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パンチくんの「めげない性格」は飼育員2人に似た? 現場を守り抜く安永課長の〝飼育員ファースト〟

  • 2026.4.25
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市川市動植物園(千葉県)の「パンチくんブーム」の最前線で、パンチくんとともに注目を浴び続けてきたのが、2人の担当飼育員です。しかし、そこには安永崇課長が最も心を砕いた「もう一つの戦い」がありました。

3月、取材対応をストップさせた理由

ブームが過熱するにつれ、飼育員たちへの注目も増しました。ときには、まるでアイドルのような視線を注がれてしまったり、SNSで動画が拡散されてしまう事態も起きました。安永課長は、2人のメンタルが削られていくことを誰よりも危惧していました。

安永課長:「大きなブームになった2月中は、お願いがあれば飼育員も取材に応えるようにしていましたが、3月に入ってからは一切やめました。何より、飼育員のメンタルをケアし、2人が本来の業務である『動物たちの命を守ること』に専念できる環境を作ってあげたかったんです」

園内を歩けば声をかけられ、一緒に写真を撮ってほしいと言われることも。好意的なものであっても、その過剰な注目は心理的に大きな負担となります。安永課長は上司として、2人の「日常」を死守することに細心の注意を払いました。

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飼育員2人によって人工哺育で育てられたパンチくん=YouTube「市川市公式チャンネル」より

幸いだった「メンタル最強」の2人

しかし、安永課長は笑顔でこう付け加えます。

安永課長:「幸いだったのは、飼育員2人も相当メンタルが強かったことです(笑)。本当におかしくなっても不思議ではない状況でしたが、2人で励まし合い、支え合いながら、一度も体調を崩すことなく今日まで駆け抜けてくれました」

そんな安永課長には、持論があります。

安永課長:「パンチの今の明るくて、何があっても逃げない、図太い性格。これ、実はあの2人から移ったんじゃないかと思っているんです。ニホンザルの専門家には『そんなわけない』と笑われてしまうかもしれませんが、怒られてもケロッとしているパンチを見ていると、そうとしか思えないんですよね」

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やんちゃなところもパンチくんの魅力=YouTube「市川市公式チャンネル」より

誇りと戸惑いの間で

注目されることの一長一短を、安永課長は冷静に受け止めています。 私生活にまで影響が出ることに申し訳なさを感じつつも、一方で、自分が担当する動物がこれほど愛されているという事実は、飼育員にとっての「誇り」でもあります。

安永課長:「自分たちが守ってきた命が、世界を笑顔にしているというのは、嫌なことばかりではないですよね。その喜びを力に変えて、スタッフ全員が総力戦で頑張ってくれました。職員が一人も倒れずにここまで来られたことには、感謝しかありません」

ライターコメント

パンチくんが生まれた直後は、不眠不休で人工哺育をして、さらにサル山のお世話もしていたという2人。そして世界中にパンチくんの情報とともに、一挙手一投足が拡散されてしまうのは安永課長でなくとも心配になりますが、いまもお2人が元気にサル山の世話にあたっていると聞いて安心しました。

<ライタープロフィル>ゆんち

2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。

現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。

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