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「あんたのために犠牲にした」と口にした母→結婚式のスピーチで気づいた「息子からの贈り物」

  • 2026.4.29
ハウコレ

息子のために自分を後回しにしてきた25年。結婚式の母親席で、息子の口から聞いた言葉に、私はそっと目頭を押さえていました。

一人で守り続けた暮らし

息子が3歳のとき、夫と別れました。養育費は半年で途絶え、パートを掛け持ちしながら一人で息子を育ててきました。保育園の送り迎えも、熱を出したときの看病も、運動会も、ぜんぶ私一人でこなしてきたのです。再婚の話が何度かありましたが、息子に寂しい思いをさせたくなくて全て断りました。友人との約束も、好きだった読書の時間も手放した25年。息子が不自由なく暮らせるなら、それで十分だと本気で思っていたのです。

つい繰り返してしまった言葉

息子が一人暮らしを始めると言い出したとき、つい口をついて出たのは「あんたのために犠牲にした」という一言。本当は言いたくなかった。でも離れていくのが怖くて、縋るようにその言葉を繰り返してしまいました。就職を決めたとき、結婚相手を連れてきたとき。大切な場面のたびに、同じ言葉で息子を縛ってしまっていた気がします。そのたびに息子の顔からは表情が消え、私はその沈黙がますます怖くなる。そんな繰り返しを、何度積み重ねてきたか分かりません。

披露宴で聞いたスピーチ

結婚式当日、息子がマイクの前に立ちました。「母さんは誰より強い人です。全部一人で背負って、俺をここまで育ててくれました」。胸の奥がじんと熱くなりました。続いた言葉は、「だから俺は、母さんにもう一人で背負ってほしくない。これからは隣にいる人と一緒に、母さんのことも支えていきます」。拍手が広がる中、私は涙で顔を上げられませんでした。犠牲という言葉で息子を縛ってきた私を、彼はずっと、こんなまなざしで見ていてくれたのです。

そして...

帰宅すると、メッセージが届いていました。「今日は来てくれてありがとう。これからは、母さんの時間も大切にしてね」。その文面を、何度も読み返しました。25年前に手放した読書の時間。明日は本屋に寄ってみようかな、と思えた自分に、少しだけ驚いています。息子が代わりに背負ってくれた荷物を、今度は私が、自分のために下ろしてみる番なのかもしれません。

(50代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。 (ハウコレ編集部)

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