なのですが、“あぁ、これが自分なんだな”と実感して。それ以来、カメラは自分らしさを知るツールなんだという意識を持って写真を撮っています。

撮影=小嶋淑子
撮影=小嶋淑子
撮影=小嶋淑子
撮影=小嶋淑子

小関裕太が刺激を受けた舞台作品を語る

――韓国で『レッドブック』を観に行かれた際に、おいしい食事は召し上がりましたか?

【小関裕太】「ミシュランガイドソウル」に掲載されている、狎鴎亭(アックジョン)ロデオエリアにあるお店の韓国スープ餃子がめちゃくちゃおいしかったです。空腹の状態でお店を探し回ったので、注文の際にカルグクスだけでは足りないと思ってチヂミを頼んだのですが、想像以上にボリューミーでお腹がはち切れそうになりました(笑)。このときはあまり時間がなかったので、次回はもっといろいろなお店を訪れてみたいです。

――韓国では『レッドブック』以外の作品もご覧になったりしましたか?

【小関裕太】昨年は『レッドブック』だけだったのですが、以前『ウィキッド』を観劇しました。『レッドブック』に出演されていたオク・ジュヒョンさんが、『ウィキッド』で主人公のエルファバを演じてらっしゃったのですが、本当に素晴らしいお芝居をされていて感動しました。オク・ジュヒョンさんは心から尊敬する女優さんで、韓国に行くたびに彼女の出演作品を観劇しているのですが、いつも刺激をもらっています。

撮影=小嶋淑子
撮影=小嶋淑子

――ほかに刺激を受けた舞台作品があれば教えていただけますか?

【小関裕太】先日、ニューヨークを訪れた際にブロードウェイで『ハリーポッターと呪いの子』を観劇してたくさん刺激を受けました。僕はハリーポッターが大好きで、映画でドラコ・マルフォイを演じたトム・フェルトンさんが出演されるこの舞台がどうしても観たくて行ったのですが、本当に素晴らしかったです。

あとNetflixのドラマ『ストレンジャー・シングス』の舞台版『Stranger Things: The First Shadow』もブロードウェイで観劇したのですが、すごくおもしろかったです。

――『Stranger Things: The First Shadow』は1959年のホーキンスが舞台で、ドラマの登場人物の若き日の物語が描かれているそうですね。

【小関裕太】ドラマ版では子どもたちの保護者であるホッパーやジョイス、そしてヴィランとして登場したヴェクナの若いころが舞台では描かれていました。ヴェクナは昔ヘンリーという名前だったのですが、彼の背景を知ることができてよかったです。演出は、キャストが宙に浮いた状態でスライドする場面があって、すごい迫力で圧倒されました。『ストレンジャー・シングス』好きにはたまらない内容で、たくさんの刺激を受けた作品でした。

撮影=小嶋淑子
撮影=小嶋淑子

取材・文=奥村百恵

◆スタイリスト:Emiy

◆ヘアメイク:吉本知嗣

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