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「普通に車線変更しただけなのに…」ドラレコ映像で発覚した“危険な動き”、少しの焦りが招いた“思わぬ代償”

  • 2026.5.22
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

「間に合わないかも。急がなきゃ…!」そんな焦りから無理な車線変更をしてしまい、事故につながるケースは少なくありません。

特に片側3車線など交通量の多い道路では、短距離で複数車線をまたぐような動きは非常に危険です。本人は普通に移動したつもりでも、事故になると進路変更した側の責任が大きく問われることがあります。

「急いでいただけ」のつもりが接触事故に

ある日、片側3車線の道路で事故を起こしたAさんが来社されました。

事故当日は、予定の時間が迫っており、「このままだと間に合わない」と焦っていたそうです。そこで左車線から右車線へ移動し、前方へ出ようとしました。

Aさん自身は、「普通に車線変更しただけ」という認識でした。

しかしドライブレコーダー映像を確認すると、実際には短い距離の中で複数車線を一気にまたぐような動きになっていました。そしてその途中、右車線を直進していた車と接触してしまったのです。

Aさんは当初、

「相手にもこちらの車は見えていたはず」「避けられたのでは?」

と、自分の過失は小さいと考えていたようです。

しかし、こうした事故では“進路変更をした側”の責任が重く見られるケースが多くなります。

車線変更では「動いた側」の責任が問われる

車線変更や追い越しでは、進路を変える側に強い安全確認義務があります。

直進している車は基本的にそのまま走行を続ける前提ですが、車線変更する車は「周囲の車の動きを確認したうえで、安全に移動できるタイミングを選ばなければならない」と考えられているためです。

そのため事故になると、次のような点が細かく確認されます。

・ミラー確認は十分だったか
・ウインカーを適切なタイミングで出していたか
・死角確認をしていたか
・無理な進路変更ではなかったか

特に、交通量の多い道路では、周囲の車は「まさか一気に右まで来るとは」と予測できずに走行していることも少なくありません。

これらを踏まえた結果として、直進車側よりも進路変更側の過失が大きくなるケースが多いのです。

「複数車線の一気またぎ」は違反になる可能性も

さらに注意したいのが、短距離で複数車線を一気にまたぐ行為は、単に「危険」とされるだけではすまされないという点です。

道路交通法では、進路変更をする際には他の車両の正常な交通を妨げないよう安全確認を行う義務があります。また、急な進路変更や無理な横断は、周囲に危険を及ぼす運転として違反に問われる可能性があります。特に片側3車線道路で、左から右へ一気に移動するような走行は、他車が進路を予測しづらい、死角が増える、確認不足が起きやすいといった理由から、危険性が非常に高い行為として扱われやすくなります。

本人は「少し急いだだけ」の感覚でも、映像で振り返ると想像以上に危険な動きになっていることは少なくありません。

実際、Aさんも後からドライブレコーダー映像を見返し、「思った以上に急な動きだった」「これでは相手も避けづらかったかもしれない」と話されていました。

焦りが確認不足を招きやすい

事故時によくあるのが、急いでいたという状況です。焦っていると人はどうしても視野が狭くなります。

そのため、このような状況では「ミラーは見たつもり」「大丈夫だと思った」「車はいないと思った」といった「確認したつもり」の状態になりやすく、隣車線の死角に車がいたり、後方から速度差のある車が近づいていたりすることに気が付きません。

さらに、複数車線をまたぐ場合は、確認すべき方向や情報量も増えるため、一瞬の判断ミスが事故につながりやすくなるのです。

無理な車線変更を防ぐためにできること

こうした事故を防ぐためには、「急いでいる時ほど無理をしない」という意識が大切です。目的の車線変更は早めに余裕を持って行い、「間に合わないかも」と感じた時ほど無理に動かないようにしましょう。また、一度に複数車線をまたぐ進路変更は避け、ミラーだけでなく目視での死角確認を徹底するなど、急いでいる時こそ、より一層の安全運転を心がけましょう。

ほんの数秒を急いだ結果、事故による修理費や保険対応、けがのリスクを抱えることになれば、かえって大きな負担になってしまいます。

「少し急いだだけ」が大きな事故につながることもある。だからこそ、焦った時ほど一呼吸置き、安全を優先した運転が大切なのかもしれません。


ライター:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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