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親しみを込めて押し続けたハートがスクショになって返ってきた

  • 2026.4.16
ハウコレ

悪気はなかった。本当に、ただの親しみだった。でもそれが相手にどう届いていたのか、人事から呼び出されるまで考えたことすらありませんでした。

ハートを選んでいた理由

部署のグループチャットで部下が「了解です」と返してくるたびに、リアクションをつけるのが習慣でした。読んだよ、という意味です。グッドサインが多かったと思います。でもあの子のメッセージにだけは、ハートを押していました。

理由を聞かれると困ります。深い意味はなかった。仕事を丁寧にこなす部下で、応援したい気持ちがあった。グッドサインより少し温かい気持ちを伝えたかった。それだけのことです。恋愛感情かと聞かれれば、違うと答えます。でも「じゃあなぜ他の人にはハートを押さないのか」と問われると、うまく説明できないのです。

無自覚という罪

ある日、別の部下から雑談の中でこんな話を聞きました。「あの子、最近ちょっと元気ないですね」。思い当たることはありませんでした。仕事ぶりはいつも通りだし、グループチャットでのやりとりも変わらない。

あとから知ったことですが、あの子は同期に相談していたそうです。「考えすぎだよ」と言われたと。その一言で、あの子は誰にも言えなくなった。そして誰にも言えない代わりに、スクリーンショットを撮り始めた。俺が無自覚にハートを押し続けている間、あの子は毎回それを記録していたのです。

あまりに多い数字

人事から面談の連絡が来たとき、何の件か見当もつきませんでした。会議室に入ると、管理職がタブレットの画面をこちらに向けました。表示されていたのは、俺がつけたハートのリアクションのスクリーンショット。日付と時刻つきで。

「私にだけなんです」。あの子がそう訴えたと聞きました。1回なら冗談で済んだかもしれない。でもあの数は執着です。親しみのつもりだったと説明しましたが、自分の声がどこか言い訳じみて聞こえるのがわかりました。

そして...

翌月、別の部署に異動になりました。表向きは組織変更ですが、事情を知っている人間は少なくないはずです。

異動先のグループチャットで部下のメッセージにリアクションをつけようとして、指が止まりました。グッドサインを選ぶ。でもその一瞬の迷いの中に、かつての自分がいます。「たかがリアクション」。そう思っていた頃の自分に言いたいことがあります。相手がどう受け取るかを想像できなかった時点で、親しみではなかったのだと。

(50代男性・営業)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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