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二日酔いは「飲む前」に決まる?  翌朝の頭痛&吐き気を防ぐ“意外な食べ物”とは【医師解説】

  • 2026.4.24
二日酔いを予防するには?
二日酔いを予防するには?

金曜日の夜にお酒を飲む人は多いと思います。その際、つい飲み過ぎてしまい、頭痛や吐き気など、二日酔いの症状に悩まされた経験はありませんか。二日酔いの原因や予防法などについて、用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニック(東京都世田谷区)院長でアルコールアディクション学会理事、肝臓学会専門医、消化器病学会専門医の菊池真大さんに聞きました。

二日酔いは複合的な要因で生じる

Q.二日酔いの原因や症状について、教えてください。

菊池さん「二日酔いは、単にアルコールが残っているだけではなく、脱水や低血糖、炎症など、体内で起きる『複合的な不具合』の結果です。主な要因は次の通りです」

(1)アルコール代謝とアセトアルデヒドの影響アルコールの代謝は「エタノール→(ADH)→ アセトアルデヒド →(ALDH2)→ 酢酸 → 水・CO2」という代謝経路が知られています。

アセトアルデヒドはエタノールより毒性が強いため、二日酔いの原因の一つと考えられていますが、合わない点も多くあります。なぜなら二日酔いの時点では血中アセトアルデヒドがほぼ消失していることが多いためです。

(2)ホルモン異常:脱水、電解質異常、低血糖アルコールは抗利尿ホルモン(バソプレシン)を抑制し、利尿が亢進します。二日酔い期になると、今度は抗利尿ホルモンが反動的に上昇し、脱水による体液バランスの乱れが生じます。二日酔いのときに頭痛や倦怠(けんたい)感が生じるのはこのためです。また、肝臓がアルコール代謝を優先させた結果、低血糖になり、ふらつき、集中力低下が起こることもあります。

(3)酸塩基平衡の乱れ(代謝性アシドーシス)二日酔いでは、乳酸やケトン体が増加し、血液が酸性側に傾くことが報告されており、重症度と相関します。これが頭痛、倦怠感、筋肉痛の一因になると考えられています。

(4)炎症反応(サイトカイン)飲酒後、小腸を中心とした腸管バリアー機構が緩み、内毒素(LPS)が血中へ移行した結果、免疫系が活性化し、IL-6、IL-12、IFN-γなどの炎症性サイトカインが上昇します。全身倦怠感、食欲不振、気分低下、また肝臓への脂肪沈着もこうした機序が考えられています。

(5)睡眠構造の破綻アルコールは入眠を促しますが、レム睡眠を抑制し、深い睡眠が減少するため、夜間覚醒が増加します。その結果、睡眠の質が低下し、翌朝の疲労感、頭重が悪化することがあります。

(6)胃腸障害(粘膜炎症)アルコールは胃酸の分泌亢進や粘膜障害、胃排出遅延により胃痛や吐き気、食欲不振を引き起こすことがあります。

(7)コンジェナー(不純物)の影響コンジェナーはウイスキーやブランデー、赤ワインなどに多い副成分です。これらは炎症反応を増強させるため、二日酔いを悪化させる可能性があります。

(8)遺伝的要因(ALDH2多型)東アジア人の約40%はALDH2(不活性型)を持つため、少量でも顔面の紅潮や二日酔いの頻度、重症度が高くなる傾向にあります。

以上のように、二日酔いになると主に次の症状が出ることが多いです。

■神経系の症状・ズキズキと脈打つような頭痛・集中力低下・光、音に過敏になる・不安、抑うつ

■自律神経系・動悸(どうき)・発汗・震え

■消化器系・吐き気・胃痛・下痢

■全身症状・強い倦怠感・脱力・口の渇き

二日酔いを防ぐには?

Q.職場の飲み会や友人との会食のとき、二日酔いを防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。飲酒の前にできる対策を教えてください。

菊池さん「二日酔いを起こしにくい飲み方は次の通りです」

■飲む前にアルコール代謝を整える(1)空腹を避けるお酒を飲むとき、食べ物を適度に取ることでアルコールの吸収速度が調整されます。

空腹だとアルコールの吸収が速く、血中アルコール濃度(BAC)が急上昇します。その結果、先述のように抗利尿ホルモンの分泌が抑制され、多尿や脱水、電解質異常が起きやすいです。

(2)飲酒時に軽食を取る脂質とタンパク質を含む軽食がおすすめです。例えば、チーズやナッツ、卵、サーモン、アボカドが挙げられます。

(3)ナイアシン、ビタミンB群を事前に摂取するアルコールの代謝にはニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)という補酵素が必要です。また、飲酒前にビタミンB群が不足していると、代謝効率が落ち、アセトアルデヒドの滞留が増えます。お酒を飲む前にレバーやカツオ、タラコ、卵、納豆を食べるとよいでしょう。

(4)発芽直後のブロッコリーの若い芽「ブロッコリースプラウト」を取るブロッコリースプラウトに含まれている「スルフォラファン」という成分には、アセトアルデヒドの代謝を助ける効果が期待されています。ヒトの解毒作用を高める研究も進んでおり、事前の摂取は理にかなっています。

(5)筋肉量が多い人はアルコールの代謝に有利に働く筋肉量が多い人は体内の水分量や代謝が安定しているため、同じ量の酒でも酔いにくく、二日酔いになりにくい体質と言えます。

Q.飲酒時や飲酒後はどのような点に注意すべきなのでしょうか。

菊池さん「お酒の飲み方に気を付けましょう。次の4点を実行してください」

【飲酒時の対策】(1)「1杯の酒に1杯の水」は少量ずつ飲むのを意識するアルコールは先述のように抗利尿ホルモンの分泌を抑制するため、多尿になります。その後、体液量の低下に伴い反動的に抗利尿ホルモンが過剰分泌されるため、二日酔いになりやすいです。つまり飲酒時、水分は“少量ずつ頻回”が最適で一気に飲むと逆に体液バランスが乱れます。

(2)糖質が多いカクテルを避ける(低血糖が悪化)アルコールは糖新生を抑制し、低血糖を起こしやすいです。甘いカクテルや日本酒といった糖質が多い酒を大量に摂取すると、翌朝の倦怠感を増幅させます。

(3)ワインやウイスキーなど、色が濃い酒の摂取を避ける色が濃いお酒は不純物が多く含まれています。不純物が体内にたまると、二日酔いの回復を遅らせます。

【飲酒後の対策】お酒を飲んだ後は代謝のバランスを回復する必要があります。

(1)就寝前に電解質と少量の糖を摂取するアルコール代謝で水、ナトリウムやカリウム、グルコースが大量に消費されるため、スポーツドリンクとバナナ1本(あるいは別の果物少量)のセットが、体を回復させる上で最も理にかなっています。

(2)就寝前に非ステロイド性抗炎症薬を服用するのは避ける胃粘膜がアルコールで脆弱(ぜいじゃく)化しているため、ロキソプロフェンやイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を服用すると胃潰瘍リスクを高めます。

オトナンサー編集部

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