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救急隊「待つかもしれません」60代女性「分かりました」と搬送されたはずが…病院到着後に現場が凍りついた“一言”

  • 2026.5.26
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。ライターのとしです。

救急車で病院へ行けば、すぐに診てもらえる。そう思われることがあります。

ただ実際には、救急搬送であっても、病院到着後すぐに診察が始まるとは限りません。

今回は、その認識の違いから、搬送先で不満をぶつけられた事案でした。

夜間帯に入った体調不良の救急要請

今回の要請は、60代女性の体調不良によるものでした。

時間帯は夜間。

女性は会話ができる状態でしたが、体調不良の訴えがあり、医療機関での診察が必要だと判断しました。
夜間の救急搬送では、受け入れ先の調整に時間がかかることがあります。

近くの病院が必ず受け入れられるとは限りません。

当直体制や専門科の有無、病床の状況などで、対応が難しい場合もあります。

この時も、直近の医療機関は対応できませんでした。

少し離れた医療機関へ調整することに

近くの医療機関が難しかったため、ほかの搬送先を探すことになりました。

複数の病院へ連絡し、ようやく少し離れた医療機関から受け入れ可能との返答がありました。

ただし、すぐに診察できるわけではありません。

病院側からは、到着後も診察まで時間がかかる可能性があると伝えられました。

救急隊も、そこは本人へ説明します。
病院まで距離があること。
到着後すぐ診察になるとは限らないこと。
待ち時間が出る可能性があること。

それらを伝えると、女性はその場では了承し、その医療機関へ搬送することになりました。

到着後にぶつけられた不満

搬送中も、女性の状態を確認しながら医療機関へ向かいました。

到着後は、病院側へ症状や経過、バイタルなどを引き継ぎます。ここまでは通常の流れでした。

ところが、女性は到着後に不満を口にしました。

「こんな遠いところに連れてきて、いつまで待たせるのよ」

そうした内容でした。

こちらとしては、搬送前に距離や待ち時間について説明しておりました。

本人も了承していたため、理解してくれていると思っていたんです。

ただ、実際にはそこまで待たされるとは思わず、「救急車で行けばすぐ診てもらえる」という思い込みが強かったのかもしれません。

説明は聞いていても、不安や期待のほうが大きくなっていたように感じました。

救急搬送でも順番がある

救急車で搬送された場合でも、病院ではその時の状態に応じて優先度が判断されます。

命に関わる状態の人がいれば、そちらが優先されます。
救急車で来たから必ず先に診てもらえる、というわけではありません。

もちろん、救急隊もできるだけ早く診察につなげたいと思っています。

ただ、病院側にも受け入れ状況があり、ほかの患者さんもいます。

夜間であれば、対応できる医師やスタッフが限られていることもあります。

その中で、状態に応じて診察の順番が決まっていきます。

この部分は、現場で説明していても伝わりにくいところでした。

説明したつもりでも伝わりきらないことがある

この事案で感じたのは、説明したことと、相手に伝わったことは同じではないということでした。

救急隊としては、病院まで距離があることも、診察まで待つ可能性があることも伝えていました。

ただ、本人の中に強い思い込みがあると、その説明が十分に届かないことがあります。

体調が悪い時は、不安も強くなります。

早く診てほしい。
近くの病院へ行きたい。
待ちたくない。

そう感じるのは自然なことです。

それでも、救急搬送は希望どおりの病院へすぐ行ける仕組みではありません。

受け入れ可能な医療機関を探し、本人の状態に応じて搬送先を決めていきます。

今回も、事前に説明して了承を得たうえでの搬送でした。

それでも搬送先で不満につながり、伝え方の難しさを改めて感じました。

救急搬送でも、病院到着後に待ち時間が発生することはある。

そのことを知っておくだけでも、搬送後の受け止め方は少し変わるのかもしれません。


ライター:とし
元救急隊員。消防で17年、主に救急隊として活動し救急救命士資格を取得。現場経験をもとに、救急の分かりにくい部分を一般向けに噛み砕いて発信しています。


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