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絶滅の危機を救う「国際結婚」 愛媛県立とべ動物園でボルネオオランウータンの未来を繋ぐクラファン始動

  • 2026.4.28
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ホッキョクグマのピースを国内で初めて人工哺育で育てるなど、さまざまな挑戦を続けている愛媛県立とべ動物園。この動物園で、いま、新たなプロジェクトが始まっています。それは「オランウータンの未来に向けて!ジェニファー&ハヤト応援プロジェクト」と題したクラウドファンディングです。

絶滅危惧種を守る国際共同プロジェクト

野生のボルネオオランウータンとスマトラオランウータンは現在、森林減少や密漁により「極めて絶滅に近い」深刻な危機に瀕しています。また飼育数も少なく、2026年4月現在、日本の動物園ではボルネオオランウータンが27頭、スマトラオランウータンが7頭飼育されているのみ。このままでは近い将来、日本の動物園で見ることができなくなるかもしれません。

とべ動物園には、これまでスマトラ、ボルネオオランウータンのオスが1頭ずつ(ディディとハヤト)いましたが、このままでは次世代へ命を繋ぐことはできませんでした。

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スマトラオランウータンのディディ=愛媛県立とべ動物園公式HPより

そこで、インドネシアの「タマンサファリ・インドネシア」と国際共同繁殖プロジェクトの協定を締結し、2025年12月、ハヤトのパートナーとしてメスの「ジェニファー」を迎え入れました。

繁殖成功に不可欠な「新たな設備」の導入

愛媛県立とべ動物園ではジェニファーを無事に迎え入れ、今度は「繁殖に向けた環境整備」を進めることになりました。オランウータンはとても繊細な動物といわれ、日本の夏冬を乗り越え、新しい命を授かるためには、現在の設備だけでは不十分だということです。

そこで今回、以下の設備を導入するためのプロジェクトが立ち上げられました。

①ホルモン測定器: 外部機関に頼らず園内で即時検査を行うことで、最適なペアリングの時期を逃さず見極めます。

②空調設備の更新: 猛暑や冬の乾燥から守り、熱中症や風邪のリスクを最小限に抑えます。

③モニタリングカメラ: 24時間体制で行動を観察し、繊細な変化を記録。また子どもが誕生した際に、その成長を24時間体制で確認・記録することが可能に。

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ボルネオオランウータンのジェニファー=愛媛県立とべ動物園公式HPより

目標金額は1,000万円、募集期間は2026年6月26日午後11時まで。4月末現在、支援額は530万円を突破しており、注目の高さを感じさせます。

魅力的な返礼品もたくさん

今回のプロジェクトへの寄付には、返礼品があるコースと、寄付控除が受けられる返礼品なしのコースが用意されました。

返礼品は、地元の伝統工芸とコラボレーションした砥部焼のオリジナルマグカップやお皿をはじめ、オランウータンがデザインされたオリジナルのTシャツなど、ここでしか手に入らない質の高いアイテムが揃っています。

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ボルネオオランウータンのハヤト=愛媛県立とべ動物園公式HPより

ホッキョクグマのピースで知られる愛媛県立とべ動物園が、ボルネオオランウータンの未来のために踏み出した大きな一歩。ハヤトとジェニファーが繋ぐ「命のバトン」を、見守っていきたいと思います。

■オランウータンの未来に向けて!ジェニファー&ハヤト応援プロジェクト
https://readyfor.jp/projects/tobezoo2026

ライターコメント

「オスしかいない」という状況から、ジェニファーを迎えてようやくスタートラインに立ったとべ動物園。でも、受け入れるだけがゴールじゃないんですよね。最新のホルモン測定器で「タイミング」を見極めるなど繁殖プロジェクトを科学的に支えるということができれば、赤ちゃんに会える可能性もぐっと上がるのではないでしょうか。

<ライタープロフィル>ゆんち

2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。

現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。

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