1. トップ
  2. エンタメ
  3. 「NHKで大丈夫?」「放送できたことがすごい」5年前にドラマ放送開始、NHKの歴史に刻まれた“攻めてる”ヒットシリーズ

「NHKで大丈夫?」「放送できたことがすごい」5年前にドラマ放送開始、NHKの歴史に刻まれた“攻めてる”ヒットシリーズ

  • 2026.6.3

2021年にNHK“ドラマ10”枠で放送されて注目を浴び、2022年にシーズン2も放送された『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』。本作は、オダギリジョーが脚本・演出・編集を手掛け、犬のオリバー役で出演もした、池松壮亮主演の異色のドラマだ。独特の世界観が話題を呼び、視聴者からは「攻めてる!」「これ、NHKで大丈夫?」などの感想がSNSに上がった。「シュールすぎて最高に面白い」「NHKで放送できたことがすごい」「ありがとうNHK」といった絶賛の声も見られるなど、“オダギリワールド”にハマった人が続出した。

※以下、本文には放送内容が含まれます。

オダギリジョーが脚本・演出を務めた初の連続ドラマ『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』

undefined
オダギリジョー(C)SANKEI

国内外問わず、数多くの映画やTVドラマに出演し、強い印象を残している俳優のオダギリジョー。NHK大河ドラマには、『新選組!』や『八重の桜』に出演。NHK連続テレビ小説(朝ドラ)『カムカムエヴリバディ』の大月錠一郎役も忘れ難い。映画『ある船頭の話』などでは監督も務めるなど、マルチな才能で観る者を楽しませてくれているオダギリ。

そんなオダギリが温め続けてきたというオリジナル企画のもと、制作されたのが『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』だ。

鑑識課警察犬係のハンドラー・青葉一平(池松壮亮)。彼には、どういうわけか、相棒の警察犬・オリバーが、着ぐるみのおじさんに見える。 ぐうたらで慢性鼻炎だというオリバー(オダギリジョー)とともに、偶然が重なり事件を解決していくのだが…。彼らが巻き込まれた、ヤクザと半グレの抗争事件。そこに、11年前に行方不明になった少女の謎が絡み合う。大乱闘の末、一件落着したかに思われたのだが、事件の重要人物であるヤクザの若頭・龍門が何者かに毒殺されてしまう。果たして、黒幕は誰なのか。行方不明だった少女の秘められた過去とは。一平とオリバーが真相に迫っていく。
出典:NHK ONE『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』

面白すぎる池松壮亮とオダギリジョーのやり取り

本作に登場する警察の鑑識課の面々は、とにかく個性的でクセが強い。職場のトイレで前髪を切る、テンション高めの漆原冴子(麻生久美子)。いつも優雅にクラシック音楽を聴いている、トボけた感じの課長(國村隼)。警察以外の場所でも、出てくるだけで笑ってしまうような面白いキャラクターたちが、主人公の一平を取り巻いている。

そんな中でも、一平は真面目に仕事をしようとするが、ハンドラーとしてペアを組むオリバーは、あまりにも不真面目な警察犬だ。仕事中でもタバコを吸うし、お酒を飲んで二日酔いになったりもする。おまけに女好きで、エロい発言を繰り返す。だが、オリバーが“おじさん”の姿に見えるのは一平だけなので、周囲には愛らしい犬だと思われている。

オリバーに困らされてばかりの一平を演じる池松壮亮と、着ぐるみ姿で、だらしないオリバーに扮するオダギリのやり取りには、毎回ニヤニヤせずにはいられない。SNSには「主人公にだけおじさんに見えるという設定自体が面白い」といったコメントも。オダギリにしか考えつかない世界観だと思うが、タイトルも含め、これをNHKで放送したことが本当にすごいと思う。

2025年には、映画版『THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』が公開され、引き続き、オダギリが監督と脚本を担当。観客からは「映画から観たけど、これがもともとNHKのドラマだったなんて信じられない」「いい意味でNHKらしくなくて意外すぎる」といった感想が。奇妙な空気感は、ほかのNHKドラマとは一線を画すが、映画化もされるくらいのヒットシリーズとして、NHK作品の歴史に刻まれたと言えるだろう。

“無駄遣い”と思えるほどの豪華キャスト陣

キャストには、池松、オダギリ、そして前出の漆原役の麻生久美子や、課長役の國村隼、さらに同僚役の本田翼、岡山天音など、主役級の俳優たちが顔をそろえている。池松は、今期のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』で豊臣秀吉を演じている。オダギリは、6月19日から公開予定の映画『黒牢城』に出演。麻生は、現在放送中のTVドラマ『月夜行路 -答えは名作の中に-』に主演(波瑠とW主演)。國村は、NHK“土曜ドラマ”『ムショラン三ツ星』に出演中。本田も岡山も、数多くの作品で活躍している。

鑑識課のキャラクターを演じるキャストのほかにも、本作にはあり得ないほどの豪華俳優陣が出演している。永瀬正敏、くっきー!(野性爆弾)、永山瑛太、染谷将太、仲野太賀、松たか子、黒木華、浜辺美波、河合優実、松田龍平、松重豊、柄本明、佐藤浩市など。これでも、ほんの一部だ。このような有名俳優たちの出演が実現できたのは、ひとえにオダギリの人脈と人望によるのではないだろうか。「無駄遣いと言えそうな豪華キャスト!」という感想が見られたが、まさに“無駄遣い”のごとく、“この人がこんな場面に!?”といったシーンも。未見の人は、NHKオンデマンドで配信中なので、ぜひチェックしてみてほしい。

最後に、筆者が特に気になったキャストについて触れておこう。“スーパーボランティア”の小西幸男を、佐藤が演じていることに、とても驚いた。ド派手な出で立ちの小西は、クセの強い人物だらけの本作の中でも群を抜いている。この役を、渋い大物俳優の佐藤に演じさせたオダギリは、やっぱり只者ではないし、演じた佐藤にも拍手を送りたい。衝撃的なキャスティングだが、非常に面白いので必見だ。


出典:『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』NHKアーカイブスより

ライター:清水久美子(Kumiko Shimizu)
海外ドラマ・映画・音楽について取材・執筆。日本のドラマ・韓国ドラマも守備範囲。朝ドラは長年見続けています。声優をリスペクトしており、吹替やアニメ作品もできる限りチェック。特撮出身俳優のその後を見守り、松坂桃李さんはデビュー時に取材して以来、応援し続けています。
X:@KumikoShimizuWP

の記事をもっとみる